イベント/不死者の末路

Last-modified: 2012-04-15 (日) 19:42:22

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


不死者の末路

特別遊撃隊編成

あれからしばらくして。
星座の騎士が各地にて暴れ回る事態を重く見て、とうとうアルタナ連合軍が重い腰を上げた。
ジュノにて四国会議を行われたのだ。
その会議で、見出された結論とは……。

 

ジュノ大公国

 

『特別遊撃隊?』

 

招聘を受け、場に集った一行が一様に疑問の声を上げた。

 

ザイド
フリオニール
パチュリー・ノーレッジ
アリス・マーガトロイド
フランドール・スカーレット
霧雨魔理沙
鈴仙
内籐
チルノ
そして主人公。

 

彼らの目の前にはアヤネさんがいる。
「はい。会議の結果、そのように決まりました」

 

ザイドからの報告によれば、以前、獅子座の騎士が蟹座の騎士を破った主人公を狙った。
そしてその際の戦闘で漏らした「上出来」という言葉。
このことから彼らは戦闘行為への介入の他に、「熟練の騎士、もしくは仲間を撃破した相手を狙う」可能性がある。

 

そして、決まった結論はこうだった。

 

『騎士達を相手にした人物と選り抜きの人材(主にあみだくじで決定)を中心にLSを結成、騎士達を誘き寄せる』

 

イベントが終了するまで、PTが上の面々で固定される。
各地で通常戦闘を行うと、一定確率で次のイベントに映る。
戦闘回数によって確率が変化し、10回程度も戦闘していればまず確実に次のイベントが発生する。

「アクアリウス」

 

「アンジー、あれは敵なのか」
『友軍は既に壊滅しました。我々に味方は存在しません。
我々の使命は敵を滅ぼすこと。それだけです。レオ、アクアリウス』
「……」
「……了解。接敵する」

 

上の目論みが正しかったのか、此方の戦闘行為に介入する様に、星座の騎士と遭遇した。
敵は獅子座の騎士。
そして、2の数字と水瓶のエンブレムを持った鎧の騎士。
あのアンフィプテレが上空に待機、突風攻撃で騎士達に援護を行う他、時々指示のような発言を送っている。

 

彼らの実力は想像以上だった。
彼らはあのフランドール、ザイドを始めとした面々を相手にしても、まったく引けを取らない。
しかし、と。主人公は上空で羽ばたくアンフィプテレに注目を向ける。
……信じられない話であるが、戦闘での振舞いを見ると、あのアンフィプテレは指揮官のような立ち位置らしい。
加えて、レオと呼ばれたあの獅子座の騎士との前回の戦い同様、アレがいる限りは高確率でまた逃走される。

 

考えは一瞬だった。
鈴仙、あのアンフィプテレを撃て!

 

主人公からの突然の指示。それを聞いても鈴仙は一切の躊躇しなかった。

 

ズドン!

 

鈴仙が銃を構え、銃声とともにスラッグショットを放つ。
命中率を引き換えに破壊力を備えた銃弾は、アンフィプテレの胴を寸分違わず撃ち貫いた。
風穴から血を撒き散らしながら、アンフィプテレが墜落する。

 

一瞬だけ、獅子座の騎士の動きが鈍る。
水瓶座の騎士の方は斃れたアンフィプテレを見ていたが、此方に視線を向けた。
「まさかアンジーを狙うとはな」
武器を構え、低い声音で呟く。
「……よく訓練されている」

 
  • VS.レオ&アクアリウス
    Panther
    勝利条件:レオ、アクアリウスどちらかのHPを50%以下まで削る
    敗北条件:主人公の戦闘不能
     
    黄道十二星座騎士団の一員、レオ、アクアリウスとの大規模戦闘。
    敵ユニットはレオとアクアリウスが2マス程度離れて単独で1ユニット、その周辺にスケルトン族が3体4ユニット配置されている。
     
    レオは攻撃・速さ・防御ともに高い隙の無い相手。また、その攻撃は防御を無視するので防御といった行動はご法度。ただし、後衛への攻撃手段を持たないので後ろから狙い撃ちされると弱い。
    アクアリウスの攻撃は魔法攻撃の特性を持つ。MNDが低めだと大ダメージを受けるが、後衛の魔理沙達は被害をが少ない。
    雑魚敵のスケルトンは貧弱そのものだが数にモノを言わせて襲いかかってくる。
    守りが堅いキャラを前面に押し出してさっさと片づけてしまおう。
    「強敵か……久しく無かった感覚だ」
 

「……貴様は敵なのか」
!?
激戦の最中、獅子座の騎士……レオが此方に語りかけた。
「もう一度聞く。貴様達は敵なのか」
突然の問答に、反応しかねていると、念を押す様に再度同じ内容を尋ねてきた。

 

……は?

 

「……ギャグ?」
「ジョークにしては寒いな。先にけしかけてきたのはそっちだぜ?」
「応えてもらおう。我らは最早不要なのか……」
獅子座の騎士が月明かりの大剣を振い、それをフランドールの魔剣が受け止める。

 

「……勝つことのみが、我らの存在する意義」
鍔迫り合いで火花が散り、騎士の兜の庇を照らす。
「貴様達が我らの強さを乗り越えると言うならば……我らの使命は終わる」
力を込めて騎士の剣を押しのけると、フランドールは獅子座の騎士に蹴りを叩き込み、すかさず空いた手からファイアを弾丸の様に連発する。蹴りを受け、ノックバックした騎士はバックステッポで後退しながら、炎弾を斬り払い、或いは手で払い落とし、距離を取った。
その姿を見届け、フランドールが言い放つ。
「貴方達を倒せ。そういいたいの?」
「……貴様達にそれができるのならば」

 
 

『レオ。敗北主義とみなされる発言です』

 
 

レオの後方から斃れた筈のあのアンフィプテレの声が響いた。
一同が一斉に声の方向へ視線を向ける。
「嘘……!」
「……死んだんじゃなかったのか」
一同は一様に驚愕の表情を浮かべ、鈴仙とフリオニールが唖然とした声で呟いた。
胴に大きな風穴が空いているにも拘らず、アンフィプテレは平然とした姿で地に立っていた。
……生きている。
「直撃したのに!」
……やったか!? なんて言ってないよね?
「言うか馬鹿!」

 

「……お前らもアレみたいに死なないのか?」
「……知りたければ、直接確かめてみるといい」

 

『それ以上は反逆行為と捉えらえます』
獅子座の騎士がアンフィプテレ……アンジーに視線を向けた。
「アンジー……友軍も上官は既にいない。我らに命じているのは誰だ?」

 

『発言の意図が不明です』
「……アンジー、既に戦況が悪い。撤退する」
斬り捨てるアンジー。その後にレオにフォローを入れる様に水瓶座の騎士が警告する。

 

「仲間割れしてるところ悪いけど、逃がすと思う?」
「不死身だかなんだかしらないけど、退治させてもらうぜ……!」
「休みww速くww取り戻したいからね……!w」

 

「……」

 

ケリを付けようとする面々、対峙する騎士達。

 

「ガァアアアアアアアアッ!!」

 

それらを遮り、獣の様な咆哮が彼方から響き渡った。
直後に両者の合間に影が飛び込む。

「カプリコルヌス」

飛び込んだそれは、主人公達が対面している星座の騎士達と同じ鎧の騎士だった。
返り血なのか全身に血がこびり付き、兜の庇の間からは涎のようなものが流れている。
そして盾とパイルバンカーをくっ付けたかのような様な兵装を手にし、その肩には1の数字と山羊座の紋章があった。
「カプリコルヌス……!」

 

「ヴルゥア!?」

 

レオにカプリコヌスと呼ばれた騎士は、獣の様に呻いた。
その声に知性は一切感じられない。
そして、カプリコヌスはこちらに向けて武器を振り払い、飛びかかる。

 

『好機と判断。撤退します』
「……」

 

レオは一瞬、硬直、そしてアンジーを仰ぎ、肩を落とした。
「アンジー」
抑揚の無いその声には嘆きが含まれていた。
「もういないのだったな……我らの知っていたお前も」
「……」

 

「チッ、また逃げる気か!?」
「グルアアアアアアアアアッ!!」
「喧しい!」

 

主人公達が獣の様に暴れ狂うカプリコルヌスを相手取るうちに、二体の騎士はアンフィプテレに掴まり、飛び去って行った。
「ああもう、逃げられたっ!」

 

山羊座の騎士は、地平へと飛び去っていくアンフィプテレを一瞬だけ見上げ、後ろへ跳ねる。

 

「ガ……ガァアアアアアアアッ!!!」

 

そして身を反り返えらせると、狂気じみた咆哮をあげて主人公達に飛びかかってきた。

 
  • VS.カプリコルヌス
    Overture
    勝利条件:カプリコルヌスの撃破
    敗北条件:主人公の撃破
     
    黄道十二星座騎士団の1りカプリコルヌスとの大規模戦闘。
    敵はカプリコルヌスが1体1ユニット。その周辺を取り囲むように屍犬族が1体4ユニット配置されている。
    前回の戦闘のスケルトンより手ごわいが、それでも苦戦することは余りないだろう。
    精々、特殊技で付加してくる麻痺や暗闇が厄介な程度である。
    肝心のカプリコルヌスは片手剣による斬撃、重い蹴りの一撃、そして装備しているパイルバンカーによる高威力の一撃が得意。
    反面、守りを一切捨てており、装甲を纏っているにもかかわらず防御力が非常に低い。
    結果、互いに与えるダメージが大きいというなんとも大味な戦いになる。
    なお、パイルバンカーは防御を無視するが、センチネルやプロテスによるダメージは軽減可能なので覚えておこう。
     

「ガァアアアアァッ……!?」
絶叫を上げ、カプリコルヌスが吹き飛び、地に叩き伏せられる。
……沈黙するかと思いきや、カプリコルヌスはやがてよたよたと立ち上がった。
兜は壊れ、中身を完全に外へと晒している。

 

その素顔は……

 

「ガ……ガァアア……」

 

薄い小豆色に爛れた皮膚、骸骨の様な顔。
窪んだ眼窩の様な眼からは赤く濁った眼光がぎょろぎょろと見える。
その素顔は、射手座の騎士の顔を見たフリオニールの言質と違わず一致する。
晒されたカプリコルヌスの姿は、まさしく亡者そのものだった。

 

「……!」
「人間性を代償として、黄道十二星座騎士団は力を手に入れた。
……それは不死であり、超常の異能……」
呻くカプリコルヌスを見ながら、パチュリーが呟く。
「しかし、生き返る度に知性や人間性を失っていき……
やがて完全に人間性を失った者は、思考能力すら持たないモンスターへと成り果てる」

 

「――まさか、本当の事だったなんてね」

 

「ガ……ァ……」
カプリコルヌスは武器を落とし、両の手をぶら下げた。
そのまま力なく痙攣したかと思うと――

 

「ガァアアアァアアァァァッ!!」
再び咆哮を上げ、無手のまま、主人公達に飛び掛かった。
そして――

 
 
 
 

今度こそトドメを刺されたカプリコルヌスは、地面に斃れた状態で一同の目の前で霧散した。
「……パチェ。今までの相手も見て思ったけど、彼らは本当に死んだの?」
「……わからないわ。少なくとも、この『カプリコルヌス』は生き返る為に必要な人間性を完全に失っている。……多分。
だからこれ以上生き返らない……と考えることはできるけど」

 

……それよりもまだあの連中がまだ残っている。
「あれが本当に黄道十二星座騎士団なら、団員は12人。蟹座、蠍座、双子座、射手座……そして山羊座。残るは8つ、か」
「それとあともう一人。聖女とかいうのがいたよね」

 

「どのみち、先はまだ長いな……」