イベント/会戦勃発

Last-modified: 2012-03-27 (火) 15:04:53

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


会戦勃発

朱に染まる分水嶺

氷雪に包まれた大地から、黒々としたうねりが波が列を揃え南へと向かう。
クゥダフ、ヤグード、オーク、デーモン、巨人族……氷雪を踏み進むうねりの正体はこれらの獣人が為す群列。

 

獣人血盟軍。

 

数多くの獣人が、闇の王という中枢を中心に集い、憎悪する人類に向けその牙を剥く。
その群が向かう最初の矛先はサンドリア王国。
大陸に棲む全ての人間の最後の一人まで根絶やしにするために、彼らの総攻撃が遂に始まった。

 

……しかし、やがてその進軍に澱みが見えた。
地平線の向こうに、黒い波が見えたのだ。

 

遠見に長けたに長けたヤグード達はそれについていち早く理解した。

 

人間だ。
人間達の軍勢がこちらに向かっている。

 

掲げた旗はアルタナ四国だけのものではなかった。
黒色の地に蛇王ザッハークの紋様が刻まれたアトルガンの皇国旗。
中にあるオリエントな旗はかつてアトルガンと敵対関係にあったひんがしの国か。
いや、軍を成していたのは人間だけではない。

 

妖異もあの波の中にいる。
そして、中でももっとも痛烈な印象を抱かせるのは、列の先頭を奔る漆黒の龍だった。
紅蓮の鎧を纏った老エルヴァーンが龍の背を駆り、サンドリアの軍旗を靡かせるその姿。

 
 

「滅ぼしていた筈のヴリトラを従えていたとは。ランペールも恐ろしいモノを従僕とする」
「貴方こそ前線に出ても大丈夫ですの? 公務があるのでしょう?」
ヴリトラとランペールよりやや遅れて先頭を征くマイケル・ウィルソンの横で愉快そうにシャントットが笑う。

 

「愛する国の危機に私が前に出なくてどうする。私の留守は息子と部下に任せておいた」
「あら残酷」
あの息子をこの戦いで留守にするとは。シャントットはほんのわずかに大統領の息子に同情する。
「アッパーすぎるというのも少々問題でな。だがJr.ならトラブルがあっても上手くやってくれるだろう……しかし」
「しかし?」
「この局面というのに、ランペールも貴女も、実に楽しそうな顔する」
「あら、そんなことはありませんわ? ただ我々に敵対する勢力をブッ潰す、全ての障害を押しのけ押し潰し叩き潰し粉砕する!
見敵必殺!(サーチデストロイ) 見敵必殺!!(サーチ・アンド・デストロイ) それだけですのよ? オーホホホ!」
「……ああ、楽しそうで本当になによりだ」

 

だがしかし、と拳を握りしめる。その手に纏った武器……スファライが戦意に呼応するかのように鈍く輝く。
「久々の荒事だ。なかなかどうして、血が滾る」
「メタルウルフの武勇伝は聞き及んでいますわ。どうか肩透かしさせないでくださいましね?」

 

やがて獣人達の姿がはっきりと見えてきた。肉薄するのは時間の問題だ。
「淑女の期待には応えるとも。派手に歓迎といこうか」
「ええ、よく言えました。灰は灰に、塵は塵に! 殺してくれとお願いするようにしてさしあげますわ!」

 

あるものは余興のために。
あるものは家族を、恋人を、友を、国を、自分自身を、誇りを、何かを護るために。
あるものは戦いに生の実感を見出すために。
あるものは明日の路銀を得るために。
あるものはただただ生き延びたいがために。
あるものは敵を奪い、殺し、貪り、滅ぼすために。
あるものは半ば己の命を擲つために。
あるものはただの巻添えに。

 

あらゆる思惑の中に、人類と獣人、盛衰はどちらに傾くか。全てはこの戦いが分水嶺となる。

 
 
Charge(突撃)……!
Enervation(吶喊せよ)……!
 
 

戦場から上がった吠声をゴングに、人間の波と獣人の波が遂に激突した。

 

進撃、前進せよ

主人公は大乱の中にいた。
その周辺には見知った顔……今までPTに誘えるようになり、誘ってきた者達が集まって、敵と相対をしている。
当の主人公は遥か向こうで無双しているランペールを驚愕半分呆れ半分で眺めていた。
一見優勢に見えるが流石に多勢に無勢だ。
だがまさか、まさかあのヴリトラがでてくるとは。

 

「サンドリアの人間から見たらトラウマものの相手よね、あれって」
「……ああ「」確かにな」
「流石のナイト様も不死龍相手には怖くて手も出せないってか?w」
「うざいなお前喧嘩売ってんのか?」
「(アサシンにグングニルブン投げながら)ほら、今はそれどころじゃないでしょブロントさん」
「せ、蝉貼ってなかったら死んでた……。おいこらてめぇ友軍殺す気か!」
「ん……ああごめんごめん。……お詫びに盾になって死んでいいよ?」
「詫びる気ゼロだろ絶対に殺す気だろオメエ!」

 

漫才やってんのかあいつら。
「わらわもあやつの事は死んだとばかり。しかし大した男じゃのう、龍王とやらは! だがいるのはヴリトラだけではないぞ?」
幻想郷から重い腰を上げてやって来た暇真龍のサーシャが掛け合いを見ながら愉快そうに笑う。
……どういうことだろうか。
「ほれ、あっちを見るのじゃ」
そうして指し示された背後の空に身を向く。

 

紅蓮。
空に紅蓮の巨体が浮かび、こちらに向かってくるではないか。
あれは……!

 

「あれは渾沌龍ことティアマット。わらわと同じ三龍じゃ」

 

……いよいよカオスになってきた感。
「ふふふ、こんなこともあろうかと数日前にアットワまで行ってきて呼んでおいた。
説得には骨が折れたぞ? 主人公を山車にしなければ上手くいかなかったかもしれぬ……!」
おいコラ人外ロリお前あのHNMに一体何吹きこんできやがった。
「なに、あとであやつに喧嘩を売られるかもしれんがなんとかなる。しかしこれでわらわも含めて三龍が集結、今宵は快い祭になりそうじゃのう!」
マジで何吹き込んだんだよ!?

 

言っている間にティアマットがブラストで獣人を吹き飛ばしていた。
半ば呆然としていると、

 

「密集して敵を片づけていては埒が明かない……!」
「こっちからうって出なきゃダメかしら!」
「ほれ、主人公。ボーっとしてないで何か命令出さぬか!」
いつの間にか指揮系統になっていた感。

 

……つーか、私めの様な三下の末端が指揮なんて取っていいのか。ブロントさんとかがやればいいと思うんだが。
そう漏らすと、

 

「「「「えっ」」」」

 

皆様方から驚きのリアクションを貰った。その一瞬の隙を狙って敵が殺到してくるがすぐさま秒殺される。

 
 

「……あのなぁ」
ギルガメッシュが呆れた声を上げた。
「お前、余の部下になってジュノ攻防戦で活躍したじゃねぇか。『ジュノ攻防戦の英雄』ってことで大公からすごい剣貰ってよぉ。余も欲しかったんだぞアレ!」

 

ギルガメッシュの言葉を聞いて、周りの面々も騒ぎだした。……敵を片づけながら。
「うむ。ぎるがめす殿の申す通り。少なくとも拙者含め、まわりの者達はお主が思っているようには考えてはおらぬ筈でござるよ?」

 

「実家にレミrアを紹介すうr時に主人公にも助けてもらった感。お前全力で誇っていいぞ」

 

「そうそう、俺達と一緒に破魔石返しにいったよな!」

 

「ドラゴン退治だってしました! わ、私は押し掛けでしたけど……!」

 

「主人公も俺たちと同じ、ミスリル銃士隊の一員じゃないか。末端だなんてとんでもないぞ!」

 

「それを言うんだったら主人公は私達ブーメラン・センチネルの一員よ? …………借金の事はあれだったけど、うん……

 

「一緒に盗賊を懲らしめたり、無理を言わせてもらって一緒にタブナジアの人々の御魂を沈めに行きましたね」

 

「機関巨人の件では世話になった。ナシュメラ様も本当に感謝しているわ」

 

「まぁ、色々手伝ってもらったし、フランが世話になったみたいだし、ね」

 

「……うん。わたしは主人公がそんな立場だなんて絶対に思わないよ? 一緒に肩を並べて戦った仲間だもの」

 

「あたいも悪くはないと思うけどな」

 

「わらわは人間の命令なぞ聞かぬ。……しかしな、お主の頼みなら特別に聞いてやらんこともない。
わらわが認めた数少ない人間じゃからな。……べっ、別にデレている訳じゃないのじゃぞ!?」

 

「皆様もそう仰っておりますわ。かくいう私も主人公様が三下扱いというのは少しばかり疑問ですね。
……という訳で主人公様には『かっこいい号令を叫ぶ』権利を差し上げます。さぁ今やれすぐやれ」
なんだか、誘導されてない?
「皆様方の気合いを入れ直す意味で一つ」

 

ため息が出てきた。
周りを見れば好奇の視線だったり、純粋に待ち望んでいたり……反応は人それぞれだったが、どれも自分のそれを期待しているのはバレバレで……

 

仕方がないか。
それで満足なら言ってやろう。腹をくくり、息を吸い込む。

 
 
 

……いいか、みんな。
これはただの前哨戦だ。この後には闇の王が待っている。
決戦ムードだけどこれで終わりじゃない。まだ先がある。ここで倒れる訳にはいかない。
だから蹴散らしても逃げても何でもいい、とにかく生きて生き抜け。
もし身の振り弁えず特攻する馬鹿がいたらぶん殴ってでも止めろ。
頭引っ掴んで生きることから逃げ出すなと怒鳴りつけてやれ。
今必要なのは犠牲じゃない。なるべく生きて、先に進むための結果だからだ!

 

気が付けば、獣人の攻勢は暫し止み、主人公の周囲は静まり返っていた。
沈黙を叩き潰す様に更に声を上げる。

 

だから、

 

いいか、命令はただ一つだ! 生きろ! 生きるために前へ進撃しろ!
明日を得るために、獣人を、闇の王の配下を、全ての窮地を徹底的に打ち砕き、全ての障害を踏み越えろ! いいか、みんな!

 
 

一息、しんと静まり返った周囲に向け、

 
 
 
 
 
 

――返事はどうした!

 
 
 
 
 
 

向けられた問いに対し、

 

あるものは主人公の問いかけに対し了解、と、
あるものは主人公の問いかけに対し肯定の吠声をあげ、
あるものは主人公の問いかけに対し頷き、
あるものは主人公の問いかけに対し笑みを浮かべ、
あるものは主人公の問いかけに対し親指を上げ、
あるものは主人公の問いかけに対し主人公の肩を軽く叩き、
あるものは主人公の問いかけに対し誇らしげな表情を湛え、

 
 

それら以て各々の応答とした。

 
 

向かうは獣人の群れ。
それらを蹴散らし、前へ前へと進む。

 
  • 大規模戦闘 第一ラウンド
    ♪Sinister Shadows
    勝利条件:敵の全滅
    敗北条件:主人公or味方の戦闘不能
     
    第一ラウンドとある様に、今回の大規模戦闘は三段階の連続戦闘となる。この戦闘はその第一段階。
    敵ユニットはオーク、クゥダフ、ヤグード、デーモン、巨人族がそれぞれ3体の5ユニット。計75体。現時点の戦力かつ、操作できるユニットは、主人公に加え、PTに誘える全てのキャラ。敵の数はとても多いが、この時点でこちらの戦力も大盤振る舞いである。
    この戦闘に限り、主人公のスキルに「指揮Lv3」が追加。(所持している場合はその分の経験を上乗せ)
    攻撃力が上がる代わりに防御が減少する「攻撃命令」と攻撃力が減少する代わりに防御が上がる「防衛命令」、リジェネとリフレシュを付加する「生存命令」が使用可能になる。それぞれの命令の効果は主人公の周囲3マスまで。移動後に命令はできず、また命令を使用するとそのターンの主人公の行動を消費してしまうので注意。
    戦法としてはジュノ攻防戦の様に敵を釣りながら一ユニットずつ潰していけば時間こそかかるが堅実に進められる。
     
  • 大規模戦闘 第二ラウンド
    ♪Fate of the Unknown
    勝利条件:敵の全滅
    敗北条件:主人公の戦闘不能
     
    敵ユニットはオーク、クゥダフ、ヤグード、デーモンがそれぞれ1体の5ユニット。将校クラスのNMがソロで8体。そして各々の配下3体がそれぞれ1ユニット。計52体。
    将校NMは闇王親衛隊からはタウルス族のシャドウクロー、ヴァンピール族のシャドウブレス。オークからは隻眼のグワッジボッジ、三眼のプロッズプッズ。クゥダフからは金剛拳のディ・ダ、翡翠姫ゴ・ダ。ヤグードからは死神のデー・サルモ、無双のカザン。頭数は減ったが敵の強さが段違い。特にシャドウクローと死神のデー・サルモは死の宣告を使い手。しかもデー・サルモは特殊技が「死の宣告」のみという死の宣告フリーク。無効化できるキャラ以外は絶対に近づけないこと。他のNMも特殊技以外の素のステータスが凄まじい。
    こちらの戦力は前回戦闘と同様、PTに誘える全てのキャラと主人公。NMとソロでもやりあえるキャラは多いが、一部NMの状態異常などが怖い。相手によって慎重に戦法を変えて戦おう。NMとNMの距離はそれなりに遠いので敵を釣るやり方はまだまだ有効。
    なおHPなどは回復しているので前戦闘での疲労を気にする必要はない。

退ける

「ガハハハハハハッ! いよぉ、蛇使いの亀! グロウベルグの時の借りを返しに来たぜ!」
「いつものやるわよみんな! 上杉家家訓十六ヶ条、斉唱ぉぉおおおおお!
「「「「うおおおおおー!」」」」

 

「大事なのは!」
「「「「ハート!!」」」」

 

「おかまは!」
「「「「筋肉!!」」」」

 

「美青年は!」
「「「「我が人生!!」」」」

 

「美少年は!」
「「「「全宇宙!!」」」」

 

「姿勢は!」
「「「「イケイケ!!」」」」

 

「入るトイレは!」
「「「「女子トイレ!!」」」」

 

「心は!」
「「「「乙女!!」」」」

 

「体は!」
「「「「もののふ!!」」」」

 

「魂に!」
「「「「化粧!!」」」」

 

「腋は!」
「「「「ツルツル!!」」」」

 

「すね毛も!」
「「「「抜いて!!」」」」

 

「鍛えた体は!」
「「「「黒光り!!」」」」

 

「それでも下着は!」
「「「「いつも白!!」」」」

 

「おかまはサイコー!」
「「「「おかまはサイコー!!」」」」

 

「ご意見無用!」
「「「「ご意見無用!!」」」」

 

「上杉フォーエバー!」
「「「「上杉フォーエバー!!」」」」

 

「よっしゃあ、やったりゃああああ! 全軍突撃い!!
かかれぃ! かぁあああかれぃいい!!」

 

「これは愛だね? 素晴らしい愛の応酬だね!? なんて素敵なんだろう!!」

 

「ぎゃああー! イロモノだぁ! 変態だー!!」
「落ちつけ! あいつらは友軍だぞ! それに変態ならアトルガンの不滅隊で間に合っている!」
「どっちも同じ人種(ヘンタイ)じゃねーか!!」
軍団(レギオン)! 軍団(レギオン)!! 軍団(レギオン)だ、軍団で固めて押し潰せ!」
「どっちを!?」

 

GRUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA……!!

 

「じ、地面から死体が!?」
「骨に屍犬に屍龍……あの黒い龍が呼んだのか!」
「しかし、どうやって呼び出しているのでしょう。これはこれで興味が尽きませんね……」
「そんなこと言ってる余裕あるのか?」
「うーん、少しはあります」

 

「ふふふ楽しそうではないか! わらわも負けてはおれぬの!」
「不死龍ヴリトラ、死者を操るというのは本当だったか……! ・えちょ さーしゃたんの生足^^;真下から^^;眺めたいな^^;」

 

「「「「……」」」」
「……」

 

「「「「おい、こいつ今すぐ叩き出せ」」」」
「まだ戦闘中だぞ!?」
「だったら一番敵が密集している場所にぶち込め。……裸一貫で、だ」
「So Sexyなヤグードのオネエ様とガチムチオークの兄貴から現実の厳しさってやつをたっぷり教えてもらえ……!」
「ザイドェ……」

 

「オーッホホホホ! 存外惰弱なものですわね獣人も! どうぞ、このまま地下6フルムでごゆっくりお眠りなさいな!」
「しゃ、シャントット卿、そんなに魔法を撃ってると味方を巻き込んでしまいましゅ!?(´・ω・`;)」
「メガ・フ・レア~ッ!!!!!」
「あんたも味方巻き込むな!」
あはっ、あはははははははははははっ! 燃えちゃえ、みんなみんな灰になって空に水面に浮いて漂って燃えて落ちろ!」
「……ねぇ、レミィ。貴女の妹ってあんなアッパーな娘だっけ?」
「当たり前じゃん。このの妹よ? 普通な訳がない」
「……あーあ、見ていて滅茶苦茶だなぁもう」

 
 

いつ終わるともしれぬ激しい戦闘に次ぐ戦闘。
戦乱の渦の中、戦況は少しづつ人類側に傾いていた。
このまま突き進めば勝てるのではないか。誰もがそう思い始めた時、

 
 
 
 
 
 

「余興はそこまでだァ、禍神の落とし子共よォ」

 

燃え滾る大地の隆起が兵士達を呑みこみ、

 

「まさが我らがら赴くごどになろうどはな、どうもキサマらを見縊っていだようだ」

 

大軍の最中に飛び込んできた影がそれらを一瞬のうちに叩き潰し、

 

「哀れ……しかし許せぬ」

 

激しい竜巻がヤグード側と交戦中の軍隊を一気に薙ぎ払った。

 

それらを行ったのはクゥダフ、オーク、ヤグード。三体の獣人。
しかし放つ威圧は今まで対峙してきたものが霞むほど、ともすれば一種の後光すら感じさせる。
肉眼ではっきりとわかるほど彼らは今までの獣人とは格が違った。

 

金剛王ザ・ダ
バックゴデック大将
現人神ヅェー・シシュ

 

大魔元帥の報告で存在は示唆され、参戦も確実だろうと思われていたそれぞれの獣人の勢力を束ねる頭。
彼らが遂に戦線へと乗り込んできたのだ。

 

「……」
ヅェー・シシュが得物の石突きを地面に強く一突き。その仕草で、ヤグード達が今まで以上に身を引き締めた。
『我らが明主、ヅェー・シシュの御元である!』
『我らが明主を穢す邪教徒に、死を!』
『死を! 神の御名の下に!』
『栄光あれ!』
『我らが明主に、栄光あれ……!』

 

「どうしたァ、クゥダフの猛者たちよォ! 立てィ! まだ終わってはおらぬゥ、我らの甲羅はまだ砕けてはおらぬぞォ!」
金剛王の一喝に、クゥダフ達が雄叫びを上げ、戦意を高める。
『おおォ……!』
『ブロロロッ!』
『ブロロロロロロ……!』

 

「他の連中に負けでばおれぬなぁ! 者共ぉ……!!
『オーク!』
獣人達の吠声は重なり、
「そうだ、奥底がら叫べ! 我ら世界でいぢばん優れだ種族の名を……!」
『オーク! オーク!』
そして、
『オーク! オーク! オーク……!』
全ての獣人が激しい闘志を滾らせ、武器を構えた。

 

敵の頭領が出てきたことで不利な状況に遭った敵の士気が一気に跳ね上がった。

 

しかしこちらも負けてはいられない、負けるわけにはいかない。
ただでさえ何度も苦渋を味わい、滅びを迫られてきたのだ。
けして、絶対に負けるわけにはいかないのだ。

 

解るな!? 頭に煽てられて早速勝っている気になっている阿呆共に教えてやれ!
まだ終わっていない、勝敗の流れも定まってすらいない!

 

進め皆、生きるために前へ進撃しろ!!

 

間を置かず、仲間達から応答の声が上がる。
そして更なる激戦の堰は切って落とされた。

 
 
  • 大規模戦闘 第三ラウンド
    ♪Dismiss
    勝利条件:ボスの全滅
    敗北条件:味方の全滅
     
    敵は金剛王ザ・ダバックゴデック大将現人神ヅェー・シシュの三体とその周囲を守護するかのようにそれぞれの影武者であるNMが単体で1ユニットずつで三体。そしてオーク、クゥダフ、ヤグードがソロで3ユニット、九体。計十五体。勝利条件は三体の獣人の首領格を倒すこと。しかしどれもHNM級の強さを誇る。
    ザ・ダは攻撃は然程強烈ではないが、HNMの身で高位ケアルや女神の祝福を難なく使用してくるため撃破に非常に時間がかかる。バックデゴッグは通常攻撃にTP吸収の効果がある他、他の神に比べて攻撃力が段違いに高い。またインビシンブルやケアルⅣも使用してくるため、攻守ともに隙のない難敵。ヅェー・シシュも非常に強い相手には間違いないが耐久力が低い。一番倒しやすいので真っ先に仕留めるべき。ボス格が一体いるといないだけで難易度が大分違ってくる。
    三神は切り離すことができず、同時に相手をするしかないが、攻撃を受けるか雑魚が全滅するまで行動しないので、釣りながら一体一体潰し、重い腰を上げてきたら最初にヅェー・シシュを倒し、次にバックゴデックを、最後にザ・ダを仕留めよう。
 

激戦の果てに、遂に敵の大将が膝を屈した。
「……でき……る!」
「グゥ……我らをごごまで追い詰めるどはな!」
「敵でさえなければ将として取り立てていたぞォ、これはァ!」

 

「ああ、そいつは嬉しい……なッ!!
レミリアが吼え、手を夜天へと掲げた。
その掌に、どす赤い血流のような魔力が集い、真紅の魔槍を生み出す。
手の内に喚び出した紅い魔槍をレミリアは水平に、全身全霊、乾坤一擲の構え。

 

その方向、獣人達の首領へと目掛け投擲されるその槍の名は、
神槍『スピア・ザ・グングニル』……!」

 

「ヴァルハラであの髑髏頭によろしく言ってこい……!」
そして、
「やっきぶたぁッ!!」
放つ。

 
 

投擲された真紅の一閃は音速を超えて、敵を刺し穿ち貫かんと迫り、
爆音は確かに響いた。