イベント/普段真面目な人ほど酔っ払ったときの反動が酷いのは稀によくある

Last-modified: 2012-01-21 (土) 23:49:26

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。

普段真面目な人ほど酔っ払ったときの反動が酷いのは稀によくある

  • 「王国の騎士」「己の行く先」をクリアした状態でフリオニールをPTに入れた状態でサンドリアの白玉楼を訪れる。
    サンドリア王都の居酒屋「白玉楼」。
    美味が堪能できることでも有名なこの店は、王国軍の近衛騎士団の一員が常連として通っていることでもまた有名でもある。
    そしてその近衛騎士団に所属しているとある暗黒騎士は、かつてはバストゥーク共和国に軍籍を置いていたことがあるという。
    そう……
     
    「あ」
    「あ」
     
    「……久しぶりだね、フリオニール。元気だった?」
    「あ、あぁ。セシルの方も、変わりないようで何よりだ」
     
    丁度自分のPTメンバーとして同行しているミスリル銃士隊のフリオニールと、件の暗黒騎士セシルとはいわばかつての同僚ということである。
    ……まさかこんな所で再会するとはお互い思ってなかったらしく、揃って間の抜けた声を上げることになったようだが。
    積もる話もあるだろうが、立ち話も何だということで、とりあえず店内に入ることに。
     
     
     
    「それにしても、サンドリアに移籍したとは聞いていたが、実際会えるとは思わなかったな」
    「そうだね、僕も王都で昔の仲間に会えるなんて思っても見なかったよ」
     
    白玉楼店内の一席、旧友同士の会話に同席、その話を横で聞く。
    お互い話が盛り上がったところで、フリオニールが切り出す。
     
    「ところで前から気になっていたんだが……どうしてセシルはバストゥークを出ていくことにしたんだ?」
     
    フリオニールからの質問に、飲み物を口に運ぼうとしたセシルの手が止まる。
     
    「……出来れば、その話については触れないでもらいたい、かな……」
     
    コレまでに何度かセシルとは関わり合いになってきたことがあるが、少なくとも戦場が怖くて逃げ出すような人間ではないし、アノ騎士学校の研修を受けたというならば教えを受けていたというザイドの修行が辛くて逃げ出した、という訳でもなさそうだ。
    そのセシルがどうしてもバストゥークを出奔せざるを得なかった事情……フリオニールとは別の意味で、ちょっと興味が湧いてきた。
    なお食い下がろうとするフリオニールの袖を引っ張り、耳打ちをする。
     
     
     
    (義士相談中……)
     
    「……わかった、その手で行こうか」
     
    作戦も決まったところで、それを実行に移すべく、まずは注文を取るために店員を呼び出す。
    フリオニールがセシルと再び話している最中に、注文を取りに来た幽々子にメニューを伝えつつ、セシルに聞こえないようこっそり別の注文を頼む。
    事情を察してくれたのか笑みを浮かべながら去ってゆく幽々子。
     
     
     
    しばらくして、注文した料理と、なくなったお冷のおかわりが届き、そのお冷を口につけるセシル。
     
    ……お冷を口にした瞬間、セシルがバタリとテーブルに突っ伏して倒れた
     
    「……酒に弱いのも相変わらずだったみたいだなぁ」
     
    そう、フリオニールと打ち合わせた作戦は、見た目が水と変わらないひんがしの国製の酒をお冷と偽り、セシルに飲ませて酔っ払わせて意識をふらつかせたところで真相を問いただそうという内容だったのである。
    ……さすがに一口でこうなるとは想定外だったが。これでは聞き出すどころでは……
     
    「……う……うぅ……」
     
    おや、セシルの様子が……?
     
     
     
     
     
    「そりゃぁ僕だって……僕だって好き好んでバストゥークを離れたかったわけじゃないんだよ?えぇ好きで長年親しんだ国を離れられるもんか」
     
    ……まさか一口飲んだだけでここまでの絡み酒になるとは、海のリハクの目を持ってしても見抜けなんだ。
     
    「誰だよ海のリハクって。……あぁ、確かセシルって酒に弱かった上に酒癖が悪かったんだった。今思い出した」
     
    そういう重要なことはもっと早く思い出してもらえませんかねぇ……?
     
    そこの2り!!ちゃんと聞いてるの!?
     
    Hai!聞いてまうs!!
     
     
     
    「……別にバストゥークにいた時は、別に軍に不満があったわけじゃないんだよ?与えられた任務だって、修行だって、辛いと思ったことはあっても、逃げ出したいなんて思ったことは一度だってなかったさ」
     
    「……それを……それなのに……」
     
    いくら師匠だからって、あの禿ガルがァァァァァ!!
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    同時刻、ザルカバードにて。
     
    俺は俺は禿ガルではない!!!……あ」
     
    『……おい、今何か声みたいなのが聞こえなかったか?』
    『ん?……そういえば聞こえたようなそうでないような?』
     
    「……わ、ワォーン……」
     
    『『……なんだ、野良の狼か』』
     
    「……あ、危なかった……(しかし、今のは何だったんだろうか。つい叫ばずにはいられなかったが)」
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    ……場面は再び白玉楼。店内に反響するセシルの魂の叫びによってスタン状態になった耳が回復した頃。
     
    「は、禿ガルって……ザイドが君に何かしたのか?」
     
    そうフリオニールに問われて、グラスの中のSAKEを飲み干したセシルが、空になったグラスにお代わりを注ぎながら管を巻くように語る。
     
    「……君たちもあのハゲの趣味は知ってるよね?」
     
    あのハg……ザイドの趣味といえば……その言葉でフリオニールも悟ったらしく表情が引き攣っている。
     
    「修行が終わって空いた時間にも関わらずフィギュアの塗装は手伝わされるわ、オフの日だってのにアイドルのショーには付き合わされるわ、お一人様一枚限定ポスターを任務で買いにいけないから代わりに買ってくるように並ばさせられるわ……」
     
    ……その手伝わされたフィギュアや付き合わされたアイドルやポスターの分類が容易に想像出来るのがなんとも。
    ひと通り愚痴を吐き出した後、手にしたグラスを叩きつけながらセシルが本日最大級の叫びを上げる。
     
    「あのハゲのせいで!僕が欲しかったミスティーコマチのポスターが買えなかったんだ!!」
     
     
     
     
     
    …………時が止まったかの如き沈黙を打ち破ったのは、厨房からやって来たこの店の料理長だった。
     
    「セシルさん……気持ちはわからなくもないとは存じますが、お客様のご迷惑になりますので大声は控えて下さいますか……?」
     
    そう告げる料理長……妖夢の声色は一見穏やかではあるが、恐怖すら感じるほどのいい笑顔と、手にした刀からその秘めた怒りの度合いが窺える。
     
    「……この店はいつから客に刃物を向けるようになったのかな?お客様は王様という名セリフを知らないのかい?」
     
    普段は確かに心優しく言葉遣いもよい事に定評にあるセシルだが、アルコールの威力とザイドへの怒りによってか気が大きくなっているらしく、妖夢に対して食ってかかる。というか正気で今の妖夢に反抗するとかこんなの普通じゃ考えられない……!!
     
    「確かにお客様に行う態度ではないという事は認めます。ですが貴方の同僚であるオルステッドさんがこう教えて下さいました」
     
     
     
    王様の中には首を刎ねられた者も沢山いると
     
     
     
    「……なぁ主人公」
     
    何か用かなフリオニール君。
     
    「暗黒騎士の業ってのはこんなんばっかりなのか?」
     
    ……そんな話こっちに振られても知らんがな。
     
    「というかキャラ崩壊が酷過ぎる気がするんだが、いいのかコレ?」
     
    だから知らんがな。というかメメタァな発言はやめい。
     
     
     
    ……処刑用BGMを背景に、ブチギレた妖夢にフルボッコにされているセシルを視界に入れながら、ドリンクを飲み干した後にため息を吐く2りであった。
    どっとはらい。