イベント/甲羅を背負う戦士

Last-modified: 2015-07-17 (金) 01:42:16

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


甲羅を背負う戦士

羨望する悪魔

ヴァプラ大公は言った、もうすぐジュノで大規模な戦が起こると。
そして、それを放っておくような者はこの場にはいなかった。
「戦があるなら、参加しねえわけにもいかないしな」
「……バストゥーク方面から来る手勢が最も充実している。クゥダフたちは巨人族を引き連れてくる。逃げるなら手薄なウィンダス方面を勧めるが……」
「じゃあ決まりだな。亀どもの甲羅を剥がしに行ってやるか!」
予想通りの反応を見せるギルガメッシュ。皆苦笑しつつも反対はしなかった。

 

「我はこれで失礼する」
「あ……待って」
入ってきたときと同じように窓から去ろうとするヴァプラをヒナが留めた。
「ヴァプラ大公……どうして、私たちに、そんな重要な情報を?」
それは気になっていたことだ。早く言うべき。
「……羨ましかったのかもしれん」
「羨ましかった?」
「思い出を持つ者が、な」

 

それだけ言うと、彼は空の彼方へ飛び去って行った。
「羨ましい?最後まで訳の分からん奴だったな。まあ、いいか。クゥダフの連中が街に到着する前に仕留めてやるぜ!」
ギルガメッシュが意気揚々と武器と盾を背負う。ヒナは嘆息して呟いた。
「死にに行くようなものよね……」
「別に、おまえたちは逃げてもいいぞ」
「逃げたって他の闇の血族もいるもの。私に選択肢は無いわけね。厄いわ」

ソフトステップ

早速ジュノを発って、バストゥーク方面で待ち伏せる。
果たして情報通り、クゥダフの一団がぞろぞろとジュノに向かって行く。

 

さて、どう奇襲するか……。
「無理ね」
え?
「ほら」
ヒナが指差す向こうには……堂々とクゥダフたちの前に仁王立ちするギルガメッシュの姿が。
……何やってんだあいつ!

 

「来たなノロマな亀共。来なかったらどうしようかと思ってたところだ!」
仁王立ちするギルガメッシュがクゥダフを足止めする。先頭のクゥダフが声をかけた。
「なんだァ貴様はァ?」
「余こそは遍歴騎士ギルガメッシュ!向こうにいるのが従者の主人公とヒナだ」
従者になった覚えなど無い!
「しかも私たちまでバラしたわね……」
突然の登場にクゥダフたちも戸惑っているようだった。
「おまえたち、この先のジュノに行くんだってなぁ?」
「なぜェ貴様がそれを知っているゥ?」
「そんなことはどうでもいいんだよ。俺が用があるのは……おまえだ」
そう言って、先頭のクゥダフを指差す。
「……?」
「どうした……まさか、この俺を忘れたとは言わせんぞ」
ああ、多分、忘れてるんだろうな。
「見た目も随分変わっているから、無理もないけどね」
「……思い出したぞォ。貴様、闇の王が我々をズヴァール城に呼び集めた時のネズミだなァ?闇の王が開戦を宣言したあの場に居合わせた……獣人血盟軍最初の敵だったなァ」
ギルガメッシュ……なんてタイミングの悪い奴なんだ……。
「いいだろォ。あの時と同じようにィ……我らガ・ドとグ・ドの兄弟が相手をしてやろォ。あの時は闇の王に止められェ……トドメをさせなかったがァ、今度こそは殺してやるゥ……」
「神出鬼没のガ・ドとグ・ドの兄弟……相手にとって不足は無し。このギルガメッシュ様の伝説に名を刻めることを光栄に思うんだなぁ!」

  • 大規模戦闘
    ビッグブリッヂの死闘
    勝利条件:神出のガ・ド、鬼没のグ・ドの撃破
    敗北条件:主人公、もしくはギルガメッシュの戦闘不能
    備考:毎ターンの最初に主人公かギルガメッシュに回復か強化魔法が掛かる
     
    ガ・ドとグ・ド率いるクゥダフ部隊との戦闘。クゥダフはガ・ドとグ・ドもタッグで1ユニット、それが6ユニットの計14体。
    クゥダフは亀のような外見通り、防御力に優れた獣人。生半可な攻撃ではビクともしないだろう。クゥダフは攻撃は単体攻撃ばかりで危険なものは少ないのだが、ボスのガ・ドとグ・ドは別。2体ともボスのステータスでありながらタッグを組んでおり、合計攻撃力は郡を抜いている。また、シーフであるため鈍重そうな外見とは裏腹になかなかの回避率を誇る。
    味方にギルガメッシュが加わっているが、強い、硬い、遅いと三拍子揃った典型的なパワーファイター。だが、クゥダフ相手なら心強い限り。攻撃は破壊力抜群、防御も万全なので、ガ・ドとグ・ドの相手は彼に任せたい。
    また、毎ターンの最初にヒナが援護してくれる。HPが50%以下なら回復、それ以上ならプロテスやシェルを掛けてくれる。

グ・ドは炸裂岩を持ち上げる。だが、それが投げ放たれることはなかった。
ギルガメッシュが渾身の一撃で甲羅ごとその身を切り裂いたからだ。
ガ・ドが咆哮し、武器を構える。鏡写しかと見紛うほど同時にギルガメッシュも大剣を両手で構えた。
そのまま両者は動きを止めた。当人たちには長い時間に思われたが、傍目には一瞬の出来事であった。
地を蹴り、甲羅を背負った戦士が玄い鎧へ向けて加速する。だが、ギルガメッシュは背中の盾を取り出し、ガ・ドの攻撃を受け流す。驚愕する獣人の頭上には、獲物を今か今かと待つギロチンの如く大剣が振り下ろされようとしていた。

 

「斬り捨て御免ッ!!」

 

事切れた隊長と副隊長を見ても、クゥダフ軍の勢いは止まらなかった。まるでこちらを飲み込むかのようにおびただしい数のクゥダフが囲んでいく。
「……不味いわ!囲まれたら終わりよ!」
「……チッ!将軍の首は取った!ジュノに戻るぞ!」
迫り来るクゥダフの一体を横凪ぎに切り払いながら、一向は一目散に駆け出した。