イベント/竜の巣

Last-modified: 2012-02-10 (金) 17:19:17

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


竜の巣

中世聖騎士編のエンディングを見ている。PCのレベルが96以上。

依頼

「え?竜の巣?」
幻想郷には気分を和らげる涼しい風が吹いていた頃。
博麗神社には珍しい客が来ていた。
それはウィンダスから派遣されてきた使者魔理沙で、用件はと言えば霊夢が口に出した通りの『竜の巣』であった。

 

「竜の巣から人里に下りてくる竜は多くて、しかも竜騎士が連れてるみたいな可愛い奴でもない凶暴な奴らばっかで……皆困ってるんだよ」
心底迷惑しているらしく、魔理沙は必死で霊夢を説得しようとしていた。
「竜の巣って……また随分と遠いわね。移動だけで何日かかるのよ?」
「そこは最新の移動手段【飛空艇】を貸し出すからってさ。これは凄いことだぜ、霊夢?」
「そーなのかー」
飛空艇。空を飛ぶ船。バストゥークとジュノの技術力が生んだ偉大なる翼。とはいえ、今はそれに乗れるのは一握りの人物だけだ。
「霊夢、引き受けてはどうだ?久々の依頼なのだろう?」
「別に異変ではないんでしょ?大体、三国の軍隊で何とかすればいいじゃない」
WOLの言葉にも耳を貸さない。やっぱり遠出は嫌みたいだ。
「やってるよ。それでも芳しくないから、こうして頭下げに来たんだろ?」
「顔見知りのあんたが一人でね……」
「なーなー、頼むぜ霊夢」
必死のお願いに、霊夢ははぁ、と溜息を吐いて、観念した。
「分かった、分かったわよ。行けばいいんでしょ」
「おお!やっと折れたか。手間かけさせやがって」
「あんたねぇ……」
結局、魔理沙の調子の良さに言いくるめられた霊夢(と愉快な仲間たち)は渋々飛空艇に乗り込むのであった。

竜の巣攻略

竜の巣は、とても人の足では辿り着けない、雲がかかるほどの高山に位置している。飛空艇に乗せてくれるというか、乗らないと辿り着けない。
厚い雲に覆われて、その全貌を確認することはできない。ただ、何隻か同型の飛空艇が泊まっている地点を見つけた。あそこから内部に侵入できるようだ。

 

「お前ら、覚悟はいいか?私は出来てる」
「おー」
「こちらは問題ない」
「さっさと行って、さっさと終わらせましょうか。晩御飯までには帰りたい」

 

竜の巣内部はダンジョンになっていて、いくつかの階層を潜って行くことになる。
構造自体はさほど複雑でもないのだが、居るだけで毒のダメージを受けたりMPが減ったり技が使えなくなったりする特殊な結界がいくつも張り巡らされており、これらが厄介。
また、最初は弱いモンスターしか現れないが、奥に進むと強力なドラゴンが多数出現したりする。結界以上にこちらが厄介だろう。

 

ダンジョン内BGM:示される力

第一層

「モンスター、あんまりいないね?」
「先にこの通路を通った者たちがいるのだろう」
最初の階層では仕掛けも無くシンプルな一本道。先発隊が通ったあとなのでモンスターも撃ち漏らしの弱いものばかりだ。苦労は無い。

第二層

「……ん。結界があるわね。毒で体力が削られるわ。早く通り抜けるわよ」
ここでは居るだけで毎ターンHPが減っていく毒結界が張り巡らされている。モンスターは強くないが、長居すると要らぬダメージを受けるので速攻で進もう。

第三層

「お?ドラゴンだぜ。竜の巣だけに絶対出るとは思ってたが、思ったより遅かったな」
ここからドラゴン系統のモンスターも登場するようになる。ドラゴン族が3体、ウィルム族が1体という構成。結界によってMPが減らされていくという厄介な状況での戦いになるが、この先には休憩ポイントがあるので減らされる前に出し惜しみせずバンバン撃ってしまおう。惜しみなく全力を出せば難なく通り抜けられるはずだ。

第四層

「美味しそうな匂いがする……ここかな?」
「人間の食料?先発隊のキャンプだったようだな。……誰も居ないのか?」
「いただきまーす」
「荷物も置いてどこ行っちまったんだ……?まあいいや。こんな所に置いていった方が悪い。遠慮せずに頂いちまおうぜ」
休憩ポイント。恐らくは先に来た三国の兵士が置いていった荷物からHPMPが全回復し、いくつか回復薬を補給できる。心の中で謝りつつ頂こう。

第五層

「大分潜って来たよね?」
ルーミアの言う通り、竜の巣に突入してからそれなりの時間が過ぎていた。
「おかしいぜ……」
ふと魔理沙が呟いた。
「おかしいって何が?」
「先発隊の連中、それなりの数を揃えていたはずなのに、一人とも合流できん。それに、世界一竜の多い場所っていうには……少なくないか?」
それは半分正解で間違いだ。単独で強力な種である竜としてはこれまででも十分すぎる群れだった。
だが、魔理沙の言いたいことも理解できた。
「そうだな……少なすぎる。先遣隊がそれだけ活躍しているのなら、問題はないのだろうが……」

 

道中見かけた魔物の殆どは、竜以外の種だった(彼らの食料、なんだろうか?)。対して、竜は片手で数える程しか遭遇していなかった。
それに、先に来た部隊が倒しているのなら……死体が無いのは奇妙なのではないか?
「……最悪の事態を想定しておいた方がいいかもしれんな」
「ふぅん……何はともあれ」

 

「ガアァァァアッ!!」
「まずは目の前の邪魔者を排除しようか」

  • 大規模戦闘
    勝利条件:敵の全滅
    敗北条件:主人公の戦闘不能
     
    このダンジョンでの最後の戦闘。
    プリン、アーリマンが2体ずつで1ユニットで8ユニット。ワイバーンが単独で3ユニット。更にここに来て初登場のドラゴン類、ジラントが一体。計20体。
    味方は霊夢とWOLが万能型、魔理沙とルーミアがアタッカーという、やや攻め寄りの編成。火力は抜群な一方、霊夢の結界やWOLの盾で守りもこなせる安定感のある面子だが、回復役となると霊夢に頼らざるを得なくなるので長期戦は不利だ。予め主人公側で盾役や回復の得意なキャラを連れてくると良い。
    プリンは物理属性の通りが悪いが、魔理沙の魔法なら1、2発で倒せる程度の強さ。アーリマンは状態異常に強い霊夢に任せ、残りのメンバーでサポートしつつワイバーンを相手取る。
    ジラントは先に登場したウィルムを上回るステータスを持つ。高位ドラゴン共通の特徴である後方カウンターを備えているので注意。ただ、霊夢の回避カウンター技「刹那亜空穴」を利用してカウンター合戦に持ち込めば、他の多くの強力な技をやり過ごすことも可能だ。

傷ついた漆黒の龍が、はっと何かに気が付いたように周囲を見渡す。
「あれは一体どうしたんだ?」
「判らない、けど……ひんやりするね
魔理沙としてはちょっとした軽口のつもりだったのだが、霊夢は何かを感じ取ってしまったらしい。
ろくな事が起きないなと考えつつ、軽口は止めなかった。
「背筋が?」
「空気も。なんだろう、『向こう側』の気配がする」
「ここには柳の木は無いぜ?」
「亡霊なんて儚い気配じゃない。もっと生々しい……荒い息づかい……獣のような……こっちを見てる」
脅かしっこ無しだぜ、と返しつつ魔理沙がくるりときびすを返した。

 

目が合った。

 

いや、目はなかった。だがソレは確かにこちらを向いていた。
全体としては辛うじて人型を保っていたが、顔はだらしなく開ききった口と鼻の三つしか穴が無い。
肌は青みがかっていて、生物であれば必要不可欠なはずの生殖器らしきものすら見当たらなかった。
くぐもった声で、そいつは喋った。

 

「クワセロォ……」

 

「ユルシテクレェ……」

 

「私はなにも見なかった」
「そんな冗談が通じる相手に見える?」

 

何者かは判らないが、普通ではないことだけは誰の目にも明らかだ。
戦いか、と武器を構えると、そいつは地面を這うように移動してきた。
「うわわ……!」
その生理的な悪寒を想起させる動きに思わず引きつって鈍る魔理沙をルーミアが突き飛ばし、地を高速で這いずるそいつに剣を突き立てた。
「ギャアァァァ……」
なんてことはなく、這いずる格好のまま息絶えた。
「……?見かけ倒し?」

 

土を跳ね除け、後方の地面から同じ姿の別個体が複数現れた。
「っ!?」
しかし、そいつらはこちらには目もくれず、傷ついて動けない竜を囲み、

 

喰らい始めた。

 

「げげ……っ」
「竜を……喰らっているのか!?」
人間の間でも、竜を食する文化が無いわけではない。
だが、生きた竜を喰らった経験などあるはずもない。
「ゥグァァァ……!!」
痛みに呻く竜を、しかし助ける術はなかった。

 

ひたと足首に触れる感覚があった。
確かめるまでもなく、奴らの仲間だろう。
「やべっ……」
足掻く暇も与えないとばかりに、一行は冷たい土の下に引きずり込まれたのだった。