イベント/第2楽章「賢者の行進」

Last-modified: 2011-11-01 (火) 15:42:59

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。

第二楽章「賢者の行進」

リリカとメルラン。
二人は姉妹。
メルランにとってリリカは生き別れになった妹。
だが、リリカにとってメルランは、死んだはずの姉だった。
「ね、姉さん、生きてたの……?」
「あ、ひどいわね!お姉ちゃんを勝手に殺しちゃうなんて!」
次の日の昼の宿に場面を移した今でも、未だに呆然とするリリカとは対照的に、ようやく家族を見付けることの出来たメルランは大はしゃぎだ。
「メルラン。嬉しいのは分かるが、もう少し静かに……」
「何言ってるのよ、ノア。ここは私の自慢の演奏でもっと盛り上げなきゃ!」
言うが早いか、トランペットを唇に当て、演奏を始めた。
周りの客たちは突然の騒音に最初驚いたが、すぐに陽気になって、メルランの演奏を肴に飲み始めた。

 

「リリカの姉さんって、明るい奴だな。ちょっと意外だったよ」
ヴァンに話しかけられても、リリカはまだ状況の整理がついていないようだった。
「どうしたんだ?せっかく姉さんが生きてたのに、嬉しくないのか?」
ヴァン……と主人公に心配され、リリカは搾り出すような声で言った。
「嬉しいに決まってるでしょ……。でも、私が復讐を決めたのは、姉さんたちに言われたからなのに……」
「それって、変じゃないか?リリカは姉さんたちが死んだって思ってたんだろ?」
「そうよ……ねえ、メルラン姉さんが生きてたんなら、私に『復讐してくれ』って頼んできたあの人は、誰なの……?」
リリカは俯いて、顔を上げようとはしなかった。
だが、そんなことお構いなしにメルランが身を乗り上げてきた。
「聞いて!さっき旅の人がね、『あんたの演奏を聞いたら、サンドリアでヴァイオリン演奏してくれた娘を思い出したよ。楽器も曲調もぜんえzん違うのに、何でだろうな?』って!きっとルナサ姉さんのことよ!」
「ルナサ姉さん……」
「なにボーっとしてるの!早くサンドリアに行きましょう!」
「メルラン、せめて食事を済ませてからに……」
生きているかもしれない姉の話を聞いても、リリカは実感が湧かないようだった。
「どうする、リリカ?オレは行ってみるのがいいと思うけど」
「…………分かった、私も行くわ」
重い口を開き、決心したようにリリカがはっきりと言った。
「よぅし、決まりね!サンドリアにしゅっぱーつ!」