イベント/聖蛇の国

Last-modified: 2011-11-06 (日) 11:32:33

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


聖蛇の国

姫の傭兵

アトルガン皇国。
闇の王が潜む北の地からは離れているが、獣人の軍勢の脅威はこの地でも変わることは無い。
そのアトルガンの土を踏んだ主人公は、まずは傭兵会社に入社することを勧められた。
アトルガンは以前までと比べればオープンになったらしいが、やはり外国の者が国で認められるには実力を示すのが一番手っ取り早いのだとか。
……それから、ブーメラン・センチネルだけはやめておけ、とも言われた。

 

……言われたのだが。
「あら^^♪まだこんなところにいたの?早く仕事に行ってらっしゃいな^^♪♪♪」
泣いてもいいか……;;
アトルガンに足を踏み入れた主人公は、あっさりとブーメラン・センチネルに入社させられた。是非もなかった。
「うだうだ言ってないでさっさと行きましょう!私まで怒られるんだから」
鈴仙が人事ではないかのように急かす。きっと人事では済まないからなんだろう。

 

最初の(無理やり押し付けられた)仕事は、アトルガン防衛の要、五蛇将への差し入れだった。
……これって傭兵の仕事なんだろうか。
「うちも割と切羽詰ってるらしいからね……」
どこも大変なんだなぁ。
なんて暢気なことを考えつつ、目的の人物を探す。
「あ、あれよ。あの人が五蛇将の一人、風蛇将パルスィよ」
「あら、来たわね。待ってたわ」
肩に弓を担ぎながら応じるパルスィ。
そういえば、差し入れとだけ言われたけど、これの中身って……。

 

「このネズミの尻尾モルボルのつたがあれば、みんなにご馳走を作れるわね」

 

……お、おいィ?お前ら今の聞こえたか?
「聞こえてない。何か言ったの?私のログには何も無いわね。……ネズミの尻尾は究極の味がするらしいけど、それって褒め言葉なのかしらね。私は絶対に試す気にはなれないけどね……」
臼姫社長がこの依頼を引き受けた理由って……。
「……あり得るわ。あの人ならスパイ(?)を使って五蛇将を内部から崩壊させるくらいやりかねない。……何の得があるか知らないけど」
マジ震えてきやがった……怖いです;;

無意識の傀儡

とりあえず、どうにか最初の仕事は無事にやり遂げることが出来た。他に無事じゃ済まないであろう犠牲者たちが出ることが予想されたが、今の自分にはどうすることも出来ない。せめて祈ろう。なーむー。
「ご苦労様^^♪♪次の仕事が決まるまでアトルガンを見て回ってみるといいんじゃないかしら^^♪」
それじゃあ、お言葉に甘えさせて……。
「あ、もし私の目を盗んで逃げる気なら……^^^^^^」
いやいやいや滅相もございません!!だからその後ろ手の物騒な代物をしまってくだしあ;;;;
「ブラックな白魔道士ねぇ」
鈴仙が決して臼姫には聞こえないように呟いた言葉に全力で同意しつつ、決して口には出さなかった。

 

「そこの人」
早速アトルガンを適当に見て回ろうとした矢先、誰かに声をかけられた。
帽子を被った、小柄な少女だ。
「さっき、パルスィに爆弾送り届けた人でしょ?」
爆弾って……まぁ似たようなもの、なのかな?
「もしかして、アトルガンは初めてだったりしない?人を探すにしたって随分ときょろきょろしてたから」
ほうお前勘がいいな名探偵じゃね?
「どーも。視力には自身があるのよ。私じゃなくて私の友達が、だけど」
ほう?今は友達は見えないようだけど……。
「あの子達は普通の人が見たら驚かれるから。それより、良かったら私が案内しましょうか?」
おお、助かるます!
「まずはやっぱり地霊殿かしら」
それはどこですかねぇ?
「この国で一番目立つ建物じゃないかしら」

 
 
 

……ここって、お城じゃあ?いや、確かに目立つだろうけど。
「うん、そうね」
そんな簡単に入れるものなのだろうか。
「私ならね」
一体何者なんだ……。
「何者と言えばまだ名前を言っていなかったのに気付いたわ」
マイペースだ……。
「私はコイシでいいわ。貴方のお名前は?」

 

コイシと名乗った少女に連れられ、地霊殿の中に入る。
どうなるかと不安だったが、兵士たちはコイシを見るなり敬礼しただけで、特に咎めることは無かった。本当に偉い人らしい。
着いたのは、いかにもな大広間。ベールに包まれていて、その奥に座っているのは誰かは分からない。ただ、きっとこの国で一番偉い人には違い無い。
『来たか、コイシ』
「ははー聖皇さまー」
軽い調子のまま、コイシは恭しく頭を下げる。
聖皇……王様みたいなものなんだろか。とりあえずコイシの真似をして頭を下げる。
『その者は?』
「私の部下です」
【えっ!?】
『そうであったか。では、勅命を与える』
待って!いつから部下に!?どうして部下に!?
「ついさっき。私の権限で」
この国の偉い人はこんなばっかか!
『コホン。では、コイシ。その部下を連れて、ブラックジャック号の調査をしてもらいたいのだ』
ブラックジャック……?
「最近、この辺りの海を荒らしてる海賊だよ。……ははー!ご下命、いかにしても果たしてみせまするー!」
耳打ちで教えてくれた後、ヘンテコな敬語で聖皇の勅命を引き受けるコイシであった。

亡国の怨霊

コイシに連れられ、海賊の調査に乗り出す主人公。
けど、たかだか海賊相手に勅命なんて大袈裟な……。
「本当は海賊かも分からないんだなあ」
どういう意味です?
「巷じゃ、幽霊船ってもっぱらの噂よ。亡国の怨霊だってね」
亡国の、幽霊船?
「200年くらい前にアトルガンに滅ぼされた、イフラマドって国があってね。ブラックジャックっていうのは、そのイフラマドの王子が乗船して、最後までアトルガンに抵抗した船の名前と同じなの」
ほむ……。
「詳しいことは私も知らない。歴史の勉強は好きじゃないから」

 

目撃情報を頼りに、とある岩場にたどり着いた二人。
「ん?」
「あwwwww」
そこで、見知った顔を見た。
鈴仙と内藤。どちらもブーメラン・センチネルの傭兵である。
「どうしたのwwwwwwもしかしてwwwwww同じ仕事?wwwwww」
「幽霊船の調査、ね。社長はどういう基準で仕事選んでるんだろう……ん」
鈴仙が気付いたようにコイシを見た。
「もー、また貴女?あれほど仕事の邪魔するなって言ってるのに」
「邪魔なんかしてないってば!私の目的地がたまたま……!」
もしかして、知り合いだったのか。世界は狭いなぁ。

 

「あぶなーい!」
とか考えていると、突然コイシがぶつかってきて投げ出された。

 

いきなり何をしてるわけ!?
そう言おうとして振り返ると、そこには剣を振り下ろした男の姿が。
二の太刀を浴びせようとする前に、内藤が大剣の腹で殴り飛ばした。
「きゃあ!?な、何、こいつら?」
「ちょwwwwwボスケテwwwwwww」
気付けば、既に囲まれていた。
よく見ると、男たちは肌が真っ黒で、目には生気が宿っていなかった。フォモル族だ。
「オ、オオ……ニックキ、アトルガン……」
地の底から響くようなくぐもった声でフォモルが言語を発した。
「憎き、アトルガン……?」
確認するようにコイシが呟いた。確かにフォモルはそういっていたように聞こえたが……まさか、本当にイフラマドの亡霊なのか?
「……っ!来て、アヴゼン!メネジン!」
コイシが何かを呼ぶ動作をすると、空中から2つの物体が高速で落下してきた。
からくり仕掛けの小さな戦士……オートマトンだ。
「よぶのガ、オソイ。こいし」
「この時を、待っていた……」
「ごめんごめん。でも、出番だよ!」

  • 大規模戦闘
    勝利条件:敵の全滅
    敗北条件:主人公、コイシのどちらかが戦闘不能になる
     
    味方はコイシと2体のオートマトン、アヴゼンとメネジン、内藤に鈴仙の5名。
    コイシは攻撃力が低いが、オートマトンはどちらも性能が高く、コイシはオートマトンの回復やサポートを行える。
    内藤は随一の破壊力を、鈴仙は遠距離攻撃と回復が得意。
    敵はフォモル族のナイトを中心に、アンデッド族ばかり。ただしボス級の強敵はいない。
    オートマトンと内藤を前衛に、後は後衛に回して一体ずつ相手取る基本戦法で問題なく勝てる。

「オ、オ、オ……」
物音を立てつつ崩れ落ちるアンデッドたち。
「た、倒したの?アトルガンがどうとか言ってたけど、あいつらは……」
「分かんないwwwwwでもwwwww臼姫にはwwwww言っておかないとwwwwww」
「うっ……ここまでね。それじゃあ、またね」
内藤と鈴仙はブーメラン・センチネルに戻っていった。
「イフラマドの亡霊、か」
「こいし?」
コイシの呟きに、心配そうにオートマトンが顔を覗き込む。
「……我々も、帰還するべきだと、判断する」
無愛想に言うメネジンだが、主人公もそれに同意した。
「でも、まだ船の調査が……。ううん、分かった。今回はこれで帰ろう。みんな心配させちゃうし……」
幽霊船と噂される海賊たちの調査は叶わなかったが、こうして亡国の怨霊には遭遇したのだ。これだけで大きな収穫と言えるだろう。
何か、これからもっと大変なことが起きる予感は感じていたが……。