世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント
語り部の戦装束
療養中のラオグリムを訪れると、彼は剣を振るっていた。
「わざわざ会いに来てくれたのか。見ての通り、素振りをしていた」
療養中だったんじゃないんですかねぇ? 体は大丈夫なのか?
「じっとしていると、友や娘に『腑抜けた』と言われそうで、気が休まらんのだ。剣を振っていれば、無心でいられる」
話している間にも、ラオグリムは大剣を振り続けていた。
姿勢はしゃんとしていたが、剣筋は時折ぶれる。まだ体が完全に回復していないのだろう。
闇の王として対峙した時と比べ、なんとも頼りなく見えた。
「……これからどうするかに、ついてだがな」
素振りを止め、ラオグリムが切り出した。
「1人の戦士として、一から修行を始めようと思う。大陸中を回りながらな」
旅をするのか?
「……かつての俺が、この国に残した傷跡を、直接この目で見たいのだ」
……そうか。
「病み上がりのようなものとはいえ、今の俺には力が無い。それが怖い。
大切なものを守れる力が……憎悪という名の衝動から、自分自身の心を守れる強さが欲しい。
ついては、かつて俺が……闇の王になるよりも前に使っていた戦装束を入手し直そうと考えている」
ラオグリムの戦装束?
「現在では、戦士のアーティファクトと呼ばれている品の、原型になったものだ。それを取り返したい。
マイケルは新しい高性能の鎧をくれたが……
彼の好意を無下にはしたくないが、あの時のあの装束でなければ、やり直すことが出来ないと思ったのだ」
戦士AFの原型か……今はどこに?
「ゴブリンによって略奪されたと聞いている。恥ずかしながら、今の俺ではゴブリンにも勝てるか分からぬ。
だから、お前には手伝って欲しい。その代わり、マイケルから貰った鎧を譲ろう」
そういうことなら分かった。手伝ってあげよう。
ベヒーモスの縄張りをアジトにするゴブリン盗賊団を探し出し、これを倒す。
一緒にいるラオグリムは、かなり弱体化しているため、ゴブリン相手でも1人ではやや辛い。
ちゃんと援護してあげよう。
ゴブリンをのし、アジトを探す2人。
そこで錆びついた赤い戦装束を見つけた。
「これだ、間違いない」
随分錆び付いているみたいだが大丈夫なのだろうか?
「30年以上前の代物だ、そのまま使えるとは思っていない。盗んだ罰として、このゴブリンたちに打ち直させるとしよう」
「約束していた鎧だ、受け取ってくれ。
……マイケルの奴なら、勝手に他人に譲ったと知っても怒りはしないだろうが、
お前に使ってくれなければ、彼にも申し訳ないのでな。
大事に使ってくれ」
- 報酬
一式装備「オジエサーコート」