イベント/起動、ゴルディオス

Last-modified: 2011-11-10 (木) 16:04:55

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


起動、ゴルディオス

裁きの閃光

指定された高速飛空艇のある場所へ向かうと、既にみなが集まっていた。
「おー、また貴方ね。よく会うわね」
シャントットが言っていた、一番信頼の置ける人形師アリス。元々アトルガンに残っていたのを、わざわざ呼び戻された上で再度アトルガンへ向かわされるらしい。
「全く人使い荒いんだから、あの人は。まぁ、飛空艇には一度乗ってみたかったからいいんだけどね」

 

「お久しぶりね?」
声を掛けたのは少女……って、レミリア!?ブロントさんも!
「どーもどーも。『龍王自慢の精強なる勇士の二人』ですわ」
「ナイトはみんなの人気者なので色々忙しかったのだがランペール直々の頼みとあっては断れずここまで出向いたのだよ。俺がいれば成功したも同然なんだが?」
いや……これは頼もしい限りで。

 

……ところで、パチュリーさん。フリオニールは?
「……まだよ」

 

「済まない、待たせたか?」
そこへ、最後の搭乗員にして発案者のフリオニールがやってきた。
「言いだしっぺが遅れるなよ」
よくもこの私を待たせたな、とばかりにご立腹のレミリアが文句を言い、フリオニールは平謝りだった。
「レミィ、そのくらいにしてあげて」
「ふーんだ。パチェに感謝することね」
お前らいつの間にそんなに仲良くなったんだ?

 

「で、フリオニール。貴方、今とんでもないことに巻き込まれてるんだけど、ちゃんと分かってる?」
「や、やっぱりそうだったのか!薄々そんな気はしていたんだが……」
分かってなかったんかい。物凄い大事なのに。コレで成功したら一気に英雄だぞ。
「深いプレシャーがのばらを襲った」
「だ、大丈夫だ。上手くやってみせる……」

 

「うむ、これでぜいいん揃った感」
「ウィンダスの連中とはいまいち馬が合わないんだよねぇ。あんたはどうなの、人形師」
「同じ飛空艇に乗る者同士、私たちは運命共同体ってわけ。よろしくね、吸血鬼さん」
「運命、ね。まぁいいけどね」
う、うむ、個性的な三国混成部隊である。
「よし、そろそろ出発しよう!」

 

「「「「おー!」」」」

 
 
 

高速飛空艇の名の通り、ジュノ製の最新鋭機は快適な速度で飛行していく。
パチュリーが作戦の説明を行っていた。
「いい?もう一度確認するわよ。この飛空艇エンディミオン号は海峡に着水。夜陰に乗じて海峡を北上し、ワジャーム樹林北岸で私たち上陸部隊を降ろす。その後、全員傭兵に成りすましてアルザビに進入し、サンドリア騎士のカインと合流する」
「もう!三度目じゃない。聞き飽きたわよ。実行するときに言ってくれればいいんだって」
入念な打ち合わせを、退屈が天敵な吸血鬼さんが遮る。
「そういうわけにはいかないでしょ。きちんとチームワークが取れてないと……」
「ふん!この船には最強最速のレミリア様が乗ってるんだ。大船に乗ったつもりでいなよ。機関巨人だかなんだか知らないが、ちゃっちゃと片付けてやるからさ」
慎重なアリスの呼びかけにも無関心だ。まぁ、確かにレミリアとブロントさんが揃っていれば、滅多な相手に遅れをとるようなことはないだろう。
「作戦会議は任せるわ。夜景でも見てくる」
「レミィは我が侭だから……」

 

飛空艇の操舵席からは外の景色が見える。
「ふーん。確かに速いね、この船」
「ジュノの技術力はA+といったところかな」
「でもこれくらいなら生身でも……ん?」
ふと、レミリアが夜景のなかに一際強い光を見た。
「どうすた?」
ブロントさんが尋ねようとしたが、その必要はなかった。

 

遥か彼方に見えた閃光が、一瞬で飛空艇を貫いたからだ。

 

「!!?」
飛空艇がぐらぐらと大きく揺れ動く。立っていることすらままならない。

 

「ちょ……凄い揺れてる!?」「何が起きた!?」「うわわわわわ!?」
「わからにい!向こうからホーリーが飛んできたんだが!?」「こんな上空で誰がホーリー撃つってのよ!」
「おい、この船どんどん墜ちていくぞ。マズイんじゃないの?」「マズイに決まってるでしょ!?」

 

バリーン、と、ガラスの割れる音が響く。
それは、レミリアがガラスを割って外へ飛び出した音だ。
「レミリア!?」
「こんな程度の船くらいっ!」
何をするのかと思いきや、レミリアは飛空艇の後ろに回り込み、全身で抱え込むように抑えた。落下するのを阻止しようというのだ。
「無茶よ!いくらレミィだって、こんな質量の物体を持ち上げるのは……きゃあ!?」
パチュリーの言葉通り、飛空艇の落下速度は無情なくらい、ちっとも変わらない。
「神様のご尊顔を見る前に、仲良く地獄行きね……」
「冗談じゃない!……くっ!」
アリスが嘆き、フリオニールが強がるが……全てが無駄。

 
 

高速飛空艇エンディミオン号は、撃墜された。

 
 
 

連行される途中の痛風が、白き神の放つ聖なる矢を受けて、流星のようになってあっさりと墜落していく飛空艇を見た。

機関巨人

アルザダール遺跡。
かつての鉄巨人の残骸にて、新たなる巨人が産声を上げていた。
機関巨人ゴルディオス
ジュノの最新鋭機を一撃で撃墜せしめた、世界最強の兵器。
そこから颯爽と飛び降りたのは、サトリだった。
「いやはや、見事としか言えませんね。雲上の飛空艇を発見した上で、この距離から撃ち落とすなんて」
近くのコントロールパネルには、ユメミもいた。
「いえ、視認できたわけではありません。突然、操作室の天盤に光点が指し示された……。私は、その光点に照準を合わせてトリガーを引いただけです」
「なんと。あの装置にそのような機能が……。この手で組み立てておいて、未だに解明できていない部分があるなんて……なんて……」
「ユメミ?」

 

「なんて素敵なの!」

 

「……そんなことより、あの威力を見たでしょう?私たちは、遂にアトルガン千年の宿願、アレキサンダーの神威を再び手中にしたのよ」
両手を合わせらんらんと目を輝かせるユメミを、サトリは無視することにした。
「これで、皇国の威光の前に遠からず、世界の全ては平伏すことになるでしょう」
「ええ、そうね。これで、我が国に真の平和が訪れるわ……」

 

闇の中からアミナフが現れた。
「失礼します。御耳に入れたき儀が……。昨夜ナシュメラ様が皇宮を抜け出されました。御命令通り、お止めしませんでしたが……」
「ふっ、やはり猫を被っていたわね。行き先は?」
「それが……」
「ははははは。見失った?お前たち不滅隊を撒くなんて、大した妹よね。かくれんぼでも勝ったことがないもの」
心から嬉しそうに、サトリが笑う。今や皇国にとって不安となる種が全て取り除かれたことで、ようやく出来た自然な笑みだった。笑顔なのに、悲しすぎる。
「ナシュメラ……いえ、コイシは捨て置きなさい。絶対的な聖皇の権力も、心の拠り所である双人形を失った今、コイシにとっては試練の時よ。乗り越えられなくては、『先』が思いやられる」
「はい……」

 

「セフィロス。痛風はどうなっている?」
「はっ。予定通り、例の場所に護送中です」
「よし……痛風を処分したら私は全皇国民に布告するつもりよ。守護神アレキサンダーを降臨させ、冥路の騎士を倒し、蛮族や列強を屈服させた者の戴冠を」

 
 
 

「……おい。……おい!目を開けろ!」
フリオニールに起こされた主人公は、節々の痛みを感じつつも、目だった外傷はなかった。
だが、すぐ目に飛び込んできた惨状。
立派な飛空艇も、今や燃え盛る鉄屑だった。
すぐ近くの森に燃え移らなかったのが不幸中の幸いだと言えた。
「やーれやれ。出撃直後にこれとは、ね。もう日が昇っちゃったわね」
アリスが溜息混じりに文句を言った。
「でも、生きているだけでラッキーだった」
パチュリーの意見には賛同せざるを得ない。
みんな無事か……?ブロントさんとレミリアは?
「ブロントさんは、負傷した操舵手の治療。……レミィは……」
パチュリーが目を向けたのは、墜落した飛空艇。
そういえばレミリアは外へ飛び出していたんだった。どこへ……。

 

「……ここよ、ここ」
……レミリアは、大きな飛空艇の下敷きになっていた。
「吸血鬼さんのおかげで、私たちはなんともないけど……本人はご覧の通りってね」
「ブロントさんが白魔法かけようとしたけど、すぐに止めた。レミィはアンデッドだから……」
アンデッドのレミリアにとって、回復魔法は逆に更なる苦痛を与えることになる。本人の自己再生能力が発揮されるのを待つしかないのだ。
「……あれが、機関巨人の攻撃だったのかな」
「多分……いや、間違いない。あんな攻撃が出来る存在が、他にあるわけがない。……希望を含めてあるけどね。あれがゴルディオスでないなら絶望が半端ないからね」
アリスが自嘲気味に言う。あれ以上があってほしくないのはみんな同じだ。だが、その口ぶりは、今はまだ絶望していないことを示していた。
「俺たちのことは気にしなくていいぞ」
操舵手の治療を終えたブロントさんが戻ってきた。
「レミリアが直るまで俺はここでモンスターが来ないよう見張っちゃる。先に行っていいぞ。なぁに、すぐに追いつくからよ、まぁ見てなw」
無茶しやがって……。
「ここはブロントさんの言葉に甘えましょう。とにかく時間がない。飛空艇を落とした時みたいな攻撃を連発されるわけにはいかない」
パチュリーの言葉に頷き、一同はブロントさんとレミリアを置いてアルザビを目指す。

巨人の懐へ

アルザビに進入した一同は、無事にサンドリア騎士カインと合流できた。
「夜に墜落した飛空艇は、まさかと思うが……」
「私たちが乗ってた船よ。負傷者が一名。護衛が一名。計2名の欠員がでました」
アリスが冷静に状況を説明してくれた。
「仕方がない、か。お前たちが救出する予定の痛風だがな。最近この街から別の収容所へ移された様だ」
「なんだって?それじゃあ、任務は……」
「安心しろ。移送先は掴んである。アルザダール文明遺跡群のナイズル島……そこだ」
アルザダール……鉄巨人の名前か。
「護送隊を追跡した。間違いない。ここに地図を用意してあるが……くれぐれも油断するなよ」

 
 

カインの言う通り、一行はナイズル島を訪れた。
「サンドリアの密偵を見逃したのは正解だったわ……」
突如、闇の中から不滅隊アミナフが現れた。
「見逃しただと?お前がカインに勝てるようには見えないがな」
かつてミスリル銃士隊の候補生だったセシルを通じてカインの実力を知るフリオニールは彼女の言葉に強気に返す。
「ふっ……嫌いではなかったけれど、きっとこれも宿命なのね。サトリ様のため、貴方たちは舞台から降りる時が来たのよ」
アミナフがギアを多数呼び出す。みなが武器を抜いた、その時。

 

ギアの一体が大きな音と共に破損した。
「!?」
そこにいたのは……臼姫社長!?内藤、鈴仙も!
「ふふん^^♪今の助太刀の料金、後で請求するから^^♪」
「ちょ……社長さん」
アリスが戸惑う。彼女は、カラババの護衛を勤めたさいに臼姫とも会っているらしい。
「臼姫か!何のつもり?」
「何のつもりはこっちの台詞よ^^♪ウチの社員には多額の研修費ってものがかかってるの^^♪こんなところで潰されちゃあ、こちとら大損なのよね^^♪」
「……私に逆らえば貴方の会社が危ういわよ」
「おお、こわいこわい^^♪お言葉ですが、私の会社は聖皇さまの肝いりでございまして^^♪」
「時代は変わろうとしているのに愚かな……」
女の戦い怖いでうs;;;;;;
「この戦いはツケだからね^^♪一生ただ働きにしたくなかったら、即効でケリつけることね^^♪……行くわよ!!」

  • 大規模戦闘
    勝利条件:敵の全滅
    敗北条件:主人公、または臼姫の戦闘不能
     
    味方はフリオニール、パチュリー、アリス、内藤、鈴仙、そして臼姫。
    臼姫は普段通りのアグレッシブさで凄まじい攻撃力を持つが、打たれ弱さは人並みだったり。敗北条件にもなっているため、しっかり守る必要がある。
    敵はアミナフ率いるギア4体。
    臼姫が暴れるのを上手くコントロールできれば苦戦はしない、だがアミナフは倒しても蘇るのだ。
    2戦目はギアが三連ギアになってパワーアップしているが、1戦目と同じ要領で構わない。
    3戦目ではアミナフが人間としての姿を捨て、ソウルフレアと化してしまう。
    通常攻撃に呪い効果があり、またアイススパイクでの反射ダメージもある。後衛に任せたいところだが臼姫が戦闘不能になるのを防ぐためには他の前衛も戦ってヘイトを適度に分散するしかない。ただ、連戦の最後なので温存していた戦力を全てつぎ込めば勝利は遠くない。
    「ふふ……ふふふ……貴方たちは強すぎる……私も決断しなければ勝てない……」

「シュゥゥ……フシュゥゥ……」
戦いの最中、人間の身体を捨て去り、醜いソウルフレアと化したアミナフ。
「……いかせ……ない……さと……リィッ……っさま……ため……ッ」
その時、アミナフに鋭い衝撃が走り……そして、息絶えた。
「セフィロス!?」
「同士アミナフ。不滅なる蒼き獅子よ。……貴様の役目は終わった。今は静かに眠るがいい……」
アミナフに止めを刺したのは、セフィロスだ。長刀正宗により彼女の身体を貫いたのだ。
「ちっ……厄介なのが出てきたわね^^♪(……いい、貴方たち。ばらばらに逃げるのよ。落ち合う場所は本社営業所……)いいわね!」
それだけ言うと臼姫は煙玉(ちなみにゲッショー殿からの頂き物らしい)を投げつける。
それを合図に、一同は一斉に駆け出した……。