イベント/黄道十二星座の騎士

Last-modified: 2012-04-13 (金) 16:15:02

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


黄道十二星座の騎士

  • 「最果てにて君を待つ闇」をクリアした後に、タブナジア付近の通常戦闘の最中に一定確率で発生

「カンケル」

タブナジア付近にて戦闘中の主人公。
そこに突然汚い罵りが響いた。

 

「クソが! 雑兵だらけか、此処は!」

 

言葉が耳に入るやいなや、戦場に全身鎧装備の騎士が飛び込んできた。
その肩には7の数字と骨の様な蟹が刻まれた紋章が刻印されている。
突然の乱入者にギョッとしている間に、それは一瞬で交戦していた相手を屠り去ってしまう。
「どうなんだ、テメェはッ!?」
騎士はそう吐き捨てると、主人公に武器を向け、襲いかかる。

 
  • VS.鎧の騎士
    Why Don`t you Come Down
    重厚な全身鎧を纏った巨躯の騎士。時代に見合わぬ、重火器のような武器を装備している。
    鈍重に見えがちな外見とは裏腹に、異様に高い敏捷性を見せつけてくるが、HP自体はそれほど高くない。
    ソロならともかく、PTメンがいる状況なら、決して倒せない相手ではないだろう。
     

突如割りこんできた強襲者は、地面に膝を着き、動かなくなった。
沈黙した騎士へと、慎重に近づこうとした途端だった。
騎士は無数の淡い光となって霧散してしまった。
驚愕するも、騎士が存在していた痕跡は最早跡形も残っていない。

 

ただ、消えた騎士の肩に刻印された紋章。
騎士が霧散する直前、それだけがいやに主人公の目に焼きついた。

 

この時点では、よくわからないものに襲われたという認識しかなかった。
それからしばらく、数字と星座の紋章を持った騎士達が各地で発生する戦いに介入しているという話しさえ聞かなければ。

散らばる星座

最初はサンドリアだった。
闇の王との戦いを終えた後、騎士学校に入学・卒業し、騎士として認められたフランドール・スカーレットが初任務として山賊達の退治に向かった時のことだった。

 

『貴様等の争いに興味はない。私は、ただ使命を果たす』

 

戦闘に介入した全身鎧の騎士。
その肩には11の数字と蠍座のエンブレムがあった。
結果としては、その乱入者も激戦の末に悪魔の妹に撃破され、まるで霧散するように消失してしまった。

 

次にアトルガン。
蛮族とのビシージの最中に二体の騎士が介入した。
二体とも、その肩に6の数字と双子座のエンブレムを持っていたという。

 

『戦争だ、我々にはそれが必要だ!!』

 

現れた二体の騎士達は戦場で戦いを繰り広げていた蛮族、傭兵達を見境なく血祭りにあげるも、五蛇将らによって撃破される。
その最後も霧散するという同様のもの。

 

最後はバストゥーク。
ザルカバード会戦が終結し、甚大な被害を被ったとはいえ、獣人達の脅威が消失したわけではない。
その状況の中、ミスリル銃士隊がバストゥークへの破壊工作を目論むクゥダフの部隊を発見、それと交戦中の事だった。

 

『所属不明部隊を確認……!』

 

戦場に介入してきた半ば壊れた状態の鎧を纏った騎士。
エンブレムに描かれていたのは12の数字と射手座。
その末路は言うまでもない。
しかし、その時ミスリル銃士隊のメンバーであるフリオニールが破壊された装甲のスキマから、その襲撃者の顔を見たという。

 

朽ち果てた肌、爛欄と赤く光る濁った眼。溶けて崩れた様な歪な顔。
その姿はまさに死人そのものだった。

 

「レオ」

主人公が、星座の騎士が戦闘行動に介入するという話を聞いて、間もなく。
バストゥークのパチュリーから、星座の騎士のことちょっと発見を見つけたと聞く。
あの騎士らの一味を相手にした身としては気になる、ということでバストゥークへと向かう。

 

バストゥークへの入口に差し掛かろうというところで、足元の影が急に濃く広がった。
反射的に真上を見あげ、絶句する。

 

アンフィプテレがいた。

 

しかし、その姿はアンフィプテレより一回りくらい大きい。
そのアンフィプテレが何かを投下した。

 

重い金属の軋みを立てて、地面に投下されたそれは全身鎧を纏った人の形をしていた。
青く光り輝く大剣を背負った、巨躯の鎧の騎士だ。
騎士の肩には8の数字と獅子が描かれた紋章がある。
話に聞いていた、各地に現れる紋章の騎士の一体であることは間違いない。

 

『敵です、レオ』

 

アンフィプテレが人語を、感情が抜け落ちた様な、抑揚のない女性の声で発した。
「……」
レオと呼ばれた騎士は、無言で一歩踏み込み、地を蹴る。
そのまま大剣を振り上げ、主人公を切り伏せようとするも、横から飛んできた暗黒剣に阻まれた。

 

ザイド!

 

「話は後だ。……今はこいつの相手を最優先にしろ」
「……」

  • VS.鎧の騎士
    In a Day
    獅子のエンブレムを持つ鎧の騎士。
    手にしている「月明かりの大剣」は威力が非常に高く、盾による防御を無効化してしまう。
    ある程度ダメージを与えるか、主人公のHPが残り僅かになると、戦闘は終了する。

「……上出来だ」
満足げに呟き、鎧の騎士は後退する。
そこにザイドが追い打ちをかけ、鍔迫り合いに入る。
「何が目的だ、貴様は……!」
ザイドの問いに答えず、騎士はザイドの剣を押し返し、距離を取る。
「……撤退する」
『了解しました、レオ』
騎士の言葉を受け、アンプティフレが横から飛来、騎士を掴み飛び去った。

 

……あれは、何だったのか。
「報告に聞く、鎧の連中の一味なのは間違いないだろう」
ザイドは剣を収めると、主人公を招き寄せた。

 

「ついてこい。パチュリーのところまで案内しよう」

黄道十二星座の騎士達

ザイドに案内されて辿り着いたのはパチュリーの部屋……というかちょっと図書館だった。
「あら、主人公。来たのね」
うむ、あの連中の事は気になるからな。……ところで、結構人がいるね。

 

……部屋には、よく見知った方々が集まっていた。
「ランペール王からの直々のお達し。『星座の騎士の情報を集めてこい』ってさ」
「……直接相手にしたのは私なのに、なんでお姉さま達も憑いてくるのかしら」
「今回の件、星の神子様も気にしてるみたいだから……」
「話を聞くだけに五蛇将が出張るわけにもいかないしね~。私達ブーメラン・センチネルに白羽の矢が……って訳」
「おかげでwwww休みwwww潰れちゃったwww慰めテwwww」

 

「……こほんっ」
パチュリーの咳笑いを聞いて、場が沈黙した。
「じゃ、手っ取り早く話すわね。前読んだ文献に星座の騎士に関する話があったんだけど……」

 

パチュリーが語ったのは「火の時代」と「黄道十二星座騎士団」という騎士達の話だった。


古い時代
世界はまだ分かたれず、霧に覆われ
灰色の岩と大樹と、
朽ちぬ古竜ばかりがあった

 

だが、いつかはじめての火がおこり
火と共に差異がもたらされた
熱と冷たさと、生と死と、そして光と闇と

 

そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出した

 

最初の死者、ニト
イザリスの魔女と、混沌の娘たち
太陽の光の王グウィンと、彼の騎士たち
そして、誰も知らぬ小人

 

それらは王の力を得、古竜に戦いを挑んだ
グウィンの雷が、岩のウロコを貫き
魔女の炎は嵐となり
死の瘴気がニトによって解き放たれた

 

そして、ウロコのない白竜、
シースの裏切りにより、
遂に古竜は敗れた

 

火の時代のはじまりだ

 

「古い書物の内容よ。その昔の書物から大分前の時代……正直御伽話、童話の類なんだけど。
で、黄道十二星座騎士団は、この火の時代に登場する騎士の集まり、らしい」

 
 

黄道十二星座騎士団。
12の星座の名を持つ12名の騎士と、一人の聖女を中心に結成された、互いに深い信頼で結ばれた者達の集まり。

 

しかし、ある出来事から、彼らは大切なものを失った。
その詳細はわからない。聖女に関する事柄ではあるようだが、それが何かは書物に書かれてはいない。

 

大切なものを失った彼らは、やがて力を欲するようになった。
それは失ったものを取り戻す為だったのか、失わせないためだったのかはわからない。
やがて彼らは聖石と呼ばれる石を求めたという。
……聖石とは「ルカヴィ」と呼ばれる強大な存在を封じ込めたもの。
創造主に反旗を翻し、異次元へと追いやられた強大な悪魔を狭間へと留め置く為の鍵。
力を求めるあまり、騎士団はそれに手を出し、苦難の末に、12の聖石を手に入れた。

 

結果として、騎士達は力を得た。
人間性を代償として。

 

手に入れた力。それは不死であり、超常の異能であった。
しかし、戦い、力を振い、蘇るたびに人間性を失う。それは、力を得た目的はおろか、心や知性さえも失うことだ。
人間性を完全に失った者の末路はただのモンスターへと成り果てるか、聖石に宿ったルカヴィに支配されるのみだという。

 

「……聖石を得た騎士団が最後にどうなってしまったのか、それは書物にも書かれてはいないわ」