エンディング一覧
TRUEEND 『紅より儚い永遠』
- レミリアの最後の質問に「自分が後悔しない選択を」と答え、12月24日を迎える
とうとうタイムマシンの修復が完了した。
PCが現代に戻る日がやってきたのだ。
陰陽鉄学園にて、PCと関わった人達が見送りの為にやってくる。
その中にはレミリアの姿もあった……。
レミリア?
……ああ。
「そう、よね」
……気まずい沈黙が、両者を包み込んだ。
しばしの沈黙の後、PCは意を決して呟く。
「……うん」
いつかまた……もう一度会おう。
・・なにかな?
……その間は永いようにも、一瞬のようにも感じられた。
もし、そのまま押し殺していたら、後で絶対に後悔するから……ごめんなさい」
……さようなら。また、会えるといいね……」
悲しげに微笑み、PCに別れを告げるレミリア。
そしてPCは……
「でも……っ」
好きだ、っていってくれる人をほっぽいて、自分ひとりで帰る訳にはいかんでしょうに。
タイムマシンはいつでも起動できる。帰ろうと思えばいつでも帰れる。それに、逆をいえば……
君の為に、同じ時間を生きよう。
何も言わず、黙ってPCの胸に思いっきり飛び込んだ。
TRUEEND+ 『エリュシオンに祝福の雨』
- 『紅より儚い永遠』の後日談のあたる
『スカーレット財閥総裁、レミリア・スカーレットが結婚!?』
そのニュースはネ実市だけにとどまらず、日本、ひいては世界中に伝わった。
しかし、式場の場所、執り行われた日時、(そもそも、もう式をあげているのか?)、なにより、その相手。
一切が不明の中、「レミリア・スカーレットが結婚した」という事実以外、明かされることはなかった。
一体その男はどのようにして、彼女の心を射止めたのか?
そこで一組の夫婦が生まれようとしていた。
ウェディングドレスに身を纏った新婦……今のレミリア・スカーレットは息を呑む程に神々しい美しさを湛えていた。
傍には、レミリアと好対照な漆黒のスーツを纏った新郎……いとしい男性の姿。
式場の中は新しい一歩への歓びを噛み締める新郎新婦と、その歓びに全力を以て祝福しようとする迎賓による、幸せな雰囲気に満ち溢れていた。
スカーレット財閥の総裁が、どこの馬の骨ともしれない男と結婚なぞ、言語道断。
貴女には、そのような者よりも、もっと相応しい人物がいるだろう。それも大勢。
「このレミリア・スカーレットが選び、唯一見染めた男が、とるに足りない塵芥と?」
「…………貴様らは、そう言いたいのか?」
ほらこんなもん。所詮は付和雷同、強いものにずるずると引かれる連中である。
私の大好きな妹……フラン。
私の唯一無二の従者……咲夜。
私にとっての物知り博士で、親友……パチュリー。
一応、我が家の一番の門番さん……美鈴。
私の最高の学友達……幼稚園時代のみんな、それに陰陽鉄学園のみんな。
世界で一番愛しいあなた。
貴方達のおかげで、今の私がある。
本当に、ありがとう……
ん?
そうだな、今日は、人生最高の日だよ。
えっ?
GOODEND 『赤より紅い想い』
12月24日
その日に予定されていたタイムスリップは失敗という形に終わった。
修復が完了していた筈のタイムマシンが起動した瞬間、動作不良を起こし、壊れてしまったのだ。
帰ってほしくない。ずっと傍にいてほしい。
それらの感情を押し殺し、PCを見送るつもりだったレミリアにとって、その結果はとても複雑なものだった。
唇を噛むレミリアの視界にはいよいよ途方に暮れるPCがある。
――内心で思う事がある。
いくら高飛車な態度を取って、そっけなく振る舞おうが…
本音では…
……私は、彼が好きなのだと。
両親が遺した企業を護る為に、意固地になっていた内心は彼に絆された。
疎かになっていた友人と、唯一の肉親との絆も、彼に繋ぎとめられた。
彼の献身と交流は、幼いころに抱いていた淡い想いが確かな慕情へと成るには十分なものだった。
矢張り――目の前の少年と別たれる事は出来ない。
傍にいたい。
彼のいない日常が、私には想像できない。
では……私にとって、この結末は良いものだったのだろうか?
ふと胸の裡に擡げた疑問を、振り払うように否定しようとし、迷う。
言葉に詰まっているとあいつが、振り向いた。
『もしかすると、もう帰れないのかもしれない』
暗い言葉に、心が軋む。
『ただ――』
続く言葉に耳を傾ける。
ただ、一体何なのか…内心で身構え、
『……もし、このまま帰られないとしたら――
情けない話だけど、またそっちの世話になっても良いだろうか』
裏心を悟られないように、苦笑を交えて返す。
「タイムマシン、完全に壊れた訳じゃないわ。時間をかければ次がある
……まるで、永住を決め込む様な言い草じゃない」
『…いいかもしれない。未来でもみんなは元気にやってるし、陰陽鉄学園もある訳だしな。
何より――』
『未来のレミリア達と別れずに済んで、安心している』
その言葉を聞いて、自分の耳を疑った。
数か月の僅かな生活に、思ったよりも順応したというのだ。
彼自身の本来の居場所である、過去の時代よりも。
「…安心、か。思いがけない言葉ね」
『……迷惑だったか?』
「……いいや」
溜息を吐いて、瞳を静かに閉じ、想いを馳せる。
タイムマシンの破損。
これが何を意味するのか、私にはわからない。
運命の悪戯なのか、不運の嫌がらせなのか。
……まだ、漸く自覚できた自分の想いを清算して、
それを目の前の少年に打ち明けるには時間と勇気が要りそうだった。
それでも
「……おかえり。歓迎するわ」
確かな安堵があった。
自分達と共にいてくれることを、安心するといってくれる彼の姿に、
静かな歓喜を感じていた。
GOOD?END 『紅桜夢』
- レミリアの最後の質問に「無理を承知で両方掴み取る」と答え、12月24日を迎える
雪が降る陰陽鉄学園の校庭、別れ際に「最後に伝えたいことがある」と言い、
レミリア・スカーレットが告白したのだ。
逆を言えば、今すぐ帰らなくてもいいのだ。(タイムマシンの修理はにとりにお任せで)
それをレミリアは満面の笑みで肯定するのだった……。
「んなっ!?」
その者こそ、レミリア・スカーレットの妹君、フランドール・スカーレットその人である。
急所にフライングダイブをもろに受け、沈むPC、そのPCの腹に跨りフランは高々と宣言する。
「お、義兄…… ふ、フラン! まだそういう関係まで……」
私なら、お兄さんとずーっと遊んであげられるよ!スタイルだって――」
お、おいィ…… お前ら2りとも、ちょっとおちつくべきそうすべき……
「「じゃあ、PC/お兄さんは私とこいつ、どっちがいいの!?」」
えっ!?
「「はやく答えてよ、はやく!」」
NORMALEND 『過去に想いを馳せる少女の為のセプテット』
- レミリアの最後の質問に「自分が正しいと思う選択を」と答え、12月24日を迎える
とうとうタイムマシンの修復が完了した。
PCが現代に戻る日がやってきたのだ。
陰陽鉄学園にて、PCと関わった人達が見送りの為にやってくる。
その中にはレミリアの姿もあった……。
開口一番にそれかい。それに最初に屋敷に誘ってきたのはお前じゃないか。
「私のログにはなにもない。……で、またここには戻ってくるの?」
……わからない。でも自分はここに長く居てはいけないのだとはなんとなく思っている。
多分この時代に来るのも、もうこれっきりだろうな。
……正しい選択よ」
……そう、だよな。ん、世話になった。
じゃあ、もう行くよ。……みんなと仲良くな。
……あ、そうだ。……レミリア。
「……何?」
其れに対してレミリアが何かを言おうとした刹那、タイムマシンが起動し……
PCの姿は時空の彼方へと掻き消えた。
空を空しく掴んだ。
……帰ってすぐに自室に戻るつもりだった。まだ未処理の書類が残っている。
しかし、足を止めた彼女の目の前にある扉は自室のものではなかった。
……かつてPCが使っていた部屋だ。
深呼吸。扉を開ける。
照明が消された部屋の中は、おそろしくこじんまりとしていた。
主を失った部屋とはここまで寂しく感じるものなのか。
部屋の一角にある安楽椅子に腰をかける。
幼少、ファイナル幼稚園に通っていた頃から、現在まで。
全てを思い返した頃、レミリアは自身の頬に伝うものを感じた。
手の甲で軽く拭う。
立ち上がり、壁に掛っている鏡に目を向ける。
泣いている。
……いや、もう解りきっている。
PCが去り、今になってようやく、ようやく悲しくなったから。
彼がいる時代は、ここじゃないから。
この気持ちは、きっと、彼を留まらせてしまうから。
だから、言えなかった。
その選択が一番正しいのだと、そう思ったから。
でも……
まるで彼女を慰めるかのように。
PCが還った後もレミリアは相変わらず財閥と学校を忙しなく駆け巡る日々を送っていた。
しかし昔とは違い、かつてあった周囲との確執はもはや欠片を残すことなく消え失せている。
忙しくも充実した日々を送り続けていた。
……PCのことを今でも想いながら。
レミリアは訝しげにそれを受け取り、差し出し人を見……
そして、どれも違うことを確信したあと……
BADEND 『To the pressure, everything's just like An illusion,』
訳:責め苦の只中では、森羅万象がまるで幻……
- レミリアとフランの仲が元に戻らず、12月24日を迎える。
PCは無力を呪いながら、時間を遡り、元の時代へと帰った。
学友達とのボタンの掛け間違え。
ささいなすれ違いも重ねるごとに奈落のように深い隔たりを生むことになる。
それはレミリアにとって責め苦にすら思わせるものだった。
自身の意思に問わず、貫き続けるのだ。
そうするしか、彼女にできることはもう残されていないのだから。
SADEND 『I'll be losing you before long.』
訳:もう貴方の姿も潰えそうね……
- レミリアの最後の質問に「なる様になるさ」と答え、12月24日を迎える
Nomal ENDの派生のようなENDで、そのため途中まではNomal ENDと同じ流れを沿うことになる。12月24日の夜。
とうとうタイムマシンの修復が完了した。
PCが現代に戻る日がやってきたのだ。
陰陽鉄学園にて、PCと関わった人達が見送りの為にやってくる。
その中にはレミリアの姿もあった……。別れの言葉を順番に贈る面々。そして最後に、レミリアの番が回ってきた。
「…………ふん、厄介なお荷物が消えてせいせいしたわ」
開口一番にそれかい。それに最初に屋敷に誘ってきたのはお前じゃないか。
「私のログにはなにもない。……で、またここには戻ってくるの?」
……わからない。でも自分はここに長く居てはいけないのだとはなんとなく思っている。
多分この時代に来るのも、もうこれっきりだろうな。「そうね。あなたがいるべきなのは未来(いま)じゃなく現代(かこ)。それで、正しいのだと思う。
……正しい選択よ」
……そう、だよな。ん、世話になった。
じゃあ、もう行くよ。……みんなと仲良くな。「…………あっ……」
ん?
「な、なんでもない! さっさと行っちゃえ!」
そうかい。じゃ、行かせてもらおうか。
……あ、そうだ。……レミリア。
「……何?」必ず、いつかまた必ず会おう。
約束だ
「っ!!」
其れに対してレミリアが何かを言おうとした刹那、タイムマシンが起動し……
PCの姿は時空の彼方へと掻き消えた。「…………」
PCが旅立つ直前にレミリアが伸ばした腕は、しかし届かず……
空を空しく掴んだ。その後、レミリアはフランらと共に帰宅した。
……帰ってすぐに自室に戻るつもりだった。まだ未処理の書類が残っている。
しかし、足を止めた彼女の目の前にある扉は自室のものではなかった。
……かつてPCが使っていた部屋だ。「…………」
深呼吸。扉を開ける。
照明が消された部屋の中は、おそろしくこじんまりとしていた。
主を失った部屋とはここまで寂しく感じるものなのか。
部屋の一角にある安楽椅子に腰をかける。……知らず知らずの内に、PCとの出会いを思い返す。
幼少、ファイナル幼稚園に通っていた頃から、現在まで。
全てを思い返した頃、レミリアは自身の頬に伝うものを感じた。
手の甲で軽く拭う。「涙……?」
立ち上がり、壁に掛っている鏡に目を向ける。鏡の中のレミリアは、真紅の瞳から真珠の様な水滴を零していた。
泣いている。……なんで?
……いや、もう解りきっている。
PCが去り、今になってようやく、ようやく悲しくなったから。……そうだ。
私、レミリア・スカーレットは彼に恋をしていた。
でも、伝えられなかった。
彼がいる時代は、ここじゃないから。
この気持ちは、きっと、彼を留まらせてしまうから。
だから、言えなかった。
その選択が一番正しいのだと、そう思ったから。
でも……そこまで考えた時、レミリアが押し殺していた感情が、ついに堰を切った。
その場に崩れ落ち、静かに涙を流すレミリア。
カーテンから幽かに漏れる月明かりが、泣き崩れる彼女を優しく照らしていた……。
まるで彼女を慰めるかのように。それから暫く経った。
PCが還った後もレミリアは相変わらず財閥と学校を忙しなく駆け巡る日々を送っていた。
しかし昔とは違い、かつてあった周囲との確執はもはや欠片を残すことなく消え失せている。
忙しくも充実した日々を送り続けていた。
……PCのことを今でも想いながら。そんなある日のこと。
レミリアは紅茶を啜りながら新聞を読んでいた。
「……?」
そんな時、ふと新聞を読む手が止まる。
新聞の片隅に、とある小さな記事があった。
普通なら、見逃すところだが……
何故か見覚えのある単語が見えたのだ。『ネ実市の○○○近郊で人身事故』
○○○……スカーレット邸に近い場所だ。
いや、そんなことはいい。もっと重要なのは……被害者の名前。
その名前は自分がよく知る人間の名前だった。
10年前から来た……レミリアにとって、大事な人。
目を拭っても、その名前は変わらない。
震える手で新聞の端を握りしめ、新聞をか細く読み上げる『12時42分、ネ実市の○○○近郊で(PC名)さんが走行中のトラックにはねられ、急きょ病院に運ばれるも死亡が確認された……』
『(PC名)さんをひいたトラックの運転手は飲酒をしており、天狗ポリスでは業務上過失致死および飲酒運転禁止法違反の疑いで逮捕……』
『(PC名)さんは事故に遭う前日に「大事な人と会いに」と知り合いに言っており、その道中で事故に遭ったと思われる……』レミリアが読めたのはそこまでだった。
これ以上、読み進んだら、自分がどうにかなってしまいそうだった。なんだろう、これは何かの悪夢か? 自分は疲れているのだろうか?
「……お嬢様」
咲夜の声が背後からかかった。
振り向く。
「さ、咲夜……。わ、わたし……お、おかしいな。なんだか頭がごちゃごちゃしてて……」顔面蒼白。
振り向いたレミリアの視界に映る咲夜の顔色はその単語を体現するかのように、真っ青だった。「さ、咲夜……?」
咲夜は手に何かを抱えていた。
ひとつはチューリップの花束。もうひとつは包装されたプレゼント。
……あれ、おかしいな?
なんで、その花束、包装紙まで真っ赤っかなの?
なんで、そのプレゼント、そんなにぺしゃんこにつぶれているの?
もしかして、それって……
「咲夜ー……なに、それ……?」
「……」
「だまってないで、こたえてよ、ねぇ」
「……」
「ねぇ、なにかいってよ……」
「……お嬢様をよく知っていた人からです」
「……嘘。……嘘よ、そんなの……」
咲夜は何も言わない。肯定も否定も
ただ沈痛な表情でうつむくばかりで……レミリアのなかで、なにかが壊れるような音がした。
「いや」
「いやああああああああああああああああああああああああああああっ………………!!」
必ず、いつかまた必ず会おう。
約束だ
「……嘘吐き」
「うそつきぃ…………」
もはや、約束は果たされることはなく。
後には想いだけが虚しく残された。最愛の人物を失い、レミリアは茫然自失に陥っていた。
約束は果たされることはなく、後に残るのは行き場のない感情だけ。
どうしようもない無力と虚無感に苛まれ、しかし、それでもレミリアの心が折れることはなかった。彼女の中には、まだ最後の拠り所が残されていた。
あれから数ヶ月程度が経過した、スカーレット社の地下。
レミリアは物々しい機械の前に立っていた。
その傍にはパチュリーの姿がある。再開の機会を永遠に失ったレミリアが最後にとった手段。
それは過去に遡り、もう一度彼に会いに行くと言うものだった。あの事故を防ぎ、彼を死の彼方から引き摺りだす為に。
そのための移動手段であるタイムマシン……その設計図は開発者である河城にとりを通じて入手した。
後は自社の技術があればタイムマシンの再現が可能だ。
……そしてその結果が目の前にある。「本当に行くつもり?」
「……うん」
「……過去を変えたら、その未来である今の状況も変わる。それがどのような事なのか、よく解っている?」
「うん、それでも……それでも構わない」パチュリーが小さくため息をついた。
「……なるべく早く帰ってきてね? 貴女が居ないと、私や咲夜を含めて路頭に迷う人が大勢増えるんだから」自分の身を案じる友人の姿が本当に嬉しかった。
「パチェ、ありがと」
友人に最大限の感謝を述べて、レミリアはタイムマシンに乗り込む。
そして躊躇わずタイムマシンのスイッチを起動した。……この世界からいなくなってしまった彼の事を思う。
彼は未来からやって来た自分を見て、どう反応するのだろうか。……困る、だろうな。
未来(さき)の人物が過去(いま)にやってきてしまったのだ。
まずあってはいけない出来事だ。
……過去に戻って、あいつに会えたら、来た経緯と思いの丈全てをぶちまけて、それから追い掛けてきた事を謝ろう。
……そして出来るだけ迷惑をかけないように、やるべき事を早く済ませて、パチェ達の所に帰ろう。だから――――
レミリアがそれより先を思うより前に。
コメント
- GMの皆さん、レミリア逮捕しろー!!!!DEADENDの結末変えに行きやがった!!! -- 2012-03-27 (火) 14:29:46
- っつーかイレギュラー指定して抹殺してくれー!!! -- 2013-07-16 (火) 00:45:58