イベント名
概要
シナリオ傾向:シリアス[△] コミカル[◎] ほのぼの[◎] 恋愛[◎] 欝、人死に[×] 百合、大統領ネタ[△]
登場人物関係:登場人物の制限[] キーキャラクター[] 敵対キャラクター[]
攻略関係:イベント発生時期[7月20日~夏の野外学習発生前] 総所要日数[3日] 他シナリオとの平行[] 戦闘難易度[易~高] 攻略中ヒロインの関与[◎]
2020年の夏。
ある時、夏休みの期間を使って、南国へ旅行する提案が出た。
南国のリゾート地。真夏には一度くらい夢想するトロピカルな島国へのバカンス。
修学旅行か卒業旅行でもない限り学生には関わりの無さそうな話だが――
「行ってみればいいじゃない!」
行動力があることに定評のある吸血鬼姉妹の姉君(※一財閥の総帥)の一言で全て決まってしまった。
吸血鬼姉妹とその友人達と一緒にスカーレット財閥の自家用ジェットに乗り、青空へと発つ貴方。
しかし、三日間南の楽園で思う存分満喫……とは上手くいかないようで――
発生条件
- スカーレット姉妹攻略√後日談で夏休みを迎え、夏の野外学習がまだ発生していない。
- レミリアとフランドールとの会話の中で「南国のリゾート地」への話題を出す。
攻略
凍える南国
シナリオの舞台はとある南国のリゾート地。
島の中心地に存在する白壁の街。
大きな風車で有名な、緑豊かな丘陵地区。
華やかなアトラクションが売りのテーマパーク。
変わったイカが名産の漁港。
白い砂浜が美しい海水浴場。
ホテルが聳え立つ、燃えるような夕日が美しいビーチ。
etc...
ドルピック島?さて何のことやら
島国ならではの様々な観光名所から国内外から高い人気を博している様だ。
用意された飛行機に乗って、目的地に向かうはPCとレミフラ姉妹、咲夜さん、そして園児時代からの親しい友人。
飛行機に乗って十時間程度が経過し、特段の問題なく目的地に到着した一行。
だがしかし、
――寒い。
旅行先のヘリポートに降り立って、まずPCが最初に呟いた言葉がそれだった。
太陽の光がさんさんと降り注ぐはずの常夏のリゾート……
にも関わらず、訪れたそこはまるで冬国の様に寒かったのだ。
「うわ。さ、寒い……!」
「飛行機を降りたら、そこは冬国だった……」
「冬でも暖かいって聞いてたんだけど。……どういうことなのかしら」
「……釘刺しておくけど、関係ないからね?」
日傘を揺らして呟くフランに、チルノが断りを入れた。
「こんなに寒い南国、とてもじゃないけど泳げないよー!」
「……出発前の時に、ちょっとネットで調べてみたけど、こんなことになってたなんて聞いてなかったわ」
「この寒さは明らかに異常ですね……一度、誰かに聞いてみた方がよろしいかと」
「むざむざネ実市に戻る訳にもいかないし……そうした方がいいね」
果たして、常夏のバカンスはどうなるのだろうか……。
おしえて市長さん
その後、なんやかんやあって市役所に通してもらい、市長に話を聞くことになった。
市長の話によると、この現象は島に襲来した4匹のドラゴンによるものらしい。
数年前のこと、島に4匹のドラゴンが突然飛来した。
鋭い角を持った白銀の飛竜と水色の飛竜、鋭利な翼を持った紫色の飛竜と緑の飛竜だ。
そして、そのドラゴンが現れてからというもの、島の各地で不可解な異常気象が発生するようになる。
異常気象はドラゴンの仕業ではないかとして討伐隊が組まれたが、結果は返り討ちに終わった。
異常気象は続き、このままでは島が大変なことになると、島民達は絶望が鬼なった。
が、それから三日後にドラゴンは島を発ってしまった。
そしてドラゴン達が居なくなった途端に、島を襲った異常気象はぴたりと止んでしまったのだった。
助かったと島民達は安堵したが…これで終わりではなかった。
その次の年にまたドラゴンが島に襲来したのだ。
その間は異常気象が発生し、三日間居座っては飛び立ち、異常気象が止む。
――ここ数年はそれの繰り返しだ。
ドラゴンが現れたのは数時間前。三日も経過すれば異常気象も止む。
市長もドラゴンに頭を悩ませていたが、台風の様なものと割り切って諦めかけていた。
それを聞いた一行は平淡な表情を浮かべて互いに顔を見合わせると、納得したように頷き合い席を立った。
行くか。三日間のバカンスをホテルに塞ぎ込むだけで終わらせるなんて堪え切れないし。
「ドラゴンねぇ。最初に相手をしたのは冒険者ライセンスを取って以来だっけ?」
「私達はそうね。他のみんなはー?」
一行の様子を見て困惑する市長に、フランが伸びをしながら答えた。
「要はそのドラゴンをどうにかしてしまえばいいんでしょう?」
そしてにっこり笑い、
「だからちょっと退治してきます♪」
ハワイアンの忍者
- メディスン√TUREENDを見たことがある時に追加
ふとレミリアが立ち止まった。
「……?」
「いや、なんか上から変な気配が……。あとレミちゃんいうな」
メディスンの質問に首を捻りながら、レミリアは掌の内に真紅の槍を召喚させた。
「……えいやっ」
スターの確認を聞くがはやいか手にした槍を天井に向けて突き出す。
「……お、ヒット。曲者よ、曲者ー であえであえー」
ガトリングかマシンガンを放射したように天井に穴が無数に増え……
そして曲者と一緒に、穴だらけになった天井の一角が落ちた。
「弁償と誠意をお見せする必要が出ましたね……」
曲者は二人いて、伊賀装束を装備していた。
更に言うと片方は目線を装備していた。
目を丸くして驚くメディスンに、曲者の一人――笠松のおやっさんが気まずそうに笑みを浮かべた。
……もしかして飛行機の下に貼りついてたのか」
「……いや、それができるのは親父くらいだ」
「「妹(娘)の初めての海外旅行が心配だったから」」
心配なら一緒に行けば良かったじゃん!普通に!
「おいおい、ブラザーにファーザー。心配なのはわかるけど可愛い愛娘の初旅行をストーキングってどうなのよ」
「「……」」
こっそりついてきた事は後回しにするから」
「おっし、一肌脱ぎますか! ……それで勘弁してくれるか」
4体のドラゴン
島のあちこちで暴れている4体のドラゴンを退治して回る。
討伐対象は
市街で気温を低下させている氷属性の「アヴァランチ」
ビーチ近辺を飛び回る水属性の「ウェイブクレスト」
テーマパークにて蜃気楼を発生させている光属性の「テイルミラージュ」
丘陵地区の大風車に居座る風属性の「ウィンドストーム」
この4体を上から順番に倒していくことになる。撃破すればその場所で起きていた異常気象が止む。
また、時刻的な問題から前半の二体は夕方、後半の二体は夜間での戦闘になる。
バカンスを楽しむ前の一仕事。
折角の旅行を邪魔をするドラゴンをカカッとやっつけよう。
- VS.アヴァランチ
- 頭と一体化した鋭い一本角と氷の属性を持った、飛竜のような白銀のドラゴン。
氷属性のブレスや突進、蹴りなどの攻撃方法を用い、氷ブレスには凍結の効果がある。
耐久面では雷・風・氷属性の攻撃を無効化する代わりに、火属性を弱点としている。
また、空を飛びまわっているため、常に飛翔状態にある。
近接攻撃が通じづらいので激突効果を持った攻撃を当てて叩き落とそう。
- VS.ウェイブクレスト
- アヴァランチが青・水色主体の配色になったような外見のドラゴン。名前の通り水属性で、風と氷属性を無効化する。
雷属性が弱点だが、魔法防御が高いため魔法では思ったほどのダメージを与えられないかもしれない。
使う技はアヴァランチとほぼ同じ。しかしこちらは氷ブレスの代わりにHP吸収効果がある水流レーザーを放つ。
レミリア・フランは水属性が苦手なので、戦闘で扱う時は注意しよう。
こいつも常に飛翔している面倒な相手。やはり叩き落としておいた方がいい。
- VS.テイルミラージュ
- 鋭い翼と鍵爪状の尾を持った薄い紫色のドラゴン。光属性だがそれに類する攻撃を使ってこない。
なんとこのドラゴン、大ダメージやクリティカルヒットを受ける度にブリンク状態になったり空蝉を使ってくる。汚いな流石ワイヴぁーんきたない。
基本的な攻撃は他のドラゴンと共通。テイルミラージュは蜃気楼のブレスを吐きだす。命中率が高い上に当たると稀に混乱、女性なら幻覚の状態異常にかかってしまう。
精神スキルなどを鍛えてれば脅威ではないが、そうでない場合女性陣は特に注意。
そしてこいつも常に飛翔して(ry
- VS.ウインドストーム
- エメラルドカラーのテイルミラージュの外見のドラゴン。名前の通り風属性。
風属性への耐性はあるが、吸収や無効とまではいかず代わりに火と氷属性を無効化する。
雷属性は通じが良いが、ウェイブクレスト同様魔法防御が高い。
基本攻撃は他の三ドラゴン同様で、このウインドストームは吹き飛ばし効果のある竜巻を放ってくる。
やっぱりこいつも飛翔(ry
と、……ここまでは他のドラゴンと同様。「ねぇ」
何か用かな。
「ドラゴンは4体って話だったよね」
……うん。
「……こいつだけ、三匹もいるんだけど」- VS.ウインドストーム×3
- unforgettable
このウインドストームに限り、三体同時に出現してくる。
流石に個々のレベルは控えめだが、面倒くさい事は否めない。
幸い、詰むほどの強さでもないし攻撃せずに飛びまわっている事も多い。
弱点である雷属性や強力な技で一体でも早く仕留めるよう心掛けよう。
二日目からのバカンス
ドラゴン討伐で一日目が潰れてしまったが、ようやくバカンスを再開することが出来た。
最初に満喫するは白浜とエメラルドグリーンの海が美しい海水浴場。
透き通った海からは珊瑚礁や遊泳する魚がはっきりと見える。
が、楽しそうに泳ぐ一行の中にも、浜辺のパラソルで日光浴見する人物がちらほら。
「このザマだし。日光浴見しながらパフェでも食べてるわ。
私達のことは良いから、お前は泳いでなさい」
「南国のスィーツってどんなのかな。とろけるくらい美味しくて甘いといいなー」
「式の式で、猫だからー……あ、でも浅瀬なら大丈夫かな?」
泳げない勢は泳げないなりにそれ以外の方法で楽しむ様だ。
PCを促し、遊泳向かわせたあとレミリアはボソリと呟いた。
「あいつと一緒に海に行けるなんて。少し前までは思いもしなかったな……」
海辺を眩しげに見やり、フランは首肯する。
「そうね。去年の冬のことが、まるで昔のことみたい」
「苦い思い出も、歓楽の日々に遠く流されるものか……」
苦笑する。
彼が201⑨年に留まったのも彼女達の傍にいるのも、自身が望んで行った事だ。
姉妹の窮地に駆けつけ、想いの丈を叫んだ時のことは、心に深く刻まれている。
『2人が好きだから』
PCへの恋慕をひた隠しにしていたレミリアもついには折れて、フランと共に願った。
意訳すれば即ち、"一緒にいてほしい"と。
だが、それに対して全く負い目がなかった訳ではない。
望んでのこととはいえ、PCが過去をかなぐり捨てさせてしまったのも、大本は私達に因るものだ。
自身らの業に巻き込むことを恐れ、避けた行い。それが却って引鉄を引かせた。
責任という言葉で表すのは、不快だ。
でも、その時からレミリアもフランもこっそり心に決めることにした。
幸せにしよう。
勿論、献身だけの恋ではない。望まずとも、それ以上に彼は自分達を幸せにしてくれる。
でも、PCが未来に留まってよかったと、心からそう思える様に。
面倒を見て、未来設計を浮かべてみよう。
そう決めた。
だからこそ、彼の楽しそうな姿を見る度に、自身も心から楽しく思える。
「楽しそうで、嬉しいな」
にんまり笑みを浮かべる姉に、妹はジュースのストローを口に含みながら、
「お姉さまも私もさ、ちょっと愛が重すぎるね。 ――ん、このココナッツジュースいいわね」
「軽いよりいいでしょ? ――む、これは中々に乙ね。流石南国、トロピカル万歳」
パラソルの下、引かれたビニールシートに寝そべりながらスィーツを堪能していると、
咲夜がずいっ、と現れた。
「お嬢様、妹様。フラッペなどは如何でしょうか?
先程海の家で食べてみましたが透き通るような味わいですよ」
「フラッペ! 瀟洒な言い回しね」
「私はストロベリーがいいな。ブルーハワイも美味しいけど」
「馬鹿ねぇ、ブルーハワイなんて食べたら口が青くなっちゃうじゃないか。
……そういえば、いつのまに海の家に?」
「言われてみると、ずっと私達の傍にいた様な……」
「ふふ、秘密ですよ」
わいわい軽口をたたき合いながら立ちあがろうとすると、海辺からPCが戻ってきた。
「あ、PC」
「あら……泳ぎはもういいの?」
尋ねられた問いに、頭をかきながら彼は返した。
『泳ぎも良いけど、二人と一緒にいた方が一番楽しいから』
その発言を聞いた姉妹は虚を突かれた様な表情を一瞬だけ浮かべて、照れを隠しながら頷いた。
「そ、そう……?」
「なんだか、あ、暑くなってきたわ。早くスィーツ食べに行きましょう?」
「あらあら」
冷静を装うレミリアと若干テンぱるフラン。
そして、主達の姿を優しく笑いながら見守る咲夜さん。
それにPCを加え、
4りは海の家へと向かうのだった。