Kirov

キーロフ級軽巡洋艦　キーロフ

性能諸元

基本性能

アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

・派生艦船(ver.4.2.2まで)

・兵装

・艦艇スキル

ゲーム内説明

ソ連の歴史ある巡洋艦。その最大の特徴は独自の3連装砲塔に搭載された180mm主砲9門で、驚くほど長い射程を誇っていた。

解説

同Tierのケーニヒスベルクと並ぶ強力な駆逐艦キラー。
2021年7月8日のアップデートver.4.3でコトフスキーと置き換えられ、プレミアム艦艇となった。

・主砲
180mm3連装砲3基:計9門搭載。
　砲配置は艦首部に背負い式で2基6門、艦尾に1基3門である。まずは本艦の特徴でもあるこの砲について簡単に解説したい。この砲は他国の軽巡洋艦が搭載する6インチ(152mm)砲と重巡洋艦が搭載する8インチ(203ｍｍ)砲の中間の口径であり、一言で言うと両者の良い所取りをした様な特性を持っている*1。具体的には軽巡砲を上回る威力の砲弾を重巡砲よりも短いサイクルで発射できる上に、その弾道は非常に優秀で低伸し易く偏差を取りやすい。そして射程も長く*2軽巡砲の如く3連装砲なので命中させ易く、無駄弾が出にくい。更に3連砲塔の割には砲塔がコンパクトで射角がそこそこ優秀とまさに至れり尽くせりと言える。
　砲弾の性能も優秀であり、AP弾ダメージは格上重巡のAP弾に匹敵する威力。そして貫通力も高く、格下戦艦の装甲の薄い部分に命中した場合は連続してバイタル貫通判定が出る場合も。瞬間火力も十分だが、さすがに装填時間は6インチ(152mm)砲と比べると長目でDPMとしては軽巡には水をあけられてしまう。HE弾も口径の割には強力だが、さすがに格上重巡のHE弾と比べると威力・発火率ともに劣ってしまう。一応、重巡砲よりは手数が多いものの、1分間辺りの火災発生率は軽巡洋艦に負けてしまうのはやむを得ないだろう。とはいえ対駆逐艦に対しては3連砲塔ゆえの当て易さが、対巡洋艦・格下戦艦においてはその貫通力が有効に働くので非常に戦い易い。対格上戦艦に対しても手数と火災発生を狙っていけば何とかなる事も多く、総じて優秀と言える。しかし完全無欠かというと、そういう訳にはいかず砲塔旋回速度が同格最低の値となっている。エリート特性や装備で補強することはできるが、それでも不満を感じる場合も有るだろう。

・魚雷
533mm魚雷2基3門搭載。
　雷速が66.69ノットと速めで単発ダメージも3360と平均以上。ただし、片舷3射線しかないため斉射火力は10080に留まる。とはいえ、旋回性能に難を抱える本艦としては接近戦における奥の手として活用したいところである(幸いに魚雷発射管旋回速度は20度/秒とそれなりに速く、咄嗟の場合にも指向させやすい)。ところが、低ティアソ連魚雷の常で射程距離が4.5kmしかない。
　このため、防御が目的の場合は当たらない事を承知で牽制魚雷としてばら撒くという作戦もアリだろう。実際に命中させるためには、肉薄してきた駆逐に対してすれ違いざまに相打ち覚悟で発射する位の気合が必要である。このように正攻法では扱いにくい本艦の魚雷ではあるが、ティア4とのマッチングにおいては乱戦も多く、味方艦との戦闘に夢中になっている敵艦の死角から接近して攻撃的に使用できるケースもある。この場合は油断している相手の隙を突き、手痛い一撃を食らわせてやろう(単発が低いので当てても大したことないとか言わない)。とはいえ、特性として攻撃向きではないので無理は禁物である。

・対空
　素の対空値104は平均的な値でしかない。しかし、このティアの巡洋艦としては珍しくダメージが大口径寄り(大口径対空砲のダメージが74と米巡に次ぐ値を持っている)で、射程も3.6kmと普通にあるので適切に艦艇スキルの「対空警戒Ⅰ」を使用する事で艦隊防衛にも寄与できる水準を備えている。
　ただし、小口径対空砲のダメージが30とお情けレベルで低く、これでは狙われた際に自衛する事すら怪しい。格下や同格の空母相手であれば、艦艇スキルを使用することで誤魔化しが効くかもしれない。しかし、格上空母とマッチングして狙われた場合はひとたまりもないので相手を良く見た上で自身の位置取りを決めたい。

・装甲
　装甲6%、防郭防御7.5%は他国同格巡洋艦の標準的な値である。しかし、軽巡洋艦は装甲で防御を行う艦種にあらず。一応数値の上では平均的ではあるが、せいぜいが駆逐艦の砲を防御できる程度に考えよう(巡洋艦のAP弾以上の砲弾を単純に装甲厚のみで防げるとは考えない方が良い)。特にソ連艦は側面の面積が長く、敵巡洋艦から見て非常に抜き易い(さらに、抜かれると巨大なバイタルパートが存在するので即大ダメージとなる)。戦艦砲に対しては艦を立てていてなお、バイタルを貫通される場合があるので敵の一群と砲戦を展開する際には自艦の位置取りと姿勢に注意したい。特に本艦がマッチングするティア5やティア６には主砲を12門搭載した艦が多く所属しており、それらの艦にとって「側面を晒した本艦」は経験値ボックスである。
　火災浸水耐性10%、対水雷防御7.5%はそれなりに優秀と言える。しかし、本艦は加速が悪く旋回性に劣るため少しばかり水雷防御が高くとも魚雷の一群が命中した場合はあっという間に海底とお友達になってしまう。

・機動性
　素の最高速度は35.43ノットと他国同格巡洋艦を上回る。装備等で強化すれば38ノットを超える事も可能であり、速度が遅めの駆逐艦を追いかけまわすことも可能。しかし、反面加速が鈍く、最高速に乗るまでの時間は同格内でワーストである。また、舵の性能も6度/秒と同格内で最も重く、自在に操るには装備等による補強が必須である。ソ連巡洋艦特有のかなりの直線番長仕様なので、他国の軽巡洋艦のように舵切りで敵弾・敵魚雷を回避しようとは思わない方が良い。他国巡洋艦のような急加速・急減速・急転舵は最初から不可能と考え、本艦の長射程を活かすべく1歩引いた位置取りを心がけよう

・隠蔽性
　素の被発見距離は8.7kmと非常によろしくない。これはソ連艦の宿命ではあるが、格上巡洋艦と比較しても十分に悪いレベルなので試合開始と共に「既に敵から観られている」位の意識が必要だ。本艦は前述したように装甲に期待できず、加速や旋回性能も良くないため状況によっては初撃で退場という事もあり得る。ある程度覚悟した上での慎重な行動を心がけたい。

・生存性
　素のHPは20000に届かず、体力的には至って普通である。そのくせティア6巡洋艦と比較しても遜色ない隠蔽の低さ、大きくて良い的となり得る船体、ティア4から全く変わっていない頼りにならない装甲と3重苦を抱えており、お世辞にも生存性が高いとは言えないだろう(さらに攻撃が命中した場合はソ連特有のクソデカバイタルが有効に働き、敵艦にバイタル貫通リボンをプレゼントするというオマケが付いている)。このため、何も知らない艦長が本艦に乗った場合は弱点ばかりが目立ってしまうだろう。
　しかし、本艦には他の艦にはない特性があり、それらを活かして戦う事が出来れば前述の生存性の低さをある程度補う事ができる。1つ目は本艦の射程の長さである。距離を取って戦う事で、砲旋回の遅さをカバーする事ができる。2つ目は射角の良さである。艦を立てて前部砲塔のみで戦っても、本艦は2基6門を敵に指向できるため火力の損失を最小限に抑えつつ、装甲の薄さをカバーする事ができる。3つ目は速力であり、状況によっては撤退して体勢を立て直したり、攻撃にしろ防御にしろ敵に先んじて行動する事が可能である。これらの点を考慮した上で戦いに挑めば、弱点を上手くカバーして本艦の強みを押し付ける事も不可能ではない。あとは、自分のプレイスタイルに合わせて装備などを替えて調整してみよう。

・消耗品
「高級船員食糧」「予防整備パック」の搭載を推奨。残り1つは「改良型ディーゼルエンジン」「追加対空弾」「高品質石炭」から好みで選択して欲しい。

・装備
　・兵装　基本的には「主砲改良1」をお勧めしたい。装填時間短縮のため「主砲改良2」を選択したくなるが、デメリットとして主砲生存性が低下し、肝心な時に動かなくなる可能性もあるので万人向けの選択とは言い難い。
　・防御　旋回が良いだろう。ここのあたりから軽巡とは思えない舵の重さにになるため、補っておかないと変なタイミングで腹晒してVP抜かれてお陀仏である。
　・適性　速度か旋回が良いだろう。ちなみに速度を選ぶと駆逐並みに早くなる。

・エリート特性
　・巡洋艦近代化改修:HP+2%、対空火力+5%、主砲旋回速度+7%
　・新型砲撃照準器:主砲射程+4%
　・功績:EXPアップ+10%
※基本的には「新型砲撃照準器」を推奨。

・総論
　走のうち速度に優れ、攻は砲性能に特化、守は最低限に抑えてある非常に癖の強い艦である。癖は強いものの、砲火力(特にAP弾)が強いため、扱い方を間違わなければ強艦と化すポテンシャルを秘めている。3連装砲は駆逐艦に対して高い命中率を誇り、巡洋艦に対しても大きな威力を発揮する。戦艦に対しては格下・同格であればバイタルを抜くことも可能なので積極的に狙ってみたい。
　しかし、装甲防御が皆無で舵が重く加速も鈍い等の弱点も多く、位置取りや姿勢等を考慮した相対的な防御技術を駆使しないと生き残る事は難しい。逆にこれらの弱点を隠した立ち回りができれば、かなりの活躍が期待できる筈だ。また本艦はティア8以降で分岐するソ連第2巡洋艦ツリー(ペトロパヴロフスクツリー)の「タリン」と同口径の砲をティア5にして搭載しており、ある意味このツリーの傾向を先取りしているとも言える。よって該当ツリーを進めたいと考えている艦長にお勧めできる艦でもある。

戦闘名誉賞

史実

1938年竣工。元々は152mm砲を積む軽巡洋艦として建造される予定だったが、ソ連はロンドン海軍軍縮条約には調印していないため、より大口径の180mm砲に改められた。
バルチック艦隊に所属し、レニングラード防衛戦などに参加。
直撃弾で損傷を受けるなどしたものの、無事に終戦まで戦い抜き1958年に練習艦へと種別を変更。
1974年に除籍となった。

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