Strv 74

Last-modified: 2024-04-27 (土) 23:05:57

Tier 6 スウェーデン 中戦車

Strv 74_0-min.PNG
↑ Strv 74 prototyptorn + 7,5 cm Ivkan m/36
初期状態。卵形の巨大な砲塔が印象的。車体も砲塔も縦長で、現代の戦車を横から圧縮したようなフォルムをしている。

Strv 74_1-min.PNG
↑ Strv 74 + 7,5 cm kan strv 74
最終状態。Strv 74の史実装備。
主砲には排煙器、砲塔にはOVMや雑具ラックが数多く追加された。
前時代的な砲塔のStrv m/42と比べると、かなり現代的な容姿になっている。

スペック(v1.10.0)

車体

耐久値800⇒840
車体装甲厚(mm)55/30/20
最高速度(前/後)(km/h)45/18
重量(初期/最終)(t)25.63/26
実用出力重量比(hp/t)16.15
本体価格(Cr)910,000
修理費(Cr)
超信地旋回不可
ロール狙撃型中戦車
 

武装

名称発射速度(rpm)弾種平均貫通力(mm)平均攻撃力AP弾DPM精度(m)照準時間(s)弾速(m/s)総弾数弾薬費(Cr)重量(kg)俯仰角
7,5 cm Ivkan m/3610
⇒10.53
AP
AP
HE
120
148
38
150
150
185
1,500
⇒1,579
0.352.2
⇒2
840
925
826
42115
2,800
90
1,035-15°/+15°
7,5 cm kan strv 7410.53
⇒11.65
AP
APCR
HE
148
200
38
150
150
185
1,579
⇒1,748
0.332
⇒1.8
925
1,160
840
42115
2,800
90
1,035
 

砲塔

名称装甲厚(mm)旋回速度(°/s)視界範囲(m)重量(kg)
Strv 74 prototyptorn20/20/20323503,965
Strv 7420/20/20363604,200
 

エンジン

名称馬力(hp)引火確率(%)重量(kg)
2 st Scania-Vabis L 603/1324201,080
2 st Scania-Vabis 607/1420201,200
 

履帯

名称積載量(t)旋回速度(°/s)重量(kg)
Strv 74 prototyp26305,500
Strv 7429345,500
 

無線機

名称通信範囲(m)重量(kg)
25 W Sv/1 m/39-4234534
70 W Sv m/4340070
Ra 40071045
 

乗員

1Commander(Radio Operator)2Gunner3Driver4Loader
 

拡張パーツ

改良型換気装置Class2装填棒Class2砲垂直安定装置×改良型旋回機構Class2改良型照準器Class2追加グローサーClass2
改良型無線機×車長用視覚システム×改良型モジュール構造Class2改良型装甲材Class2内張り装甲Medium
 

隠蔽性

非発砲発砲時
静止時11.91%2.79%
移動時8.95%2.09%
 

派生車両

派生元Strv m/42(MT/28,300)
派生先Leo(MT/60,380)
 

開発ツリー

クリックで表示
7,5 cm Ivkan m/36
(初期/58,200)
7,5 cm kan strv 74
(5,750/63,700)
Strv 74
(5,400/18,300)
Leo
(60,380/1,410,000)
Strv 74 prototyptorn
(初期/9,000)
25 W Sv/1 m/39-42
(初期/2,200)
70 W Sv m/43
(1,380/21,600)
Ra 400
(7,250/44,200)
2 st Scania-Vabis L 603/1
(初期/10,300)
2 st Scania-Vabis 607/1
(1,350/13,400)
Strv 74 prototyp
(初期/9,200)
Strv 74
(5,240/16,400)
 

車両に関する変更履歴

クリックで表示
v0.9.17実装
v1.9.0修理費用を11%ダウン
収益性を2%ダウン
Strv 74 prototyptorn砲塔時のHPを700から800に変更
Strv 74砲塔時のHPを750から840に変更

解説(v0.9.17)

  • 概要
    v0.9.17で追加されたTier6のスウェーデン中戦車
    1950年代後期、新型砲塔および新型砲を搭載したStrv m/42の近代化改修仕様である。
     
  • 火力
    いずれの砲でも俯角-15°を誇り、圧倒的な地形適性を有する。
    車体後方は俯角-9°へ制限されるが、それでも並の戦車より優れている。
    • 7,5 cm Ivkan m/36
      Strv 74試作型の史実砲。
      Strv m/42の7,5 cm kan m/43 strvからさほど強化されておらず、通常弾のAPは貫通力120mmと同格にも弾かれる事が多い。
      課金弾の強化APも貫通力148mmと伸びが悪く、格上とのマッチングを考えると貫通力不足である。
      幸い初期砲塔でも最終砲を搭載できるので早期に換装しよう。
       
    • 7,5 cm kan strv 74
      Strv 74の史実砲。
      Strv m/42-57と同型砲だが、自動装填装置が搭載されていない代わりに各種性能や課金弾の貫通力が強化されている。
      単発火力は150、通常弾のAPは貫通力148mm、課金弾のAPCRは貫通力200mmと十分な性能である。
      また照準時間・精度・俯角にも優れ、全体的にかなり扱いやすい主砲として纏まっている。
      特に同格中戦車ではPz.Kpfw. IV Schmalturmに次ぐ高精度を誇っており、照準時間や照準拡散*1を含めても同格駆逐戦車のトップクラスに匹敵する精密射撃能力を有している。
      ただし、発射速度がやや遅めという欠点があり、同格中戦車の最終砲と比較してDPMが低い。
      互いに命中が見込める状態では不利になりやすく、出来る限り一方的に撃てる状況を作っていこう。
      拡散が小さく照準速度が圧倒的に速いので、ガンレイではなく換気扇を積んで全体的に底上げするのもあり*2
       
  • 装甲
    恵まれた火力とは対照的に装甲は最低レベル。
    前身よりも投影面積が増加している上に車輌の耐久力もさほど高くないため、総じて生存能力は低めとなっている。
    特に砲塔側面は20mmしかなく、APの跳弾すら期待できない極端な紙装甲である。
    エンジンの耐久値がTier4から変わっておらず、同Tier重戦車や駆逐戦車が持つ100mm砲を被弾すると一発で大破する。弾薬庫の耐久値も低めでこちらは122mm砲一発で大破する。
    ハルダウンを駆使して的を少しでも小さくしたり、優秀な照準を活かして停車時間を短くしたりと、装甲には一切頼らず、狙われにくい動きで被弾を避ける事を考えよう。
     
  • 機動性
    最高速度・加速力は共に中戦車としてやや遅めの部類であり、機動戦は不得意。
    前身より出力重量比・旋回性能が低下し、やや鈍重となってしまった。
    ただし、最低限の陣地転換や裏取りに困らない程度の機動性は有している。
    拡張パーツの改良型旋回機構の搭載は、旋回速度だけでなく同時に射撃性能にも恩恵があるため一考の余地がある。
     
  • その他
    砲塔が大型化したため、同じ車体のStrv m/42と比べて隠蔽性が中戦車としては低い数値となっている。
    視認範囲も改良砲塔で360mと平凡であり、前述のとおり装甲もないため油断しているとすぐに発見・撃破されてしまう。
    できる限りスキルや拡張パーツで補っておきたい。
     
  • 総論
    装甲や足回りを犠牲にし、主砲の扱いやすさに特化した中戦車である。
    本車両の攻撃面はかなり優秀であり、DPM以外の全ての性能が高い水準で纏まっている。
    特に精度・照準系の性能はTier6戦車全体でもトップクラスであり、偏差射撃や遠距離狙撃も難なくこなす事ができる。
    一方で、欠点の大きさは一般的な中戦車としての運用に若干の支障をきたすほどであり、
    勝利のためには強みと弱みをしっかりと把握して動く必要がある。
     
    スウェーデン中戦車として見た場合、砲精度に優れる代わりに隠蔽性、機動力に劣る本車輌はやや異色。Tier7以降はどちらかというと前身のStrv m/42に近い性能バランスとなっている。
     

史実

詳細

Strv74_history.jpg
Strv74_history_2.jpg
Stridsvagn 74(ストリッツヴァグン フュッティフューラ)とは、Stridsvagn modell/42に近代化改修を施した車両である。

 

・経緯
1950年代に入り、スウェーデン陸軍が主力としていたStrv m/42は完全に旧式化していた。
冷戦で国際情勢が悪化する中、これは非常に危険な状態だった。
そこでKRV計画などの自国製の新型戦車開発を行っていたが、要求性能の肥大化や技術不足によって開発は遅延していた。
スウェーデン陸軍は早急に戦力を整える為、朝鮮戦争で名を馳せたイギリスのCenturionStridsvagn 81として導入したが、それだけではソ連の戦車部隊を迎撃するのにとても戦力が足りなかった。
一方、AMX-13軽戦車の導入も検討されたが、軽装甲戦闘車両としては(スウェーデンが想定するよりも)高コストだった為、試験車1両のみの購入で量産車の導入は見送られていた。

 
ソ連を仮想敵とする経緯

そもそも第二次大戦にてスウェーデンは中立を宣言していたものの、隣国フィンランドをこっそり支援していた。
フィンランドがソ連に併合されてしまうと、今度はスウェーデンがソ連と隣接してしまい、侵略の対象にされるからであった。
だが、冬戦争では義勇軍という形でソ連と対峙したスウェーデンだったが、次の継続戦争ではドイツ・ソ連の圧力によりフィンランドの支援ができなかった(フィンランドはドイツが支援していた)。
戦後、フィンランドはソ連の友好国となってしまい、次に世界大戦が起きればスウェーデンがソ連の侵攻に遭う可能性が高くなってしまったのである。

 

・開発
1954年、既存のStrv m/42に新型砲塔と対空砲ベースの新型砲を搭載する近代化改修計画が立ち上がった。
AMX-13軽戦車の導入よりもこれら近代化改修が低コストになると算出されたからである。
なお、この提案をしたのは後にStridsvagn 103を開発した技術者スヴェン・ベルゲだったと言われている。
近代化改修案は、砲塔を換装して強化を図るオプションA、歩兵砲車型に改修するオプションBの2種が存在した。
オプションAでは以下の3つの砲塔案が提示された。

 
  • A.1案
    アメリカのM41 Walker Bulldog軽戦車などに似た、オーソドックスな形状の砲塔を用いる案。
    堅実な内容かつ俯角-15°を維持できる事から最もスウェーデン陸軍から好まれたが、重量の増加が問題視された。
  • A.2案
    フランスのAMX-13軽戦車の揺動砲塔のみを輸入またはライセンス生産して用いる案。
    軽量さと良好な火力が見込まれたが、AMX-13砲塔は俯角不足な上にStrv m/42の車体とターレットリングのサイズが合わない事が判明し、中止となった。
    本ゲームにおけるStrv m/42-57 Alt A.2である。
  • A.3案
    分割型砲塔(1944年~1948年に構想されていた砲塔)を用いる案。
    複雑な装填機構から高コスト化が見込まれた為、中止となった。
 

結果として最も実用的かつ現実的なA.1案がStrv 74として採用された。
新型砲塔の製造はヘグルント&ゾナー社(のちにInfanterikanonvagn 91を開発した企業)に発注され、組み立てなどの一連の作業はランツヴェルク社が担当した。
Strv_m42-57_A1.jpg
↑A.1案

 

Strv 74の主砲には、ボフォース社製の対空砲7,5 cm Ivkan m/36 L/60が選定された。
この砲をStrv 74に直接装備する事はできなかった為、60口径から56.5口径へと加工して装備した。
7,5 cm kan strv 74はこれに排煙器(エバキュエーター)を設けた史実砲である。
strv74-75mm-kan.jpg
strv74-turret-history.jpg
↑量産される主砲と砲塔

 

この時、新型砲塔では構造が複雑化していた為、砲手が手動で砲を動かせなくなる可能性が浮上した。
そこでStrv 103の開発者スヴェン・ベルゲは新型クロックスプリングを設計し、機械的なバランスを調整してこの問題を解決したとされている。
strv74_history3.jpg
↑Strv 74の主砲を可動させるクロックスプリングという部品

 

・試作
1957年にはStrv m/42の車体を実際に用いたモックアップや試作型が製造された。
Strv74_prot_history.jpg
↑モックアップ砲塔を搭載したStrv m/42とStrv 74試作型

 

Strv 74とStrv m/42の主な違いは以下のようなものだった。
・スモークディスチャージャーなどの装備の変更
・総弾数の向上
・スカニア社製エンジンを更新
・新型無線機に変更
・サスペンションを改善
・砲塔と主砲を換装

初期段階では改良を加えても元の重量から1.5トンを超えないと想定されていたが、実際は22トンから26トンへと大幅に重量が増えていた。
ただし、エンジンの更新や幅広の履帯によってStrv m/42より機動性は良好になっていたとされている。ゲーム内では単純に加速力が劣化しているが
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↑クビンカ戦車博物館のStrv 74

 

・配備~退役
1958年頃から次々にStrv 74への近代化改修が進められ、導入されたCenturion(Strv 81/Strv 101/Strv 102)やのちに量産されたStrv 103を支援する車両(初期のStrv 74は主力戦車として扱われていた)として機甲部隊に配備された。
しかし、流石にそれらの主力戦車が多く配備されてくると一線を退き、1970年代には多くの車両がIkv 91に置き換えられて退役したが、一部車両は予備戦力として歩兵支援目的で運用された。
Strv74_1969_history1.jpg
↑Strv 74の上でくつろぐ戦車兵たち(1969年頃)

 

退役したStrv 74の砲塔は沿岸のトーチカに使用され、一部の車体はStrv m/42の砲塔を再搭載されて展示品となった。
Strv m/42の時代から40年も経過して老朽化が著しくなった事から、1984年には戦車としては完全に退役し、トーチカとして運用されていたStrv 74も2000年代初頭には廃棄された。
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↑沿岸のトーチカとして配備されていたStrv 74の砲塔

 

現在、Strv 74はスウェーデンのアーセナル博物館やロシアのクビンカ戦車博物館、アメリカのバージニア州ダンヴィルのアメリカ機甲部隊協会戦車博物館などで展示されている。
公式動画のChieftain's Hatch(下記のURLを参照)では実車の映像と共に詳しく解説されているので、気になる方はぜひ視聴して頂きたい。
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↑ゲーム内のモデルとなったと思われるアーセナル博物館のStrv 74

 
その他の画像

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↑Strv 74と戦車兵
ゲーム内とは異なり、砲塔後部の雑具ラックに荷物が満載されている。
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↑横幅は一般的なトラックと大差無い。主砲を固定させるトラベリングロックが車体後部にある為、普段は砲塔を後ろ向きにする。
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↑砲塔が前後に長い為、エンジンを整備する際は砲塔を横向きにする。ちなみに3時・9時方向(横方向)への射撃は、後付け兵器ゆえに射撃の反動がかなり大きかったようだ。

 

実車映像
Chieftain's Hatch Part.1
Chieftain's Hatch Part.2
参考1参考2参考3参考4参考5参考6参考7

情報提供

愚痴や日記など生産性のない話題外部総合掲示板をご利用ください。
マスター(M)バッジ報告専用スレができましたのでそちらへお願いします
使用感や装備など、アーカイブスペック解説に表記されています。

アーカイブ1

※実装または車両性能変更アップデートから3か月以上経過した車両であるため、管理人の提案に基づき新規コメント欄を非表示にします。本車両について語りたい方は外部掲示板を利用してください。


*1 砲垂直安定装置(スタビライザー)を搭載したM4A3E8 Shermanとほぼ同じ照準拡散となっている。
*2 換気扇にすると、照準時間はガンレイを積んだA-43には0.03秒劣るがそれでも同格2位