【13話 闘う姿は……】
"ハルマ"はとある儀式の為に、必要な"体質"を持つ"ヒョウカ"を追いかけていた。"ヒョウカ"も戦闘が得意であったが、"ハルマ"の実力とは圧倒的な差があり、逃げるのが精一杯な状況だった。
しかし、これは「"ハルマ"を殺す計画」の為に仕掛けた、誘き寄せの作戦であった。
(追ってる奴が疲れたとこの背中を、一本斬ればいい……という認識はバカだったか)
"ハルマ"は眉を少しだけ狭めた。
現在、"ハルマ"は"大量の剣士"に囲まれており、現在進行形で各々が"ハルマ"に剣を振りかぶっている。
その中には、かつて"ハルマ"と剣を交えた"ガズエル"や、"剣士隊名誉隊長"の"ゼレナ"の友人と知られてる"アラバン"といった実力者も混じっていた。
「"ガズエル"と"アラバン"……揃うとけっこう厄介だな」
「どうも」
"ハルマ"の戯れ言に"ガズエル"だけが返事をした。"アラバン"は返事をしなかった。
("この2人"……けっこう"退き"の戦法してるな。邪魔で他の剣士を斬れない)
"ガズエル"と"アラバン"は実力者ではあるが、彼らは"ハルマ"の攻撃を全力で迎撃するスタイルで戦っていた。その為、"ハルマ"は思うように攻撃ができず、自由に動く為には"ガズエル"と"アラバン"の撃退が必要となっていた。
("ガズエル"と"アラバン"を素早く仕留め、その後に他の剣士を仕留めよう……)
現状、ハルマはこう思いながら戦闘をしていた。
その様子を、計画の立案者"ミッドポッター"が遠くから見ていた。
「"ハルマ"さんは、"あの2人を撃退したい"と思って、優先的に"2人"に接近するだろうねぇ」
「それで"更なる誘導"が出来て、"ハルマ"さんはオツカレになっちゃいます」
"ミッドポッター"は端末を取り出し、スクリーン上の操作パネルを押した。
すると、非常に小さな"火柱"が地面を高速で走っていく。
同様に、完璧な立ち回りで戦闘する"ハルマ"も、じわりじわりと"火柱"の進行上に誘導されていく。
ここで"ハルマ"は違和感を感じ取った。
(……!この"退き"の戦法も、"誘導"だとしたら……)
しかし、もう既に"ハルマ"は、"ミッドポッター"による"超複雑な呪文回路"に足を踏み入れていた。
そして、"火柱"も"呪文回路"にたどり着く。そして、その"信号"を受け取った"回路"は、"凄まじく青白い光"を放った……!
「やってしまっ……!」
"青白い光"が収まった時、"ハルマ"の周囲には"山のような氷"が精製され、完全に凍結されてしまった。
その光景を見た"ミッドポッター"は、ニヤニヤしながら彼を煽った。
「頑張ったね。君の最期はみんなで語り継ぐよ」