"脱国派"は憎き"ハルマ"を計画で"氷漬け"にする事に成功したが、人知を逸する"ハルマ"はすぐに"氷を砕いて"しまった。
しかし、すぐに"ヒョウカ"が"何かしらの変な力"を解放し、"脱国派"は全員吹き飛ばされ、結果的には無事に"安全な地"に避難できた。
一方、そんな"脱国派"にとっては……今回の計画は大失敗であった。
「……」
"ガズエル"が静かに目覚めた。
辺りはただの荒野だった。
"計画"の主要地だった"屋敷"の近くも荒野だった。しかし、"屋敷"の所は少し湿っぽかったが、今いる場所はずいぶん干からびていた。
「喉が渇いた……」
荒野をしばらく歩いていた。
荒野を見渡せば、人を2~3人見かけた。
おそらく"脱国派"に集まってくれた有志たちなのだろう。
彼らには帰る場所があるのか、少なめの荷物で各々の方角をまっすぐ歩いていた。
「俺ぁどこ帰ろうか……」
思い返すと、やはり"脱獄"を助けてくれた"ミッドポッター"を頭に浮かべた。
"ガズエル"は、とりあえず"ミッドポッター"を探そうと足を進めた。
「ありゃぁ……?」
荒野と平野の境目らへんを歩いていると、"人だかり"が見えた。
しかし、少し変な様子だ。
有志たちは、あれだけの"激戦"をこなした後だというのに、部隊が厳格にやるような"整列"を綺麗にこなしている。
「なんか、また計画やら説明してるのか?じゃあ、"ミッドポッター"も居るんか」
"ガズエル"は、その人だかりに向かっていく……
「……」
"人だかり"に辿りついたし、"ミッドポッター"を見かけた。
だが、もっと様子が変だ。
先ほどの"整列"している有志の顔が、"無機質"すぎて怖かった。
そして、"ミッドポッター"はその"整列"に背を向け、"うつ伏せになっている人"の頭を、杖の光で照らしていた。
「……おい、何やってんのさ」
「……計画が失敗したから、これからの"予定"なんだけど、」
"ミッドポッター"が振り返った。
「"ガズエル"君の手紙で僕は脅され、"脱獄"を手伝ったけど、僕は恐怖に抗って、あと"ハルマ"と協力して、"脱国派"を倒した。と、"キアズマ王国"……じゃなくて、"帝国"に報告する」
「……"脱国派"が弱すぎたから、"キアズマ帝国"のルートに舵を切るんだよ。僕にとって、今の"脱国派"は"キアズマ帝国"に売れるくらいしか価値がないの」
"整列"していた有志たちが再び動き、音もなく"ガズエル"を取り囲んだ。
その時、一瞬見えた。
"ミッドポッター"がさっきまで、杖の光を当てていたのは"アラバン"だった……
