
デッキコード
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【20話 プレゼント】
剣士隊が"ミッドポッター"と戦う直前、"ゼレナ"は"アラバン"を遠くに連れ去っていた。"ミッドポッター"が直前に洗脳していたのが"アラバン"だったからだ。
しかし、それはそれとして、"ゼレナ"にはもう一つの理由があった……
「グッ……ッゴミが!」
「……」
"アラバン"が"ゼレナ"の剣技によって吹き飛ばされた。"ゼレナ"の技は、圧倒的なまでに磨き上げられた技であった……
「"ゼレナ"!お前が強いのは、ただ単に都合が良かっただけなんだよ!」
「そう……新たに生まれた"戦法"を上手く使えた」
"ゼレナ"が歩み寄る。しかし、"アラバン"は"1本の剣"を握りしめて、ゼレナを警戒していた。
「あなたが"剣術"って概念を教えてくれて、退屈な生活で腕を磨きあっていた時……そんな幼い頃は、"あなたの方が強かった"」
「けど、"支配剣術"が台頭してから、実力が一気に逆転したんだっけ」
「ッ言うな!」
"支配剣術"とは、かつて"念動モンスターの長"を倒した"ハルマ"という者が広めた剣術。究極の剣術だった……
「"支配剣術"は、元々"二刀流"だったあなたにはできない剣術だった。"剣2本"でやる戦法ではないもの」
"ゼレナ"の表情は、ひどく哀れんだ様子だった。
「……何が目的なんだ?俺はお前がキモいよ」
"アラバン"が今にも剣を振りかぶろうとする時、直前でゼレナが手を腰にかけ、"何かを取りだそうとしている"所を見た。
「ハイ、これ」
"ゼレナ"が何かを"アラバン"に向けて放り投げた。すかさず、"アラバン"はそれをキャッチした。
「……は……?」
ゼレナが投げた"何か"は、二つの刃物で、それらは対になったデザインだ。
いわゆる"双剣"。二刀流の剣士が使う武器だ。
"アラバン"は試しに片手でそれを振った。
(……重心がおかしいが、確かに振りやすい。遠心力のお陰か……)
"支配剣術"は、状況判断が出来ても"咄嗟に技が出ない状態"では意味がない。それで二刀流を断念し、どんどん腕が落ちたのを思い出した。
「ずっと、あなたを気に病んでた……けど、私は"隊長"だから、こういう"振りやすい"剣の依頼も簡単にできるようになった」
"ゼレナ"は、再び戦闘態勢を取った。
「また、あの時みたいに戦う?」
"アラバン"の屈辱は、この程度で晴れるはずもなかった。
「お前は……昔から"意味不明な奴"だったな」