妖夢:幽々子さま、すべて手はず通りです
幽々子:……始めましょう、命あるものの訪れぬ冥き地で…
亡霊の宴を
♪~色は匂えど散りぬるを
魔理沙:よう霊夢、そこで氷の妖精つかまえたぜ
霊夢:あーいらっしゃい魔理沙。ほんと妖精って油断するとどこにでも湧くんだから…
…寒いから、早く閉めてくれる?
魔理沙:見ろよ、春だってのにこの雪景色、冬の妖精やら妖怪やら
いいかげん認めろよ、これは異変だ!
チルノ:はーなーせー!
霊夢:今年は春が遅いってだけ…
魔理沙:いいや!どこかに犯人の妖怪がいる!
チルノ:ぎゃっ!!
魔理沙:異変解決、妖怪退治が巫女の仕事だろっ!?
ああそうかよ!それならこんな異変、私だけで解決してやるよ
たんか切って飛び出してきたはいいが、まったく見当すらつかないぜ
情報を集めないとな...おつ、さっそく情報提供者発見!
って、あいつは…
やれやれ、やる気満々だな
フィ~
あ、ブン屋の...
はあ、はあ、はあ…
魔理沙:!!
魔理沙:…!
やれやれだぜ…
妖夢:ここは冥界、亡霊たちの住まうところ
命ある人間よ、疾くお前たちの顕界に引き返すがよい
魔理沙:観念しろ、半人半霊!
お前たちの企みはすべて調べさせてもらった
さあ、春を返してもらおうか
おっと…抵抗してくれてもいいぜ。力ずくは大好きなんだ
妖夢:フツ…ははは、人間風情が何を言いだすかと思えば
博麗の巫女ならいざ知らず、いったい何様だお前は?
魔理沙:霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!
魔理沙:!!
魔理沙:のわっ!
妖夢:!!
!!くつ...ただの人間がこんな力を...幽々子さま、すみません…
魔理沙:さて、お前の親玉のところに案内してもらおうか…
…いや、そのまま寝てていいぜ
幽々子:あらまあ…博麗のみこじゃないのね
魔理沙:そのセリフ、聞きあきたぜ
咲夜:こんにちは…あら、ほんとにまだいる
霊夢:どうしてみんな、玄関から入ってこないのかしら
吸血鬼のところのメイドじゃない。今日は一人?
咲夜:レミリアは、寒いので出たくないと。伝言だけ預かって来ましたわ
「いつまで妖怪の好きにやらせているのか」とのことです
霊夢:大きなお世話
咲夜:?
霊夢:……
咲夜:まあ、あなたの考えもわからないでもないけど…
霊夢:…な、なによ
咲夜:幻想郷のバランスをたもつのが巫女のお仕事ですものね
霊夢:そ、それもあるわね
咲夜:でも、そろそろ充分じゃないかしら
霊夢:……
それを決めるのも私の仕事よ…
咲夜:ごもっとも…
伝言はつたえましたよ
白黒の魔法使いは冥界に向かったわ
冥界で死んだら、成仏できるのかしら
魔理沙:おい亡霊、こっちは花見ができなくて困ってるんだ
今すぐ春を返すか、私に痛い目に会わされた後で返すか、好きな方法を選…
魔理沙:うわっ!
幽々子:ここにとどまって亡霊となるか、亡霊となってからここにとどまるか、
お好きな方法を選びなさい
魔理沙:そういうのは選択って言わないぜ
幽々子:ご覧なさいな、この桜、西行妖を
まだ花をつけてないでしょう?もっと春が必要なの
魔理沙:そんな、つまらんことでえ!…ぐわっ!
幽々子:残念、ここまでかしらね
魔理沙:……
魔理沙:くそっ…美しすぎるぜ…!
魔理沙:!!
魔理沙:霊夢!?お前今ごろ…!
霊夢:話はあと!
魔理沙:ちぃっ!
幽々子:あらあらあら
魔理沙:くっそぉー!
マスタースパーク!!
げっ!?
うそぉ!
幽々子:おしい、おしい
幽々子:!
幽々子:!!
幽々子:結界!?
霊夢:夢想封印!
幽々子:ちょっと、油断しちゃった
魔理沙:かくて世はこともなし、か
まっ、苦労はしたかいがあったってもんだな
霊夢:はあ~~
魔理沙:?
霊夢:だから、嫌いなのよねー
魔理沙:?
チルノ:にやははは
霊夢:異変解決っていうと、すく妖怪どもが集まってきて宴会になるんだから
魔理沙:楽しいからいいだろ
チルノ:ぎゃはははははは
霊夢:主犯も来てるし…
幽々子:まあまあ、おわびの印にね
妖夢:酒肴もお持ちしましたので
魔理沙:おっ
霊夢:はあー、参拝客が逃げるわー
しかもこれ、後片付け全部わたしでしょ。だから異変解決って嫌なのよ
魔理沙:ちょっと待て!!
お前まさかそんなつまんない理由で!!
霊夢:……
魔理沙:おい霊夢、私に言わなきゃならない事があるよな?
霊夢:……
魔理沙の言うとおり異変でしたw私が悪かったわーwごめんなさいねwww
魔理沙:心がこもってないんだよ!!
霊夢:なによ!
魔理沙:巫女のくせに面倒臭いから異変を放置って、だからこの神社は人気がないんだろ!
文:号外!号外だよー!
霊夢:異変はちゃんと解決してるわ!
魔理沙:なにをー、おいしいところばっかり持って行きやがって!
レミリア:結局、霊夢が異変を解決したようね
咲夜:そのようですね
レミリア:なぜだか分るのだけどね
たとえ、咲夜が買い物の途中で寄り道しなかったとしても…
この結末はかわらなかったわ
咲夜:…そうだったんですね
レミリア:さて、寄り道の罰は何するかな
咲夜:…なんなりと
霊夢:なによ!だいたいあんた、私が行かなかったら危なかったじゃないの
そっちこそ、私に何が言う必要があるんじゃないの?
魔理沙:「ご苦労さん」
霊夢:は?
魔理沙:「大儀である」でもいいぞ
霊夢:何で偉そうなのよ
霊夢:あっ!ちょ、それ私のでしょ!
妖夢:幽々子さま~~
幽々子:あら
妖夢:あれ?
妖夢:今、誰がいませんでした?
幽々子:ふふ、いいところに来たわね
妖夢:え?
幽々子:楽しくなりそうよ
妖夢:なにがです?…桜は咲きませんでしたし
幽々子:桜?
妖夢:西行妖ですよ
幽々子:ああ、あれはもういいの
幽々子:咲かせてはみたかったけど…
妖夢:すみません…まさか人間に…
幽々子:いいのいいの、十分楽しかったし、
幽々子:博麗の巫女に気付かれずにすんだしね
妖夢:はあ…話が見えないのですが…
早苗:あの~
妖夢:?
早苗:着てみたんですけど
早苗:…に、似合います…?