書き起こし/☆の記憶

Last-modified: 2017-06-15 (木) 03:04:54

プロローグ
キナコ「助けて…。」
キナコ「助けて…。」
レイセン「な、何?誰なの?」
キナコ「助けて…。レイセン…。」
レイセン「私を知っているの…?もしかして月の!?」
キナコ「月の涙…。あなたなら…感じるはず…。」

 

シーン①
幹部1「欲深き人間どもめ。飼い犬に手を噛まれるとはまさにこのことだ!」
幹部2「全てを喰らい尽くしてなお…まだ足りぬか!?」
幹部3「しかし、あの数…。結界が破られるのも時間の問題だ。」
幹部1「おかしい…。人類の成長が早過ぎる…。何故誰も気付かなかった!?」
幹部2「全て想定外だ。奴らの生命力、これほどとは…。」
幹部3「如何致しますか?マリウス様…。」

マリウス「これより、コードE3を発動する。」
幹部1「E3!?ついにあれを使う時が…。」
幹部2「しかし月は既に輝きを失っている…。」
幹部3「その通りだ。マナの確保ですら危ういというのに…。」
幹部1「とてもエリュシオンを起動させる余裕などありません!」
マリウス「策はある。直ちに部隊を召集しろ。」
マリウス「目標はテラ、幻想郷!」

 

シーン②
てゐ「痛ぁー、なにごと?」
レイセン「大丈夫?」
てゐ「レイセン!」
エイリン「アレは…ルナの船…。」
てゐ「ルナ…?」
レイセン「月の使者よ。狙いは恐らく…。」
エイリン「カグヤ様ね。」

月の使者「ヤゴコロ・エイリン…。我々の来た意味、分かっておるだろうな?」
エイリン「懲りないわね…。姫は渡さないわ!」
月の使者「過去の過ちを繰り返すつもりか?」
レイセン「なんと言おうと師匠の言うことは絶対よ!」
月の使者「愚かな…。」

てゐ「船が増えた!?」

てゐ「弾幕だぁ!」
エイリン「カグヤ様を!」
レイセン「はい!」

レイセン「間に合いましたね。」
エイリン「ええ…でも…。」
エイリン「このままじゃ時間の問題よ。」
レイセン「くっ…。」

レイセン「博麗の巫女!?」
レイム「ちょっとあんた達!これ一体なんの騒ぎよ!?」

レイム「きゃっ!」

マリサ「こりゃひでーな。竹やぶが火の海だ。」
レイム「何よマリサ!危ないじゃない!」
レイセン「てゐ!今よ!」
てゐ「はーいっ!」
てゐ「エンシェント…」
てゐ「デューパー!」

マリサ「へぇ~、やるじゃん。」
エイリン「博麗の巫女!」
レイム「なに?」
エイリン「なぜあんなのが侵入できるの?」
レイム「それは…。」

ユカリ「大結界異変。」
レイム「あっ…。」
レイム「ユカリ…。いつの間に…。」
ユカリ「寄せては返す波のように…。結界もまた満ち干きを繰り返すもの…。」
ユカリ「今、幻想郷の結界は一番弱まる時期。そしてこの満月、決して不可能ではないわ。」
レイセン「それにしても、そんな情報やここの位置をどうやって…。」
ユカリ「敵が目の前だけに現れるとは限らない。」
レイセン「えっ?」

エイリン「ウドンゲ!」
エイリン「やられたわ…。」
レイセン「えっ!?」
レイセン「カグヤ様!」

カグヤ「そう…。使いはオトリだったのね…。全てはあなたが…。」
カグヤ「けど私にナイフは効かないわ。」
カグヤ「サクヤ…。」
サクヤ「でも痛みは感じるはず。」
レイセン「させないわよ!」

レイセン「な!?それは…。月の瞳…。あなたは一体…!?」
サクヤ「私はかつてルナ家より遣わされし者…。」
サクヤ「カグヤ様の監修と情報収集が私の真の使命です。」
サクヤ「姫。月へお戻りください。月はあなた方の力を必要としております。」
カグヤ「必要…?」
カグヤ「罪を犯し、この地に堕とされた私達に…。今更どうしろと?」
カグヤ「月で何が起きてるの?」
サクヤ「それは別の者より説明致します」

キナコ「レイセン…。」
レイセン「はっ!?」
キナコ「聞こえますか?」
レイセン「あなたはこないだの?」
キナコ「私の名はキナコ。あなたと同じ、月の兎です。」
レイセン「キナコ…。今、月で何が起こってるの?」
キナコ「私達の故郷。月は今、死にかけています。」
レイセン「月が…死ぬ…!?」
キナコ「えぇ。マナが弱くなっているんです。」
レイセン「マナ…。月のエネルギーが!?」
キナコ「はい。星も私達同様、命を宿すもの…。」
キナコ「人間との戦の中で、月はそのバランスを失ってしまいました…。」
キナコ「月の命をつかさどるはマナ。人間にその事が分かるはずなどないのです。」

キナコ「レイセン…。蓬莱の薬を知っていますね?」
レイセン「薬…。禁断の…!?」
キナコ「マナは生きています。私達と同じ。」
キナコ「そこで、あなた方に薬を作って頂ければ、月も救われる。」
キナコ「月…。ルナの君主、マリウス様はそうお考えになりました。」

レイセン「マナも命なら…。不死になるってこと!?」
キナコ「その通りです。」
キナコ「月が輝きを取り戻せば、人間に負けることもない。」
キナコ「そのあかつきには、カグヤ様を再び月の姫として迎え入れたい。」
キナコ「マリウス様はそうおっしゃっています。」
キナコ「かつて罪に問いながら、今更助けてくれとは勝手な申し出かとは思います。」
キナコ「申し訳ありません…。」
レイセン「そんな…。あなたが謝ることは…。」
キナコ「一つ…。お聞きしてもよろしいでしょうか?」
レイセン「え?」
キナコ「りんちゃんは…。元気にしていますか?」
キナコ「りんって…師匠のこと?うん…。元気よ。」

カグヤ「マリウス…。私の父は私達が帰るまで攻撃を続けるでしょう…。」
エイリン「これ以上、逃げ回っていても被害が拡大するだけ…。」
レイム「行くの…?」
エイリン「えぇ…。薬が必要なら殺されることはないでしょう。」
マリサ「いや殺しても死なないし!」

てゐ「何で私だけ連れてってくれないの?足手まとい?」
レイセン「ちがうよ。私達が留守の間、永遠亭を守ってほしいの。」
てゐ「戦争に行くの?」
レイセン「一度、逃げてきたからね…。月の助けになりたいのよ…。」
サクヤ「月までは、月の回廊を通って私がご案内します。」
サクヤ「(お嬢様…。)」
サクヤ「(今まで…。本当にお世話になりました…。)」

てゐ「みんな。ちゃんと帰ってきてね!絶対だよ!」
レイセン「うん!行ってきます!」

 

シーン③
マリウス「久しぶりだな…。我が娘、カグヤよ。」
カグヤ「マリウス…!」
マリウス「やっと協力する気になったか?」
カグヤ「月の民のため、薬は作りましょう。ただもう二度と戻る気はありません。」
マリウス「ほう…。王位を次ぐ気もないと?」
カグヤ「ありません。その代わり、今後一切、私達に関わらないでください。」
マリウス「なぜだ?」
カグヤ「地球でのんびり暮らしたいだけよ…。」
マリウス「そうか…。そんなにテラが気に入ったか…。」
マリウス「分かった…。約束しよう。」

 

シーン④
エイリン「これは…!?」
カグヤ「薬が…。途中まで完成している。」
キナコ「はい。あとは花を咲かせるだけです。」
レイセン「その声…。」
レイセン「キナコさん!?まさかあなたがこれを?」
キナコ「はい…。」

カグヤ「妙ね。」
カグヤ「見たところ普通の月の兎のようだけど、どうやって蓬莱の薬をここまで。」
カグヤ「エイリンの研究データはすでに消滅しているはず…。」

キナコ「ヤゴコロ…オモイカネ…。」
エイリン「!?」
キナコ「かつてのルナの天才科学者。そしてエイリン様のお母様。」
キナコ「昔、オモイカネ様にお会いしたことがあるんです。」
キナコ「それがきっかけで興味を持ち、何年も調査を続けました。」
キナコ「ただ、さすがに花をコントロールすることだけは無理だったんです。」
レイセン「花?」
キナコ「蓬莱の花です。」
エイリン「千年に一夜だけ咲く花。花が咲かないと薬は完成しないのよ。
エイリン「ただ、カグヤ様の力があれば、すぐに咲かすことが出来る。」
レイセン「ほんとに?」
エイリン「見てなさい。」

エイリン「蓬莱の薬は一度に3つ、実が薬になるの。」
レイセン「わぁぁ…。」

エイリン「(でも…)」
エイリン「(母さんが研究内容を誰かに漏らすとは思えない…)」
エイリン「(それに…)」
エイリン「(私がまだ小さい頃に実験中の事故で死んでいる…)」
エイリン「(もし生前に会っていたとするなら…)」
エイリン「(若過ぎる)」

レイセン「あれ?」
レイセン「何?この黒いクリスタルは…?」
キナコ「ムーンストーンの結晶…。ルナ・クリスタル。忘れちゃいましたか?」
レイセン「えっ?もしかしてマナ・ストーン!?光を、失っている…。」
レイセン「月が力を失ってるのは本当だったのね…。でもどうして今になって…。」
カグヤ「キナコさん…。これで本当に月を救うことができるの?」
キナコ「もちろんですよ…。」

レイセン「なに!?」
カグヤ「これは…!?」
カグヤ「マナの渦!」
エイリン「ということはここはルナの中枢…!?」

カグヤ「サクヤ!?」
カグヤ「なぜクリスタルの中に!?」
キナコ「マナ・ストーンは力を内部に閉じ込める…。使い方によっては…。」
エイリン「はっ…!」
エイリン「まさかっ…!?」

 

シーン⑤
マリウス「くくく…。よくやったぞ、キナコよ。」
キナコ「ありがとうございます。マリウス様。」
レイセン「ちょっと!どういう事よ!」
レイセン「薬は出来たんだから地球に返してよ!」
マリウス「あぁ…。もちろん返してやるさ。」
マリウス「コードE3、実行後にな。」
カグヤ「コード…E3!?」

マリウス「よし。残った薬を持ってこい。」
マリウス「ご協力、感謝するぞ。はーっはっはははは!」

レイセン「だめ!硬くてびくともしない!」
カグヤ「マナ以外にも力を封じ込めることが出来るのね。お手上げだわ…。」
エイリン「コードE3…。一体何のことかしら?」
サクヤ「地球の…リセットです…。」
エイリン「リセット!?」
サクヤ「はい…。地球生命体の、抹消計画です…。」
エイリン「生命体の抹消…?そんな事が…可能なの?」
サクヤ「私も最初は耳を疑いました。」

サクヤ「はるか昔…。月に移り住んだルナ人は、地球に命の種が宿っていることを探知しました。」
サクヤ「そして生命の進化のプロセスと種の繁栄の道を探るため、地球を巨大な実験場『テラ』と名付け、」
サクヤ「自分達の遺伝子をモデルに、人を創り出したのです」
レイセン「人間を…作った…!?」

サクヤ「はい。そして魔物たちさえも…。」
サクヤ「しかし、人間の短命さ故のその繁殖力、留まることを知らぬ欲望に脅威を感じ、」
サクヤ「マナを凝縮して生命体の核に直接作用 消滅させる兵器、エリュリオンを開発したのです。」
サクヤ「恐らくあれが起動すれば…。人間はおろか、地球に存在する命…。」
サクヤ「その全てが消滅するでしょう。」

エイリン「で、その計画を知り、逆らって捕まったのね…。」
サクヤ「はい…。」
エイリン「月を救うというのは口実ね…。兵器の起動に莫大なマナが必要なんだわ…。」
レイセン「冗談じゃないわ!そんなことされたら幻想郷も…。みんな消えちゃう!」
モコウ「お困りのようね…。」

レイセン「え!?」
カグヤ「モコウ…!?どうしてここに!?」
モコウ「私は蓬莱の秘密を覗きに来ただけ。」
モコウ「ともかく時間が惜しいわ。じっとしてなさい。」
モコウ「鳳翼…。天翔!」

 

シーン⑥
地球軍1「妙だな…。ルナの反撃が止んだ…。」
地球軍2「司令!これを!」
司令「こいつは…!?」

マリウス「愚かな人類、地上人よ。我が名はマリウス、この月の支配者なり。」
マリウス「ようやくこの愚かな戦いに終止符を打つ時が来た。」
マリウス「畏れを忘れ、果てなき欲望に囚われた哀れな人間共よ…。」
マリウス「お前達は今日…この日…。創造主たる我々に牙を向いたことを」
マリウス「あの世で存分に後悔することになるだろう。」

地球軍2「如何致しますか?」
司令「問題ない。言わせておけ。」
司令「愚かな王だ…。」
司令「どちらに勝利の女神がついているのか、気づいておらぬようだな…。」

マリウス「何事だ!?」
カグヤ「マリウス!」
カグヤ「己の欲望に囚われているのはあなたの方よ!」
カグヤ「いくら過去を闇に葬っても…。月の光からは逃れることはできない。」
カグヤ「あなたの穢れた夢…全てここで終わりよ!」
サクヤ「覚悟しなさい!」

サクヤ「殺人ドール!」
レイセン「インビジブルフルムーン!」

レイセン「やった!?」
エイリン「いいえ…。」

マリウス「くくく…。」
マリウス「効かんぞ、それだけか?」
サクヤ「逃げ場はなかったはず!まさか…!?」
マリウス「くくく…。思った以上だ。この力…。私にこそふわさしい…!」
カグヤ「何ですって…!?」
カグヤ「マリウス…。あなた…薬を!?」
マリウス「そうだ。私はあの時…。セレーネを失った時…。誓ったのだ。」
マリウス「神をも超える力を、手に入れるとな!」
カグヤ「ふざけないで!」
カグヤ「掟を理由に、私を追放しておきながら…。」
カグヤ「そのあなたが薬を!?」
カグヤ「全て知ってて…。あの時、全て知ってて裏切ったのね!?」
マリウス「だからその償いとしてお前を再び月に迎えようと言ったのだ。」
マリウス「まあ良い。外界の方が気に入ったようじゃないか。」
マリウス「もっとも、その地球もこれでお終いだがな!」
マリウス「はーっはっはっはっは!」

マリウス「そしてこれが…。最後の一つ。」
マリウス「知っているか?これを2つ飲めば更なる力が手に入るのだ。」
エイリン「え!?」

マリウス「ふははは…。これで私は無敵だぁ…!神をも超え…」
マリウス「もう二度と何も失うまい…!」

マリウス「キナコよ…。良くここまで私に尽くしてくれたな。」
マリウス「褒美は何が良い?地位か?名誉か?」
キナコ「私の望みはただ一つ…。マリウス、あなたの死です。」
マリウス「な…に…?」

マリウス「ぐわぁぁぁ!顔がぁ…。私の顔がぁぁ!」
サクヤ「マリウスが…崩れてゆく…!?」
モコウ「どういうこと!?」
エイリン「オーバードーズよ…。」
レイセン「オーバードーズ?」
エイリン「確かに、蓬莱の薬は一度飲めば不老不死。けど…。」
エイリン「二度目の服用は強力過ぎて、体の細胞が耐えきれないの。」
エイリン「毒になるのよ。」

マリウス「ぁ…。貴様初めからそれを知って…!?」
マリウス「なぜだぁ!キナコ!私がお前に何をしたというんだぁ!」
キナコ「遥か昔、私はルナ家、あなたの月面侵略により家族も仲間も全て失った…。」
キナコ「命からがら逃げ延びた私は…。オモイカネ様に救われ…。」
キナコ「その後、助手として蓬莱の薬の開発を手伝った…。」
キナコ「でもある日突然、オモイカネ様は研究を中断し、全ての開発データを葬り去ろうとしたわ。」
キナコ「その時、私にはよく分からなかったけれど…。」
キナコ「今なら分かる!」
キナコ「そして私はそこで再び…。」
キナコ「再びあなたに家族を奪われたのよ!」

エイリン「サ…クラ…?サクラなの?」
エイリン「あなたの本当の名前…。サクラでしょ?」
レイセン「えっ!?」
エイリン「思い出したわ…。うっすらとだけど…。母の助手をしていた月の兎がいたのを…。」
エイリン「あの時は白かったから…。」
マリウス「サ…サクラだと!ばかな!お前はあの時…!」
サクラ「薬の情報を隠され、その腹いせに私達を殺し、死体を空に流した…。」
エイリン「そんなっ…!実験中の事故の話は嘘だったのね!?」
カグヤ「何て事を…」

サクラ「惜しかったわね。あの時すでに花は一度咲いていたのよ。」
サクラ「そして私は研究を完成させるため…。薬を自ら服用していた。」
サクラ「でもこれで分かったでしょう…。殺される側の気持ち…。その痛み…。」
サクラ「怖い?」

マリウス「苦しいっ…。なぜ私が…。私は神を…。超えるのだ…。」
マリウス「カグヤ…。私はお前に…。」
カグヤ「かつて私のため、過酷な難題に立ち向かってくれた地上人がいました…。」
カグヤ「その想いに比べたら、あなたなど…!足元にも及びません…!」
モコウ「カグヤ…。」

司令「終わったか…。」
司令「一気に月を落とす!全艦進撃せよ!」

 

シーン⑦
レイセン「サクラ…。これが…。これがあなたのしたかった事なの!?」
レイセン「あなたとマリウス…これじゃ何も変わりはないわ!」
サクラ「逃げ出したあなたに何が分かるの!?」
サクラ「それにまだこれは…。ただの前座に過ぎないわ。」

CPU「エリュシオン。」
CPU「マナ、パワーチャージに入ります。」
CPU「ターゲット確認。カウントダウン、スタート」
サクラ「どうしたの?」
サクラ「なんとかしないと、地球はみんな消えちゃうわよ?」

司令「貴様っ…。話が違うぞ!」
司令「我々も手駒に過ぎなかったというわけか…。」
司令「全艦隊、進路変更!エリュシオンを撃墜せよ!」

カグヤ「だめ!止まらないわ!」
モコウ「なんとかできないの!?」
レイセン「だめね。これを破壊したところで…。」
カグヤ「すでにプログラムは解除不可能…。」
レイセン「こうなったら直接エリュシオンを破壊するしかないわ!」
サクヤ「本体は月の裏、上空にあるはずです!」
カグヤ「行きましょう!」

エイリン「エリュシオンは起動しない…。そうなんでしょ?」
エイリン「薬がマナに効くなんて、聞いたことないもの。」
サクラ「やっぱり…。お母様にそっくりね。」

エイリン「でもどうする気?いずれ皆、気付くわ。」
サクラ「エリュシオンは動くわ。」
エイリン「え?」

サクラ「マナは月に宿りし命の形…。」
サクラ「それは月の兎の心の欠片…。」

サクラ「(自然の姿に戻すには…)」
サクラ「(こうするしかないのよ…)」
サクラ「(全てをマナに還す…)」
サクラ「私のこの永遠の命で…。」

レイセン「月から光が広がっていく…!」
CPU「カウントダウン、解除。ミッション即時実行モードに移行します。」
CPU「ターゲット…ルナ。」
サクヤ「え!?」
サクヤ「レーザーが…月に!?」

サクラ「レイセン…聞こえる?」
サクラ「私達はやられたら、やり返す…。憎しみの連鎖を繰り返してきたわ。」
サクラ「でもあなたは違った…。」
サクラ「自分がなんと言われようと、あなたは戦場から離れた。」
サクラ「誰も傷つけず…誰も憎まなかった。」
サクラ「それもきっと…一つの答え…。」
サクラ「だからもう…自分を責めないで。」
サクラ「平和を求めて…生きるのよ…。」

オモイカ「久しぶりね。エイリン。」
エイリン「母…さん…!?」
エイリン「この終わりなき時から開放される方法…。母さんのところへ行く道…。」
エイリン「あの兎さんが教えてくれたわ。」
オモイカ「でも…。来ないんでしょ?」
エイリン「うん…。ごめんね…。」
オモイカ「じゃあもう行きなさい。みんな、待ってるわ…。」
オモイカ「エイリン。」
オモイカ「幻想郷は…楽しい?」

カグヤ「エイリン!」
レイセン「師匠!」
エイリン「カグヤ…様…?」
エイリン「どうなったの…?」
レイセン「エリュシオンの攻撃が月に当たったんです。」
カグヤ「エイリンは薬の力で助かったのね…。でもそれ以外はきっと…」
エイリン「そうですか…。あれは…夢…。」

司令「月のリセットか…。」
司令「帰艦する。」
地球軍2「よろしいんですか…?」
司令「残りたい者は残れ。」
司令「馬鹿なやつだ…。例えどちらかが消えたところで…。」
司令「争いが絶えることなどないのに…。」

エイリン「帰りましょう。」
レイセン「どうして…。」
レイセン「どうしてですか!?私は…みんなを救いに戻ってきたのに…!」
レイセン「また私だけ…生き残ってしまった…。」
エイリン「だったらあなたも…逝ってみる!?」
エイリン「生き残った者にだって…。やるべきことはあるのよ…。」
レイセン「…はい…。」
カグヤ「さあ、帰りましょう。幻想郷へ…。」

 

エピローグ①
レミリア「サクヤー。早く仕事なさい。居なかった分、溜まってるんだから。」
サクヤ「お嬢様…。何も聞かないんですね。」
レミリア「何よ、今更。」
レミリア「私を誰だと思ってるの?」
レミリア「サクヤをこき使っていいのは私だけよ!」
レミリア「文句ある?」
サクヤ「お嬢様…。」

 

エピローグ②
マリサ「じゃあ…ルナ人も月の兎も…みんな消えちゃったのか?」
レイム「多分…ね。でも気になることはあるかな…。」
マリサ「気になること?」
レイム「うん…。」
レイム「ねえ…。感じない?」
レイム「本当に何もかも消えてしまったのなら…。」
レイム「何故月はあんなにも輝いているの?」

レイセン「はっ…!」