書き起こし/ナムサン1

Last-modified: 2016-01-10 (日) 03:44:01

聖「二人ともお待たせ ごはんよ」
ナズ「わあ これが聖の料理ですか!」
聖「ひさしぶりで自信ないけどね」
ナズ「とてもおいしそうですね ご主人様!」
星「そうですね…」
ナズ「?」
聖「さあ 冷めないうちにめしあがれ」
ナズ「いただきます!…あれ? ご主人様は食べないんですか?」
星「いえ 食べますよ だから気にせずに早くお食べなさい」
ナズ「はぁ? では遠慮無く…」
星「……美味しいですか?」
ナズ「はい とても美味しいです!」
星「そうですか! それを聞いて安心しました」
ナズ「?」
星「私もいただきます うん おいしい!」
ナズ「ご主人様 さっきから変ですよ?」
星「聖 おかわりです!」
ナズ「聞けよ」
聖「はいはい ちょっと待っててね」
(聖が立ち去る)
星「……よし、行きましたね」
ナズ「なんなんですかもう…」
星「ナズーリン 耳を貸しなさい これから話すことは口外無用に願います」
ナズ「…はあ?」
星「実は聖の料理…破滅的に不味い時があるのです」
ナズ「そうなんですか!?」
星「ええ 幸い今回は大丈夫でしたがね」
ナズ「私は毒味役ですか」
星「尊い犠牲でした」
ナズ「死んでません」
ナズ「でも大袈裟では? たかが料理が不味いだけでしょ?」
星「貴方はあの味を知らないのですよ」
ナズ「死ぬほど不味いんですか?」
星「不味くて死にます」
ナズ「死ぬの!?」
星「蓬莱人でも死ねます」
ナズ「どんな殺人料理ですか!? というか料理させちゃだめでしょう!」
聖(回想)「封印から解放してくれたお礼がしたいの」
星「…なんて言われて断れます?」
ナズ「ううっ… ならせめてハズレを見分ける方法を…」
星「食べて死んだらハズレです」
ナズ「ロシアンルーレットですか!?」
星「私も未だに見分けがつきませんからね」
星「昔 人間達に振る舞って 村ごと壊滅させたのはいい思い出です」
ナズ「イヤすぎるよそんな思い出! マジでどんな料理ですか…」
ナズ「というか寅丸様もお詳しいですね そこまでご存知とは」
星「そりゃ 私も一緒に作りましたからね」
ナズ「へ?」
星「というか 私が手伝う日に限って食卓が修羅場るんですよ」
ナズ「…はい?」
星「本当に不思議なことです」
ナズ「つまり寅丸様が手伝う日以外は普通だと?」
星「ええ よく分かりましたね」
ナズ「…………」
星「?」
ナズ「ご主人様はもう金輪際台所に立たないでください」
星「えぇ! なぜですか!?」
ナズ「あえて言うなら世界平和のためです」
星「どんだけ!?」
ナズ「いや ほら ご主人様は何かとお忙しい身ですし」
ナズ「それに私もご主人様の役にもっと役立ちたいなって…」
星「! ナズーリン こんな私のためにそこまで…」
星「分かりました 潔く身を引きましょう!」
ナズ(ちょろいなぁ…)
星「そして私は今日の料理で引退します」
ナズ「はいはい そうしてくだ……今なんと?」
星「だから今日の料理で引退と…」
ナズ「もしかしてこの料理はご主人様も!?」
星「はい 正直不安でしたが安心しました」
ナズ「……」
星「ちなみにそれ自信作ですよ?」
ナズ「ぬ、ぬかった…」
星「あれ? どうかしたのですかナズーリン?」
星「おーい ナズーリーン?」
END