書き起こし/教えてらんしゃま

Last-modified: 2016-07-22 (金) 02:38:38

一同「教えて、らんしゃま~!」

 

橙「藍様藍様~!」
藍「どうしたんだい?橙。」
橙「今回のお話で、よくわからなかったことが有るんですけど…。
紫様の境界とか、『博麗大結界』って何なんですか?」
藍「そうか、橙には教えていなかったね。」
橙「はい、すみませんっ、よくわかんないです。」
藍「気にすることはないさ。橙は教えたことはちゃんと覚えているだろう?
よしっ、じゃあ今から教えてあげようね。」
橙「はい!」

 

藍「いいかい?幻想郷は大きな二つの結界で区切られている。一つは、今橙が言った、『博麗大結界』。
そして、もう一つが『幻と実体の境界』という、これが紫様の境界だ。」
橙「はい。名前は知ってます。」
藍「今の幻想郷はこの二つの結界によって区切られることで、幻想郷たらしめている。」
橙「幻想郷は、私達が住んでいるここの事ですね。区切るってどういうことですか?」
藍「我々の住んでいる幻想郷は、日本と地続きになっている。
従って、外の世界と幻想郷の関係というのは、岡崎夢美が居た世界の様に異次元、
パラレルワールドという訳ではないんだ。」
橙「じゃぁ、ここからでも歩いて外へ行けちゃうって事になりませんか?」
藍「そうだね。そうならないためにも、結界が役に立っているんだ。」
橙「なるほどです。」
藍「さて、そうは言ったが、紫様の結界、『幻と実体の境界』、これは五百年程前に作られ、
外にあるものを幻想郷に引き入れる作用を持つんだ。」
橙「あれっ?それっておかしいんじゃないんですか?外から人が来ちゃうってことですよね。」
藍「うん、その通りだ。橙は賢いね。人外の巣窟である幻想郷は、
かつて人間達に魔境と恐れられ、立ち入る者も居なかった。」
橙「そうなんですか~。」
藍「だが、妖かしへの恐怖が薄れた現代の人間は、妖怪の存在を知覚しても、
むしろ興味から喜んで幻想郷に立ち入ってしまうだろう。」
橙「えっ、それじゃぁダメじゃないんですか?あれっ?それに外から来る人って居ないですよね。」
藍「あまりね…。少し話の順番が複雑になってしまったね。まぁ、それについては順を追って話そう。
まずは、『幻と実体の境界』について教えるよ。」
橙「はいっ!」

 

藍「『幻と実体の境界』に、外のものを幻想郷に引き入れる作用が有るのは先ほど言ったとおりだ。
これを、『幻想入り』と呼んでいる。」
橙「『幻想入り』は知ってます。紫様の結界がやってたことなんですね。」
藍「だがもちろん、無条件に全てのものが『幻想入り』するわけではない。」
橙「何でもかんでも『幻想入り』したら、大変ですもんね~。」
藍「うん。そして、『幻想入り』する対象には目的が有る。
幻想郷の内側を幻の世界とするために位置付けられるものが、結界の作用で幻想郷にやってくるんだ。」
橙「えっと、だんだん難しくなってきました。」
藍「ごめんごめん。じゃあ簡単に言うよ。『幻想入り』する対象は、外で忘れられた、
あるいは、力をなくした妖怪や動物、他には建築物、道具などだ。」
橙「ふむふむ。あれっ?人間は居ないんですか?」
藍「人間は幻想とは真逆の存在だからね。」
橙「でも、里には一杯人が居ますよ?」
藍「彼らは幻想郷に取り残された人間の子孫たちだ。基本的に人間は『幻想入り』する事出来ないんだ。」
橙「なるほど…。」

 

藍「まとめると、『幻と実体の境界』は、『幻想入り』を実行している一種の装置と言えるね。
ここまでは良いかな?」
橙「えっとぉ…、はいっ!大丈夫です。」
藍「よしっ!では次に、『博麗大結界』について話そう。」
橙「はいっ!」
藍「いい返事だ。花丸をあげようね。」
橙「わ~い!」

 

藍「『博麗大結界』は、百年程前に作られた結界だ。
この結界の主な目的は、外と幻想郷を論理的に分断することに有る。」
橙「論理的に、ですか?」
藍「そう。幻想郷の中は、非常識のガワに置き、外の常識が侵入できないようになってるんだ。」
橙「むっ、難しいです…。」
藍「そうだね。幻想郷への侵入を防ぐための、強力な結界だと思えばいいよ。」
橙「はいっ!それなら分かります!」
藍「さっき言いかけた、現代の人間による幻想郷への侵入はこの結界で防いでいるんだ。」
橙「はい…。」
藍「厳密に言うと、人間の侵入だけを防ぐわけではないんだが、その説明をすると少し長くなる。
細かい話は、またいずれにしようね。」
橙「はい!」

 

藍「さて、この結界は代々、博麗の巫女によって管理されている。」
橙「霊夢のことですね。」
藍「因みに、博麗霊夢はこの、『博麗結界』の小型バージョンをスペルとして用いることができる。」
橙「す、凄いですぅ…!」
藍「でも、霊夢は修行が足りないので、すぐに消えてしまうんだそうだ。」
橙「それでも凄いですよ~!」

 

藍「さて、まとめよう。幻想郷は、『幻と実体の境界』、『博麗大結界』、
この二つの結界によって区切られ、幻想郷たらしめている。
『幻と実体の境界』、それによって『幻想入り』がなされ、
『博麗大結界』によって、外からの侵入が防がれている。」
橙「…えっとぉ…。はいっ!覚えました!」

 

藍「よし!いい子だ。先程も言った様に、今の説明はかいつまんでしているので、
厳密な内容はいずれまた教えよう。」
橙「はい、よろしくお願いします!」