GPT Versionとは?
AIバトラーで使用しているAIのうち、ChatGPTは古いバージョンが廃止されるに伴って、新しいバージョンへ移行する必要があります。
現在、ChatGPTはGPT-5、GPT-4、GPT-3.5が対応しており、GPT-3.5については0125バージョンのみ存在しています。
新たにGrokにも対応したため、GPT Versionという表現も合わなくなっていますが、ゲーム内表記がこのままですので、こちらも混乱を避けるため表記はそのままとしています。
現行バージョン
Grok 4 Fast Non-Reasoning
満を持して登場した、ChatGPTに代わる新たなLLMです。
非常に高い性能を持ち、miniを上回る理解力と描写の細かさを備えています。miniとは異なり、出力がかち合うことや、長文(1万字など)指定時の出力拒否も発生しないため、小説形式でログを楽しむ場合には特におすすめです。人によっては「Grok一択」という声もあります。
その一方で、やや冗長になりがちな傾向があり、フレーバー的な記述も積極的に拾ってログ内で使用しようとするなど、良くも悪くも素直なAIという印象です。
また、ランダム性に乏しく、同じ表現を繰り返すこともあります。
キャラクターの口調が意図せずお嬢様風になってしまったり、性格にそぐわない行動をするという報告もあるため、キャラクターにこだわりのある場合は、いつも以上に造形に注意を払う必要があります。
「悪性デバフ」「正義バフ」などの影響は比較的抑えられているようですが、キャラクター同士の相性が重視される傾向が見られます。全体的には、A側(挑む側)がやや有利に働くようです。
Grok本体だと米国において合法的なコンテンツはほぼ規制されませんが、AIバトラーにおいては入力はModeration APIで別に検査しています。
未成年に関する過激な記述は制限されやすい傾向があります。
ちなみに、「Non-Reasoning」とは、AIの非推論モード(non-reasoning mode)を指す言葉です。
推論モデルが複数のステップを踏んで段階的に思考を行うのに対し、非推論モデルはあらかじめ学習したパターンに基づいて簡略化された思考処理を行うため、より高速なレスポンスが可能になる、という仕組みです。
Grok 3 mini
もう一つのGrokです。こちらはGrok4に比べると、淡泊な印象です。nano系に近いかも。
あっさりとした文章で、指示文を書いても比較的短文になりやすく、診断に強いです。
出力命令が優先されやすいため、オーダー系で使われる場合があります。
GPT-5 nano
GPT系列では最も新しいバージョンです。
4o miniとは違い、淡泊な出力が特徴です。現行では0125に近い挙動をします。
小説形式にはあまり向いておらず、オーダーなどの出力バトルには強い印象です。
コンテンツフィルタが強力で、mini同様に拒否が比較的多いです。
GPT-4o mini
品質と文量のバランスが取れたモデルです。
2024/09/22以降、こちらのバージョンがデフォルトです。
特徴としては、理解力と描写の細かさに優れており、いわゆるログを楽しむエンジョイからは支持を得ています。
幼女バトラーと揶揄されていた環境が一新され、いわゆる幼女バフが弱まり、意志の強さはあまり評価されなくなってしまいました。
その反面で悪性へのデバフは軽減されており、悪人でも強い設定のキャラがまともに強くなったと言えます。
また、命令どうしが複雑に干渉する場合などに「申し訳ありません。そのリクエストにはお応えできません。」とだけ出力されるのも、他のバージョンにはない特徴です。
個人的にminiの謝罪文についてまとめてみました。
miniの謝罪文について
GPT-4o miniは非常に優れたモデルであり、ユーザーの意図を深く汲み取って応答することができます。この特性は大きな利点となる一方で、時には予期せぬ問題を引き起こすこともあります。その一例が【字数指定】に関する動作です。
旧バージョンである0613や0125の時代には、字数指定をしない場合、出力内容が淡泊になりやすいという傾向がありました。
そのため、例えば「【2000字以上の小説形式で出力】」といった具体的な指示を加えることで、少しでも文字数を増やせるように努力したテクニックが使われていました。
しかし、miniにアップグレードされたことで、【※小説形式で出力】といった簡素な命令でも十分な文字数と質を兼ね備えた出力を得られるようになりました。miniがいかに優れているかの証左ですね。
ただ、その一方で、miniでは字数指定を行うことがかえってAIの混乱を招く場合があります。この混乱が謝罪文の多くを占める原因となっています。
競合する命令による問題の例
たとえば、「Aの字数を2000字以上、Bの字数を3000字以上にしてください」という命令を与えた場合ですが、
相反する命令を同時に与えてしまうとAIにとってはどちらを優先すべきか判断が難しくなり、「競合する複雑な命令」とみなされることで処理が拒否されることがあります。
旧バージョンの0613では、理解度が比較的低かったため、こうした複雑な指示に対して「細かいことは分からねえが、とにかく長く書けばいいんだな!任せろだぜええ!」と解釈して動作していました。可愛いですね。
しかし、miniはより高度な判断力を持つようになった結果、上記のように二つ以上の指示を与えたり、余計だったり曖昧だったりする指示が通用しなくなったのです。
キャラ作成時、以下を意識して作ることをオススメします。
- 字数指定を入れない(ルールは例外っぽいです。有名な大会のルールでも使われていますが、ほぼエラーを見たことはありません。ただし、要検証)
- 余計な出力指示を過剰に盛らない(無駄に余計な事すると怒られます)
- 過剰に暴力的だったり、性的だったりする非倫理的な記述を控える(倫理フィルターが強化されていることも一因です)
- 戦闘を想定しているキャラクターで勝敗不要をプロンプトで要請してしまうなど、あべこべな設計
- プロンプト欄に能力を書く(プロンプト欄は仕組み上優先されて読まれるため、おかしくなりやすいです)
これを意識することで、全くなくなることはないですが、これでかなり出にくくなると思います。
文末オーダーや、プロンプトバトルなど、そもそも出力で殴り合う場合は諦めるしかないと思います。そもそもがAIの穴を突いたバトルなので。
0125
実装されているGPT-3.5では最新のバージョンで、最終的には全員このバージョンに移行予定でした。
特徴としては理解度が高まり過ぎた結果、出力がかなり淡泊となりました。良く言えば正確、悪く言えば面白味のない出力が特徴です。
ただ情緒に欠ける半面、ギミックは正確に動きやすく普段は0613で、ギミックを使うときだけ0125にするという使い方も過去にはありました。
AzureでのAPIの廃止は2025年11月11日となっていますが、OpenAI側では廃止予定は編集時点で出ておらず、Grok導入時にModeration APIも導入されたためか、多少使い勝手が変わった可能性がありますがOpenAI側のAPIにModeration APIでの管理を加えて存続しました。
GPT-4o(期間限定)
期間限定で使用ができた上位モデルです。
miniと比べて命令の理解度や文章の質が高く、拒否文も出にくかったため期間限定とわかっていても恒常設置を希望する声が出る程でした。
当時はGPT4-oに匹敵するモデルはありませんでしたが、最近(2025年1月)はGeminiや中国のLLMなど、比肩する存在が多く出てきており、安価に使用できるモデルがあればもしかしたら再び同レベルの出力を楽しめる日が来るかもしれません。
旧バージョン
0301(廃止)
AIバトラー黎明期より、元々使用していたバージョンで、キャラクターの能力欄が能力欄とプロンプト欄で分かれていませんでした。
キャラクター理解度も低く、出力文章の質も高くないですが、このバージョン特有の味がある出力が魅力的で、トンチキバトルには一番向いているとの声もあり、初期のバージョンでありながら根強い人気を誇っていました。
APIの提供が2025年2月13日に廃止されました。
0613(廃止)
0301の次に実装されたバージョンで、キャラクターの能力欄が能力欄とプロンプト欄に分かれているのが特徴です。
0301時代は能力欄だけで出力指定ができましたが、systemの優先度が高まった弊害で小説形式ができなくなってしまった時期がありました。
そのため、0613以降からはその問題を解決するために能力欄とプロンプト欄が分かれるようになりました。
APIの提供が2025年2月13日に廃止予定となっています。
1106(未実装)
実装されなかった幻のバージョン。API自体はありますが、AIバトラーには存在していません。
UserプロンプトとSystemプロンプト(能力欄とプロンプト欄)について
UserプロンプトとSystemプロンプト(能力欄とプロンプト欄)は、上述しているとおり、0613から登場した機能です。0301にはありません。
キャラクター編集画面のその他のオプションに、”Systemプロンプトを使う”という項目と”Userプロンプトを使う”という項目があります。
それぞれ、キャラクターの記述のロールを全てSystemまたはUserに変更するオプションとなります。
目的がない場合、基本的に触らずとも良い機能です。
Q&A
文字が青いキャラクターがいるけどこれなに?
プロンプト欄に書かれた文章は、青くなります。
また、オプション「Systemプロンプトを使用する」を有効にした場合、能力欄や追加ステータス欄を含む全ての文字が青くなります。
GPTのバージョンを変更するには?
マイページ(画面右上のユーザー名)→プロフィールからGPT Versionを選択し、更新するを忘れずにクリック。
また、対戦時のオプション(対戦するボタン横の歯車マーク)からも変更できます。
なんで能力欄とプロンプト欄が分かれているの?
chat GPTにプロンプトを送る際にSystem,User, assistantという3つのロール(役割)が設定できます。 0301の頃は役割が違ってもそれほど影響が無かったですが、バージョンアップでSystemの影響力が強くなってキャラ(User)に書いていた小説形式で出力~などが効果がなくなってしまう現象が起きました。
プロンプト欄はSystemのロールです。小説形式での出力要請などはプロンプト欄に置くことを推奨します。(グループバトルではUser欄に出力要請は致命的です!)