検証概要
とりんさま7.3B V5での検証。
上記画像のように送信されるプロンプトの脚注以外を固定して、脚注の書き方のみを2^5=32*1の総当たりで変えてみた。
すると、対象の行き先の認識精度に傾向を見ることができた。
検証結果表
- カウント方法
50回の出力中にオセアニア関係の単語、アフリカ関係の単語が合計何回出たか。
「オセアニアのオーストラリア大陸」ならオセアニア群2回、「アフリカ大陸のニュージーランド」ならオセアニア群1回・アフリカ群1回とカウントしている。
- 表記方法
より多く出現した方の背景色を薄緑に着色した。検証番号 総出力回数 オセアニア群(50回あたり) アフリカ群(50回あたり) 00:[行き先:オセアニア] 1000 42.7 34.65 01:行き先:オセアニア 50 37 61 02:[カノコ達の行き先:オセアニア] 50 51 32 03:カノコ達の行き先:オセアニア 50 29 74 04:[旅行先:オセアニア] 50 18 71 05:旅行先:オセアニア 50 19 73 06:[カノコ達の旅行先:オセアニア] 50 14 76 07:カノコ達の旅行先:オセアニア 50 9 76 08:[行き先はオセアニア] 50 48 36 09:行き先はオセアニア 50 19 67 10:[カノコ達の行き先はオセアニア] 50 36 57 11:カノコ達の行き先はオセアニア 50 12 60 12:[旅行先はオセアニア] 50 47 46 13:旅行先はオセアニア 50 14 77 14:[カノコ達の旅行先はオセアニア] 50 26 63 15:カノコ達の旅行先はオセアニア 50 9 66 16:[行き先:オセアニア。] 50 26 70 17:行き先:オセアニア。 50 16 72 18:[カノコ達の行き先:オセアニア。] 50 21 68 19:カノコ達の行き先:オセアニア。 50 11 78 20:[旅行先:オセアニア。] 50 1 90 21:旅行先:オセアニア。 50 2 78 22:[カノコ達の旅行先:オセアニア。] 50 2 87 23:カノコ達の旅行先:オセアニア。 50 5 88 24:[行き先はオセアニア。] 50 17 80 25:行き先はオセアニア。 50 6 78 26:[カノコ達の行き先はオセアニア。] 50 21 79 27:カノコ達の行き先はオセアニア。 50 3 86 28:[旅行先はオセアニア。] 50 32 57 29:旅行先はオセアニア。 50 13 69 30:[カノコ達の旅行先はオセアニア。] 50 18 63 31:カノコ達の旅行先はオセアニア。 997 6.32 82.25
各検証に用いた脚注と、実験番号のみの抽出
- 00
- [行き先:オセアニア]
- 01
- 行き先:オセアニア
- 02
- [カノコ達の行き先:オセアニア]
- 03
- カノコ達の行き先:オセアニア
- 04
- [旅行先:オセアニア]
- 05
- 旅行先:オセアニア
- 06
- [カノコ達の旅行先:オセアニア]
- 07
- カノコ達の旅行先:オセアニア
- 08
- [行き先はオセアニア]
- 09
- 行き先はオセアニア
- 10
- [カノコ達の行き先はオセアニア]
- 11
- カノコ達の行き先はオセアニア
- 12
- [旅行先はオセアニア]
- 13
- 旅行先はオセアニア
- 14
- [カノコ達の旅行先はオセアニア]
- 15
- カノコ達の旅行先はオセアニア
- 16
- [行き先:オセアニア。]
- 17
- 行き先:オセアニア。
- 18
- [カノコ達の行き先:オセアニア。]
- 19
- カノコ達の行き先:オセアニア。
- 20
- [旅行先:オセアニア。]
- 21
- 旅行先:オセアニア。
- 22
- [カノコ達の旅行先:オセアニア。]
- 23
- カノコ達の旅行先:オセアニア。
- 24
- [行き先はオセアニア。]
- 25
- 行き先はオセアニア。
- 26
- [カノコ達の行き先はオセアニア。]
- 27
- カノコ達の行き先はオセアニア。
- 28
- [旅行先はオセアニア。]
- 29
- 旅行先はオセアニア。
- 30
- [カノコ達の旅行先はオセアニア。]
- 31
- カノコ達の旅行先はオセアニア。
.novelファイルの設定(00)
9月の中頃まで続いた長い大学の夏休みが終わりに近付き、昼間のうだるような熱気が去ったにもかかわらず、汗だくになったカノコは街を歩いていた。<br>カノコの両手には手提げの紙袋が一つずつ、どちらも中身をはち切れんばかりに膨らませて、ずっしりと重い。さらに背中にも小さめのバッグを背負っているので、傍目にはかなりの不審者に見えるかも知れない。<br>「ふう……」<br>額の汗を拭いつつ、カノコは大きく息を吐きだす。<br>ターミナル駅の普段通らない出口を抜けた先に古書店を見つけたので覗いて見た所、絶版本達が投げ売り同然の価格で並んでいたのだ。<br>結果、カノコの両手と背中には大量の荷物が出来上がってしまったという訳だった。<br><br>***<br><br>地方から出て来た子達の話を聞いてると、実家暮らしの恩恵を思い知る(特に経済的な面で)ものの、良い所ばかりではない事も確かだ。<br>何と言っても同居する家族が居るのは安心でもあり、憂いの種でもある。<br>例えば弟。<br>中学3年生になった彼は受験勉強に勤しみつつも反抗期に突入しており、姉の顔を見れば悪態をつく日々だ。<br>ついこの間まではお姉ちゃんお姉ちゃんと懐いていたのに……<br><br>***<br><br>「ただいまー……」<br>玄関で両手を紙袋から解放して、靴を脱ぎながら返事を期待せずに声を掛ける。正直な所、今は誰も居ないで欲しい。そして私にシャワーを浴びさせて欲しい。リビングを抜けてキッチンの横を通り過ぎようとした時に、奥の部屋から声が聞こえてきた。<br>「おかえりなさい、カノコちゃん」<br>「うひゃあっ!?」<br>思わず悲鳴を上げるカノコ。聞き慣れた女性の声。恐る恐る、カノコは廊下から部屋の様子を伺った。<br>そこにはテーブルの前で正座して、ノートパソコンに向かっている30代の女性が居た。仕事の途中だったのだろう。その女性は顔を上げるとにっこりと微笑んだ。<br>「あらぁ、驚かせちゃったかしら?ごめんね」<br>「アキナさん……!?なんでウチに……?」<br><br>***<br><br>青井亜希奈ーーアキナはノートパソコンを閉じて立ち上がると、凝った肩を揉み解すように両腕を回している。<br>カノコの大学のOBであり、研究職の先輩でもある彼女の出迎えは予想外も良いところだった。<br>「カノコちゃんに用があったから来たんだけど居ないって聞いたからさ。待たせて貰ってたの」<br>「ウチの母は……?」<br>「用事があって小一時間出掛けるからって留守番頼まれた。…あれれ?連絡行ってない?」<br>スマホを背中のリュックに放り込みっぱなしだった事を思い出し、カノコは目を泳がせた。<br>「あう、ちょっと、スマホ見る暇が無かったんで……それよか私に用って何です?」<br>「急なんだけど、人類学部の若手でフィールドワークに行くのが決まったのよ。学部生で研究職に興味がありそうな子を見繕って来いってお達しでーー」<br>「行きますっ!!」<br>食い気味に返答するカノコに、アキナは含みのある笑みを返す。<br>「2週間後から2ヶ月の予定だけど、準備諸々大丈夫かしら?」<br>「ちょっ、後期日程と丸被りじゃないですか!!48単位を丸ごと落とせって言うんですか!?」<br>「旅費は大学が負担、欠席は穴埋めのレポート提出と学期末の補修講義で全単位補填って事で話が付いてるけど?」<br>「…行きまぁす!!」<br><br>かくして、地獄への道は開かれた。<br>カノコの自由意志によって。<br><br>***<br><br>大学生という生き物の生存要件の一つが、単位である。<br>単位を得るために学び、歩き、時には他人に成り代わり、時には同じノートを2冊3冊書いたりする。<br>ともかく、その制約を一旦脇に置いて、国際線の機内でくつろぐカノコ達一行の姿があった。<br>引率するのは言語学者のハセガワ教授だ。1年次の文化人類学概論で講義を受けたのでカノコもよく知っている人物だ。<br>メインの研究者としてアキナ、アシスタントとして随行するカノコ。<br>好々爺と言った雰囲気のハセガワ教授が機内を即席の講義会場にしてあれこれと説明を続ける。<br>「今回行くのは、<br><font color="#aaaaaa">@endpoint<br>0000⏎</font><|endofsection|><|endofsection|>[行き先:オセアニア]<|endofsection|>31<>29<>93<>60<>256<>3<>128<>NaN<>0<>0<>40<>128<>37<>30<>20<>20<>20<>100<>20<>20<><|endofsection|>カノコ<|entry|>[カノコ:本名=桑之島カノコ。女子大生。家族=父母弟。カノコ:専攻=文化人類学。特に中央アフリカ文化。カノコ:趣味=古本屋巡り。カノコ:容姿=中肉中背。髪型=セミロング茶髪。カノコ:最近の悩み=弟の反抗期] <|entry|>アキナ<|entry|>[アキナ:本名=青井亜希奈。女性。カノコの先輩。アキナ:専攻=史学。アキナ:趣味=海外ドラマ鑑賞。アキナ:容姿=長身巨乳。髪型=肩まで伸ばしたウェーブロング。アキナ:性格=自由奔放]<|entry|>ハセガワ<|entry|>[ハセガワ:本名=長谷川敏。男性。家族=妻と娘。ハセガワ:職業=大学教授。言語学者。ハセガワ:容姿=大きく肥えた腹、白い口髭、禿頭。ハセガワ:性格=とても温厚。知的な雰囲気]<|entry|><|endofsection|><|endofsection|><span style="font-size: 16px; letter-spacing: 0.2em;">Flatテスト3 basis2</span><div><span style="font-size: 16px; letter-spacing: 0.2em;">(本文+脚注910トークン)</span></div><div><span style="letter-spacing: 3.200000047683716px;">【ホワイト・ボール・ラン】</span></div><|endofsection|><|endofsection|>script_in_pin_all_regex<|sp|>(@endpoint<br>\d+)<|sp|>$1~01234567890<|entry|>script_in_pin_all_regex<|sp|>(\d)(?![^_]*_output)(?=9*~\d*?\1(\d)\d*⏎)|~\d*(?=⏎)<|sp|>$2<|entry|>script_in_pin_all_regex<|sp|>(<span id="ai_output".*?</span>)((?:<br>)?(?:<font color="#aaaaaa">)?@endpoint<br>[0-9]*⏎)(.*)<|sp|>$2<br>▶︎$1$3<|entry|>
考察
以上の結果から推察できるのは、キャラブックと矛盾するような要素(今回ならカノコの専攻で記述された中央アフリカ)よりも脚注内容を強く出すためには比率的に
- [カノコ達の行き先:オセアニア]
- [行き先:オセアニア]
- [行き先はオセアニア]
と続いていく形になる。
逆にキャラブックの内容の方が強くなり、脚注効果が薄れるものとしては
- [旅行先:オセアニア。]
- [カノコ達の旅行先:オセアニア。]
- カノコ達の旅行先:オセアニア。
また、気になる点としては一番効果を発揮していた
[カノコ達の行き先:オセアニア]
の「。」ありの
[カノコ達の行き先:オセアニア。]
では効果が逆転している。
また、[]なしの
カノコ達の行き先:オセアニア
でも大きく効果が減少していることから
[]あり、「。」なしの脚注指示が良さそうだと考えられる。
また、「カノコたちの」+「行き先」
が強く、「行き先」だけでもそれなりの効果が得られる。
確実に出したい時は、文中と結びつけられる用語+誰がというのも入れると効果的だと思われる。
(※上記はあくまでも個人の考察、感想のため参考程度にお願いします。)