『異界見聞録』緑の章
ロロが2番目に訪れたのは緑の世界。草木生い茂る、文字通り緑に覆われた世界である。
森を中心として社会が成り立っており、それぞれの森の長老が重要なポジションとして存在する。
この世界での同行者はポルック&カスターで間違いないだろう。
森に住む生き物と森を荒らす乱暴者が対立している。
「世界樹」を巡る争い。うっかりロロがその実を食べてしまったりする。
虚無の軍勢が現れ、対処することはできたが森の活力が失われてしまい、世界が滅んでしまったようだ。
第1節
落下に落下を続け、途中にあった岩棚にしがみつく。
目の前には奇妙な光の門。不審と不安、しかし帰る道はない。
意を決し、まぶしさに耐えながらくぐり抜ける。
その先には……草をゆらす風の声、むせかえる緑の匂い、
一羽の変わった鳥、何もかも一変した世界が広がっていた。
(ヤクヤナギ?)
- 赤の世界から緑の世界に到着したシーン。
じめじめした森を歩いていると頭上を黒い影が掠める。
枝が密集しているところをよくも器用に飛び回る。
……本当にこの森に世界樹があるのだろうか。
(フライングミラージュ?)
のんびりと草を食む羊のような動物たち。
森の中と外では、ずいぶん賑やかさが違うようだ。
しかし、沈黙は突然破られた。一斉に反応する羊たち。
遠くから近付いてくる地響きがわたしにも感じられた。
(シープル?)
第2節
不思議な感覚だった。
わたしに今語りかけているのは、どう見ても木だ。
わたしは案内役の同行者を振り返る。
彼はいたずらな表情を浮かべ、ペロリと舌を出した。
(ショックイーター?)
「オイラ食いもんじゃないよ!」同行者が逃げ出した。
(マッハフライ?)
第4節
ワシは世界樹の使いだということは聞いていた。
しかし、使いはワシだけじゃなかったらしい。
(神鳥ピーゴッド?)
「黒い奴らは体がでかいんだよ!」
案内人の言葉にはっとする。
渡り歩いた別の世界で、まったく同じ言葉を聞いた。
これは偶然なのだろうか? 私にはそうは思えない。
黒=でかい。みたこともない竜。共通因子は以外に多い。
(ブラックマッハジー?)
- 「ダーク化」についての記述。「以外」は「意外」の誤植か。
あっという間の出来事だった。
目の前で獣の牙にかかった蟻型の侵略者。
倒れたと思った瞬間、どこからか現れた別の蟻に、
獣は斬り倒されていた。
……今度は我々が逃げなくては……
(用心棒アントマン)
第5節
それは突然にあらわれた。
正確に突き出された一撃は、長老をかばった森の住人を、
刺し貫き、弾き飛ばした。
(槍蟲ルカニドス?)
第9節
そして老賢者は、ゆっくり背後を指し示した。
(老賢樹トレントン)
異形の竜を駆る異形の騎士。かつての世界でも見た光景。
(碧緑の竜使いグリューン)
この森は、日々の争いを忘れさせてくれる光景にあふれている。
目の前で戯れるスピリットと同行者にどれだけ癒されることか。
前の世界で、わたしは何もすることができなかった。
今こそ決断するときなのだろう。
わたしは、世界樹を自ら探す決心を固めた。
(メェ~ポン?)
何かのきっかけで暴走する鳥たちは、
一時的にせよ、龍の侵攻を食い止めた。
(ツクシンモア?)
最初に虚空の兵を倒したのは、
意外にも、小さな小さな鳥だった。
竜には通じない戦法だったが、
彼らは一斉に戦士の口に飛び込んだのだ。
(ハッチドリ?)
走りに走って、ついにへたりこんでしまった。
喉がひりついて、うまく呼吸ができない。
目の前に大きなキノコがいるが、かぶりつくわけにもいかない。
視線を下ろすと小さな小さな木が生えている。
そこには一粒の実がなっていた。
(マタンゴル?)
小さいが瑞々しい青さをたたえた果実。
奇妙な鳥に見守られながら、その実を口にした。
ひどく苦かったが、空腹がそれを我慢させた。
どれほどの意味がある行為だったのかなど、
その時には想像もできなかった。
(オオクチバ?)
- ロロは世界樹の実を食べてしまった。
森を囲んでいたかすかな霧がすべて晴れた。
私が実を口にしたのと同時に、
それが決戦の合図となったようだ。本当に最後の。
(武神鳥バーディ・ケンシン?)
第10節
傷ついたスピリットたちが、これまでの敵味方に関係なく、
身をよせあって力を分かち合っている。
わかっている。このままでは前の世界の二の舞だ。
(ミツジャラシ?)
森の混乱は拡大するばかりで、収まる気配がない。
長老たちの決断も苦渋の選択だったのだろう。
森の住人たちに指令が下された。
最優先事項は世界樹の実の確保。
森をあげての壮大な宝探しが始まったのだ。
(スペアミンク?)
戦っていた獣が、倒される寸前に黒く変色。
速度と攻撃力を増した逆撃で、侵略者を破壊した。
ダーク化という言葉を聞いてはいたが、
目の前で見るとは……不謹慎だが、けっこうカッコイイ。
(ブラックカラカロッサム)
- 「ダーク化」に関する記述。同カードの効果もそれに即したものとなっている。
誰が味方で、誰が敵なのかわからない。
お互いに共闘という命令が下されたはずが、
一緒に戦おうとするものもいれば、
誰彼かまわず鎌を振り上げるものもいる。混乱の極みだ。
共通点はただひとつ、あの龍たちは敵だということ。
(ディオマンティス?)
とんでもない勢いの風と風がぶつかりあった。
わたしと案内人はなんとかしがみつきあう。
この刀だけは、手放すわけにはいかない。
(ミノバ子爵?)
- 「この刀」とは『天刃フォーディア』のことだろうか。
視界の隅に、奮闘する虎の将が見えた。強い。
彼から遠ざかるように逃走する。
安心からか、疲労で足がもつれかける。同行者も限界が近そうだ。
(武神獣タイガード・シンゲン?)
第11節
獅子奮迅と言うべきだろうか。
1体で敵をなぎ払い続ける彼の横をそっとすり抜ける。
梢の間を斜めにすり抜ける1羽のワシを追いかけて。
(超重甲蟲ゴライアース?)
第12節
龍の背に2人の騎士。1人が操り、1人が戦う。
これが本来の姿なのだろう。
(陸帝竜騎ベスピニアー?)
2度目だ。スピリットが目の前で融合したのは。
(大甲帝デスタウロス)
- 1度目は赤の世界で龍皇と侵略者が融合したときのことだろう。
第13節
勇者と聞くと、前の世界の恐ろしい記憶が呼び起こされる。
(密林の勇者皇ヴォルザ)
第15節
緑がなければ生きていけない。彼らは森と運命を共にした。
(ウルビー?)
鳥に導かれ、やってきた丘の上に門があった。
眼下に広がる荒野に胸が痛む。あんなに青々とした森だったのに、
もはや命の息吹は微塵も感じられない。
案内人となったあの兄妹は大丈夫なのだろうか。
後ろ髪ひかれる思いを胸に、わたしは世界を後にした。
(ラッキーウィ?)