概要
重く頑丈な武器。もともとは拳銃用弾薬を使用する歩兵用軽機関銃として開発された。
BR・Tier
項目 | 数値 |
---|---|
Tier | 4 |
BR | III |
モスクワ | ノルマンディー | ベルリン | チュニジア | スターリングラード |
- | 〇 | - | - | - |
距離毎ダメージ減衰率
項目 | 改修前⇒改修後 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
距離(m) | 10 | 100 | 150 | 200 | 300 | 1500 |
打撃力 | 5.7⇒6.8 | 3.3⇒4.0 | 2.8⇒3.4 | 2.7⇒3.2 | 2.5⇒3.0 | |
貫徹力(mm) | 1.0⇒1.0 | 0.1⇒0.1 |
性能
項目 | 初期値⇒最大値 |
口径(mm) | 9.00 |
---|---|
打撃力 | 5.7⇒6.8 |
銃口初速(距離/秒) | 400⇒400 / sec |
発射速度(発射数/分) | 600-660⇒690-760 / min |
リロード時間 (秒) | 2.8⇒2.5 |
垂直反動 | 23⇒21 |
水平反動 | 10⇒9 |
供給システム*1 | 30発弾倉 |
重量(kg) | 4.8 |
弾倉質量(g) | 11.2 |
射撃方法 | オート/ セミオート |
解説
特徴
歩兵用機関銃として開発されていたこともあってか、先端にバイポットが付いている。
【火力】
近距離から遠距離への打撃力減衰も含めて一発当たりのダメージ量は短機関銃として標準的なものとなっている。バイポットが付いているため地面や遮蔽物にマウントした場合は非常に安定した射撃を行うことができる。本銃を使う上では発射速度は最大強化で690~760/分と他の機関銃と比べてやや高めとなっていること、リロード時間が最大強化しても2.5sと若干長いことに注意をする必要があるだろう。
連射速度は高めではあるが一発当たりは標準的なダメージ量しか与えられないため、近距離戦をしたとしても1マガジンで3人程度しか倒せない。拠点制圧の為に無理に距離を詰めれば、若干早い発射速度で直ぐに弾切れを起こした挙句若干長いリロード時間によって返り討ちに逢うことが多々あるため、自ら突入していくというよりは、拠点の入り口等の相手が近中距離の射線入ってきてくれるような場所に本銃をマウントして待ち伏せしたり、味方の突入を支援する様な立ち回りをすると生き残りながら成果を上げることができるだろう。
【適正距離】
近中距離が推奨。
バイポットを使用した時は非常に安定性のある射撃をする事ができることから遠距離射撃もできそうなものではあるが、あくまでも本銃はピストル弾を使用している短機関銃であるため弾速があまり速くない上に打撃力減衰と短機関銃特有の拡散範囲が重なることで遠距離では全くと言っていいほど頼りにならない。
遠距離戦で相手を倒せないわけではないが打撃力減衰により与えられるダメージが非常に少なくなるためかなりの弾薬を消費する。そのような運用をする場合は近くに弾薬箱を置くことをオススメする。
【命中精度】
標準的な短機関銃並だが、連射速度の事もあってか結構弾がばらける。バイポットのおかげか立ったままでも発射時のリコイルがあまりない。
【総論】
軽機関銃兵よりも素早く移動し前線でとりあえずの制圧射撃をしたいと思ったのなら本銃はその希望に答えることができる数少ない銃の一つであろう。本銃は総じて武器をマウントしての近中距離における制圧射撃を得意としているため、真っ先に拠点に突入する部隊や後方から狙撃する部隊とはあまり相性が良くない。
しかし拠点から少し離れた位置に工兵などで簡易的な陣地を作ったりしている場合や拠点突入時にすぐ後ろから射撃支援したりする場合など、もしそのような側面/後方からの敵の妨害や味方の支援を主とした立ち回りをするのであれば、敵の足止めという点において本銃は非常に頼りになる。近距離であれば一時的に軽機関銃兵の代わりを務めることもできるため分隊に1丁忍ばせておくと戦場における選択肢を増やすことができるかもしれない。
史実
概要
ZK-383は、チェコスロバキアの短機関銃である。チェコ陸軍の他にもブルガリアやベネズエラ、一部はドイツ軍などにも供給されている。その後ナチス・ドイツによりチェコスロバキアが併合されると、ZK-383はMP383(t)と命名され、武装親衛隊専用火器として1948年まで製造された。
ZK-383は、チェコとスロバキアが統一国家だった1935年に開発が開始され、1938年には試験を経て正式化されたがミュンヘン会談による分裂の混乱の中で配備は中断。その後1942年にスロバキア共和国から20000丁が発注されるも当初190丁しか配備されなかった。
特徴
ZK-383は、短機関銃としては珍しく銃身被筒の下側に折り畳み式二脚が装着されており、銃剣の装着も可能であった。銃身被筒の先端にあるロック機構を操作することで、銃身を容易に着脱することができる。こうした設計は、分隊支援火器として運用するという初期の構想に由来する。
弾薬には当初Vz.24(拳銃の方。Vz.27の記事を参照)と共通の.380ACP弾が使用されていたが世情によりドイツ勢力圏への輸出を重視して9mmパラベラム弾に変更された。30発の箱型弾倉を機関部左横から装填し、機関部右横に空薬莢を排出する方式を採っている。射撃モードとして単射(セミオート)と連射(フルオート)を選択できる。セレクターレバーを単射と連射の中間位置にすると、レバー軸を抜き出して銃を中折れ式に分解することができた。安全装置はセレクターレバーとは別に設けられ、引き金の上側に配置されたクロスボルト(押しボタン)形状であった。遊底内にあるウェイトを着脱することにより連射速度の調節が可能で、ウェイトがある状態で約500発/分、ウェイトを除去した状態では約700発/分であった。リコイルスプリングは銃床の中に配置されており、床尾板を外すと後方へ抜き取ることができる。銃床の中のスペースには手入れ用具も収納できる。
銃身交換機能と二脚を廃止した簡易型として、警察向けのZK-383P、また戦後にZK-383Hが製造された。ZK-383Hの弾倉は銃の下側から装填され、持ち運びの利便のために装填状態で前方に折り畳むことができた。
その後
本銃の最大の顧客はブルガリアであり、4000丁が発注され1960年代まで運用されたと言われ、クロアチアにも400丁が販売された。他にもボリビアやアルゼンチンなど南米諸国にもセールスをかけたが振るわず、1948年に在庫処分でベネズエラとボリビアに計2200丁が販売されたに留まる。のちにVz.61などで大ヒットを飛ばすチェコの短機関銃であるが、最初の製品である本銃は散々な結果であった。
その後ZK-383は第二次世界大戦後の1960年頃までバルカン半島の国々などで使用された。
小ネタ
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