作品/【Final Fantasy Crystal Chronicles The Crystal Bearers】

Last-modified: 2020-05-12 (火) 11:55:16

概要

「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」。
2009年11月12日に発売されたWii専用ソフトで、基本的には1人用。FFCCシリーズ最新作(2013年1月時点)。
クリスタルベアラー」と呼ばれる能力者である主人公・レイルと、その仲間たちとの冒険活劇となっている。ちなみにCERO:B(12歳以上対象)。

特徴

CMやPVの見た目とは違い(また、このwikiで非アクションに区分されるように)主人公が重力を操ってものや人を動かすゲームで、剣や魔法を使ったようなアクション要素はほぼないといっても過言ではない。
モンスター・ボス等存在しているが主はミニゲームである。ミニゲームにはそれぞれ得点があり、基準を達成するとトロフィーがもらえる。
クラヴァット・セルキー・リルティ・ユークの4種族は存在するため、FFCCの世界観とシリーズとされているものの、
他のFFCCとストーリーでのつながりはほぼなく、初代・DSの2作とはまた別のゲームだと思ってプレイしたほうが楽しめるのかもしれない。
ミニゲームの一種にダンスパーティがあるが、この時に流れる音楽は初代FFCCの音楽のアレンジである。

ジャンル

  • 「アトラクション・アドベンチャー」。
    アドベンチャーゲーム(AVG)はもともとテキスト選択による物語の展開の変化を楽しむものだが、近年ではリアルタイム性の高いものも作られていて、RPGでよく言われる「自由に選択できる面白さ」の部分を煮詰めたゲームシステムに特徴がある。
    有名どころでは「Grand Theft Auto(GTA)」シリーズがあり、本作品を語る上で引き合いに出されることも。本来AVGにRPG的な戦闘システムが入っている必要は全くないのだが、当然RPGを期待した従来のファン層からは「戦闘が微妙」という評価が噴出することになった。
    何というか、コンセプトとニーズのミスマッチといった感がある。
  • なお「アトラクション」には、本作の主人公・レイルの特殊能力である引力操作、テーマパークを楽しむかのような世界観、などの意味が込められている。

世界観

  • CCシリーズでは時系列上最も未来に位置する。
    ユーク族がリルティ族との戦争によって滅亡しているという設定になっており、ユーク族フリークを落胆させた。
    しかし本作でも彼ら・彼女らには出会えるし、超重要キャラも登場するのでむしろおいしい位置付けにあると言える。
  • ナンバリングだと6や7ぐらいの文明レベル。飛空艇や銃火器、バイクなどが登場するが、動力源はクリスタルの欠片であるなどファンタジー的世界観との両立が図られている。
    また、荒野、海、雪原など風光明媚な自然地形も多い。
  • リザレクション、魔晶機関など結構難解な用語があるが、「とりあえずクリスタルのかけら3つ集めればいいんだな」ぐらいは分かるので、12や13で言われたような置いてけぼり感は(比較的)少ないと思われる。
  • その他旧作と違う要素が結構あって、等身が上がり(特にリルティ族)体格の個人差が顕著になったり、瘴気などの設定が変更されたりしている。
    旧来のCCシリーズのファンには、この辺りが受け入れられないという人もちらほら。
  • 敵はゴブリン、ボム、モルボル、トンベリなどなどおなじみのメンツがそろっている。
    • 戦う敵キャラクターのデザインは主人公に対してかなり大きなキャラクターが多い。
  • FFCCのようにワールドマップなどは無く、3Dの冒険する世界がそのままつながってマップになっているシームレスなものとなっている。
    ロードがほとんどなくスムーズにマップ間を移動できる。地味にすごい。

キャラクター・ストーリー

  • ストーリーは河津秋敏氏自らが担当。成長物語に付き物の湿っぽい展開はほとんどない。メインキャラの性格・仲間関係もさっぱりとしていて、ナンバリング作品の対極にある。
    これを「物語に深みがない」と取るか「キャラが自立していてカッコ良い」と取るかは、プレイヤーの人生観でかなり分かれそうである。
  • 外見面では、メインキャラデザインを板鼻利幸氏が引き続き担当。近代化路線を取りながらも、7以降とはまた違った雰囲気のデザインである。
    ちなみにメインキャラには衣装が複数用意されている。また、モーグリやチョコボのかわいさも健在。

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操作体系

  • Wiiリモコンとヌンチャクを使用。物を引き寄せたり、投げたりするのが主。これは平常時でも、戦闘時でも行う。
    プレイ中にヘルプメッセージぽい物は出るのだが、気付いた時には表示が消えていたりするので注意。説明書はちゃんと読んでおいた方が良い。
  • 本作は「シングルプレイをきちんと遊びたい」というユーザーの声を反映し、シングルプレイのみである。一応2人プレイも可能で、Wiiリモコン二刀流でプレイする猛者もいるとか。
  • 平常時には衛兵からう○こまで、何でも投げられる。作中では「悪魔の使い」として忌み嫌われるクリスタルベアラーであるが、多くのプレイヤーは嬉々としてそれを体現することになる。
  • この能力はイベント中にも発動可能で、「プレイアブルイベント」という本作の目玉となっている。
    しかし物語が肌に合わない層からすれば、その内実はムービーゲー(しかもスキップ不可)の合間にあるミニゲーム集ということになる。
    確かにムービーの比重が多い本作だが、Wii流にアレンジされた操作可能イベント(QTE)には唯一無二の没入感がある。
    個人的には、バハムートの体を伝っていく下りのシンクロ感はかなり熱かった。

戦闘システム

  • レベル・経験値概念がない。
  • 主人公の強化は素材を合成してできるアクセサリ(リング・イヤリング・アミュレット)で行う。アクセサリにアビリティが付くこともある。
  • 基本的には敵を地面に叩きつけたり、別のものをヒットさせたりして倒す。
  • 時間制限があり、独特な戦闘面が楽しめるかどうかはやや人によるとは思うが…。
    • ただ、アクセサリを強化したり、敵の動きや癖を逆に利用したりすることで、意外なほど時間短縮することができる。
      時間内に倒せるように作られていると思って、気長にチャレンジしてみるとよい。
    • ゲーム中には寄り道要素が多く用意されている。これらを遊ぶ必要は特に無く、やりたい人だけ遊んだらいいとも言えるのは河津氏らしい。

音楽

  • 岩崎英則山崎良?の両氏が担当。旧作で名曲を量産していた谷岡久美氏も一部参加している。
    楽器はCCシリーズらしい古楽器あり、アコギあり、エレキあり、オケありと、FFシリーズ全体でも断トツで多彩。
  • ムービーの挙動と対応するように作られている本編一度きりの曲も多く、効果的な演出に一役買っている。ラスボス戦はまさかの楽章仕立て。
  • 「プレリュード」「星月夜」「約束のうるおい」のアレンジもある。

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発売までの経緯

  • 開発自体は2005年5月から宣言されており、時期的にはCCRoFCCEoT、ナンバリングでは13などが同期にあたる。
  • 開発コンセプトの一部が06年頃変更された。具体的には
    • 低等身
    • Wiiリモコンの独自性を押し出さない操作体系
    • Wi-Fi通信機能の活用
    • 従来風のロゴ
  • の変更などがあり、より旧作に近い作風が構想されていた。トレーラーの「E3(06年)」版と「SQUARE ENIX PARTY 2007」版とを比較することでそれが確認できたようである。
  • 2009年11月26日発売予定だったが、発売が2週間前倒しされた(12日)。

メディア露出

  • CCRoFにクラヴァット♂最強装備「レイルジャケット」が登場。
  • CCEoTでは「レイルゴーグル」も追加された。
  • TVCMでは「これがWiiの『ファイナルファンタジー』。」のキャッチコピーとともに、Bon Joviの「We Weren’t Born To Follow」が流れていた。
  • 発売直前の時期に、本作の魅力を伝えるスペシャルムービー「テアトルベアラー」が公開されていた。見ればわかるが、かなりカオス。

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