【第0話:ワイルド・レギオン】

Last-modified: 2020-01-15 (水) 15:40:27

「1年戦線では、荒くれ者が集まる愚連隊のような小部隊があった」
――――1年戦線我鎮鋼(ガチンコ)伝

プロローグ

GM:世界は、M3の侵攻によって、人類存亡の危機に立たされていた。初期バルチャーと呼ばれる戦闘集団も、アフリカでムーンライトを観測して以来、行方が知れなくなっている者が多い。
GM:しかし、初期バルチャー以外にも、機動兵器を発掘し自衛をしている者が多い。そこで、地上で唯一といっていいまとまった軍隊・有力な人員を持つアメリカ合衆国は、武装蜂起を決意。それに伴い、緊急の大統領選を行ったアメリカ。そこで選ばれた新大統領は、アメリカ軍の統帥権を手にすることから、注目の一戦となった。


ギレン盟主:「……かくして、対M3戦における本格的な軍隊を、我がアメリカは築き上げることになる。諸君らが私を大統領として認めたこと、決して後悔はさせぬ! 断言しよう、私は1年! たった1年以内に、カナダを解放する! そのためには、国民すべての力が必要なのだ!立てよ国民! ジーク・アメリカ!!」


GM:対抗馬である、ニューイングランドやアリゾナ、アイオワなど、数々の州を立て直した政治家のデュランダルは、軍閥出身のギレン・ジ・アンビションに大敗した。デュランダルの敗因は、当選後、政治家として人の遺伝子に関する職業斡旋プログラム、デスティニープランの実現に向けて尽力するとした彼自身のマニフェストが国民にとってピンとこなかったのか。また、頭の切れる政治家より、ギレンのような強力なカリスマを国民が望んだのかはわからない。
GM:しかし、この地球の、この世界の歴史は、今ここに、ひとつの明確な方向性を示したのであった。


GM:【臨時ホワイトハウス】
ギレン:「君が、初期バルチャーと共にした、という?」
アグロ:「アグロ・イツカです。記憶喪失でして、出身は思い出せませんが、初期バルチャーには行き倒れの俺を助けて貰った恩義があります。大統領に信じていただけるかはわかりませんが、俺の持つ情報は下手をしたら、アメリカそのもの、否、世界そのものに…」
ギレン:「その先は言わなくても良い。正しくは、今は、だ。今の課題は、私が世紀の大博打者で終わるか、英雄で終わるかの瀬戸際だ。君の事は信用するが、ただ、今のアメリカにとって必要な情報、ただちに必要ではない情報。これを分けるべきなのだ」
アグロ:「へぇ……なかなか、冷静沈着な判断ですね」
ギレン:「褒め言葉として受け取っておこう。それと、君は敬語ではないほうが話しやすいだろう?」
アグロ:「お見通しかよ。わかったよ大統領。じゃあ、相談といこうぜ。何を知りたいんだ?」
ギレン:「私は、アメリカ軍人のみではカナダを解放できないと思っている。人員、技術、どれを取ってもM3には一歩劣る。そこで、初期バルチャーというのは、どのような集団だったのだ?」
アグロ:「私兵だった。まあ、腕っ節に自信があるやつが集まってたよ。他にもすげえメカニックもいた。小回りな分、正規軍よりも機動力がある」
ギレン:「そうだろうな。世界には、反撃を試みようにも機会に恵まれない戦士が多くいる。アメリカは彼らを傭兵として雇い入れることを考えている」
アグロ:「へえ……」
ギレン:「それで、初期バルチャーに付き添いアフリカからここへやってきた君は、人脈もあるだろう。多くの者に、この話を広めて欲しい。数という問題が解決できるだけでも、M3に対して優位性が幾分が保てる」
アグロ:「そういうことか。まあ、悪くない話だぜ。その傭兵計画、乗ったよ。良いワイルダーを見つけてくるさ」
ギレン:「ワイルダー?」
アグロ:「初期バルチャーは、自分自身のことを途中からワイルダーって名乗ったんだよ。この荒れた世界で、自分自身の足で答えを見つけ、歩いていく。そんな意味合いらしい」
ギレン:「気に入った。では以後、アメリカ合衆国で雇う傭兵は、ワイルダーとし、ワイルダーはアメリカの公的な職業と認めよう」

GM:ギレンと、アグロの話は進む。

コア

GM:数日後、ギレンのもとへ何人ものワイルダー志願者が現れた。アグロは、ギレンの補佐として、ワイルダーを選別していた。

履歴書

パーソナルデータ

名前性別年齢クラス経験点コスト
エクレール・アンペア19ニュータイプ経験点コスト
人物背景
元は荒くれ者であったが、ワイルダーに志願した。

※ダーザイン…アメリカ合衆国
※ケイパビリティ【長所】超強気【短所】こだわり

パイロットランク

格闘:2射撃:2回避:1防御:2覚醒:0

※行動値…2


スキルデータ

クラススキル

【死点撃ち】Lv2

スタイルスキル

  • ガンファイトマスタリーLv1…射撃属性の命中判定固定値を+[スキルレベル]。
  • マシンブレイカーLv1

一般スキル

  • 体術マスタリーLV2
  • 運動神経LV2
  • 対人拷問LV1

所持機体

アクアジム
耐久:30機動:2EN:10実体装甲:2耐熱装甲:2内蔵スロット:1


【所持汎用武器】

小型ミサイルランチャー
射程威力弾数追加使用できる弾数追加威力ダイス装備制限
3-61d652-41d6回避-1/片手
  • 特性:【爆発属性】両手持ちができる。その際命中判定の固定値を+2する。


ビームピック(携行ビーム兵器)
射程威力消費EN装備制限
0-11d10(1~5)×30/片手
  • 特性:なし


シールド(内蔵化・基本防御兵装)
防御値耐久力装備制限
物3熱130回避-1、片手
  • 特性:なし

アグロ:「この男は?」
ギレン:「アメリカ海兵上がりの男のようだな。海兵を部隊との殴り合いによってやめてから、しばしば周囲と反発している根っからの不良だ。ヴィラン…悪党としても名高いが、金に目が眩んだのかもしれんな。有り体にいえば、ただのチーマー上がりの乱暴者だ」
アグロ:「じゃあ、やめときやすか?」
ギレン:「いや、面白い。彼にしか出来ない仕事をやってもらう」
アグロ:「大統領が言うなら、別に俺は」
ギレン:「この履歴書…キャラクターシートを上から見ていこう。名前、性別など、必要事項を書き入れていく。それからダーザインとケイパビリティという項目があるな。これは、所属や、自身の長所や短所のことだ。ダーザインとは現存在といい、ケイパビリティは潜在能力と訳される。なぜそういった呼び方なのかは、ストーリーにおいて大きな意味を持つ」
アグロ:「パイロットランクは、3つポイントを振り分けるんだろ? 振り方の目安は、人それぞれだが、特にこだわりがなければ格闘・射撃を2。回避・防御を2。覚醒が上げられるクラスなら、覚醒に振ったほうがいいだろうな。それから、覚醒を抜いた4つのランクを足して、4で割る。それが、行動値になるんだな。このシステムの端数は、基本的に切り上げだ」
ギレン:「こいつは、適性検査でニュータイプの潜在能力があると言われているな。とてもごく僅かだが。だから覚醒もこいつは0になっている。せいぜい、空間認識能力が秀でているくらいだろう」
アグロ:「クラススキルは、いまのクラスのレベル以下のものを取得できる。キャラクターを作ったすぐは、レベル1のクラススキルを取れるんだな。2レベル分だから、レベル1として2種類とってもいいし、レベル2として1種類取るのもいい」
ギレン:「スタイルスキルは、作成段階ではレベル1のものを2レベル分取得できる。クラススキルとやり方は同様だ。ただ、スタイルスキルの覚醒系を取りたいなら、1つを1レベルでしか取得できないから注意することだ。そうそう、パーソナルスキルはフレーバーとしてキャラクターの性格を表現するため、5レベル分振り分けられる。レベルは3までだ。基本的にこのシステムは、スキルレベルの上限は3になっているぞ」
アグロ:「機体については、大統領はどうやって判断してるんだ?」
ギレン:「50コストで別にどうしようが自由だが、機動は2以上にしたほうがいい。戦闘で動けないと死に繋がる。それと、武装には避ける自信が異様にあるもの以外、シールドを持ったほうがいいだろう。また、格闘ないし射撃武器は必ず必要だ。ここで、余りは20コストだ。それに装備しているシールド1つは基本防御兵装となり、防御判定に失敗しても使用できる。戦場では生きて帰ってくることがまず肝要だ」
アグロ:「耐久を増やしたり、さらに武器を持たせたり、色々だな。大統領、これは最初はやめとけっていうものはあるのかい」
ギレン:「初心者は、こだわりがなければ、クイックスタートをそのまま使うのもありだな。組み合わせは、スキルも含めると100種類にはなりかねん。武器は、最初はなるべく総弾数の多いものを選べ。ビーム武装は、エネルギーが少ないときはそれを主体にするのはおすすめできん。まあ、ビーム主体なら、ENが20以上は欲しいな。それと、覚醒武器は、最低でもレベル3以上が好ましいだろうな。なぜなら、参照するものが多く初心者であれば混乱してしまうことが多く、覚醒ランクに紐づくものや、武器パーツをつけてはじめて個性がとがり始めるので、無理をして最初から搭載する必要はないと思うのだ。経験値やコストは、シナリオに参加すれば、徐々に手に入るものだ」
アグロ「なるほど。機体パーツも、無理に最初から乗せる必要はなさそうだな。ギレン大統領、このあらくれのステータスはどう思う?」
ギレン「覚醒に頼らないニュータイプだな。将来的に覚醒武器の搭載や、覚醒関連を必要としない、オールドタイプ寄りのニュータイプだ。命中と回避に対する伸び代がそもそもニュータイプは高いから、覚醒がないパターンでも大変高くなるだろうな。他のエントリーシートも見てみようか」

履歴書

パーソナルデータ

名前性別年齢クラス経験点コスト
スティーブ30オールドタイプ経験点コスト
人物背景
ヴィランとしてチームを組んで暴れまわっていたが、M3によって部下を失い、ワイルダーとして志願した。

※ダーザイン…アメリカ合衆国
※ケイパビリティ【長所】異能的生命力【短所】過集中

パイロットランク

格闘:2射撃:2回避:1防御:2覚醒:0

※行動値…2


スキルデータ

クラススキル

【底力】Lv2

スタイルスキル

  • 定点射撃Lv1
  • 急所狙いLv1

一般スキル

  • 体術マスタリーLV2
  • 運動神経LV2
  • 反射神経LV1

所持機体

ザク・キャノン
耐久:31機動:3EN:10実体装甲:5耐熱装甲:2内蔵スロット:1


パーツコスト

【所持汎用武器】

支援爆発武器
射程威力総弾数追加使用できる弾数追加威力ダイス装備制限
2-51d20300回避-4、命中-3/片手
  • 特性:【爆発属性】両手持ちが可能、その時装備制限を回避-3にする。
シールド(内蔵化)
防御値耐久力装備制限
物3熱130回避-1、片手
  • 特性:なし

アグロ:「ザクキャノンか」
ギレン:「遠距離の支援機として悪くはないスペックだな。それと、内蔵や内臓スロットの関係だが。通常、片手・両手とあるものは、それぞれの手に1つずつ火器を持てる。ただし、内蔵とあるものは、内蔵スロットにあてがわないと使用できない。内蔵スロットは初期から1つ持っているが、増やしたければ改造するしかないな。少し難しい話になるが、片手かつ、機動がさがらない武器は、内蔵化として機体に埋め込むことができる。その武器が射撃かつ実弾兵装の場合、予備弾倉による補給ができなくなるが、そういった形で装備することもできる」
アグロ:「大量に武器を持てばいいというわけでもないよな。回避が下がるからな。オールドタイプは、サポート系クラスだが、戦い方次第では充分に存在力を出せるはずだぜ。どちらかといえば、玄人向けのクラスだ」

履歴書

パーソナルデータ

名前性別年齢クラス経験点コスト
伊坂香苗19コーディネイター経験点コスト
人物背景
かつて娼婦で、窃盗などをした前科持ち。ワイルダーとして志願した。

※ダーザイン…アメリカ合衆国
※ケイパビリティ【長所】動体視力卓越【短所】過集中

パイロットランク

格闘:2射撃:1回避:2防御:1覚醒:1

※行動値…2


スキルデータ

クラススキル

【調整者】Lv1
【パーソナライゼーション】Lv1

スタイルスキル

  • SEEDLv1

一般スキル

  • ロボット工学LV3
  • 運動神経LV2

所持機体

ジム・ストライカー
耐久:30機動:4EN:20実体装甲:2耐熱装甲:2内蔵スロット:0


パーツコスト

【所持汎用武器】

大型携行ビーム兵器
射程威力消費EN装備制限
0-11d10(1~5)×6回避-2,機動-2/両手
  • 特性:内蔵スロットを2つ必要とする。

ギレン:「彼女も候補の一人にいれよう。コーディネイターは、初心者に特におすすめのクラスだ。というのも、威力が非常に高いので、簡単に高いダメージを出すことができる。唯一の欠点は、自身の力で命中や回避に手を入れることが難しいことだ。こればかりは、スタイルスキルで何とかするしかない」
アグロ:「ニュータイプと、コーディネイターと、オールドタイプが揃った感じですか」
ギレン:「その3通りがもっともベーシックだからな。ガンダムファイター・イノベイドはロール的に根差すものが深いのと、阿頼耶識・強化人間はデータ的に初心者向けとは言い難いため、このシナリオからは除外している」
アグロ:「データ的にはともかく、個性的なメンバーになったもんですね」
ギレン:「ああ。それに、多少乱暴者や荒くれ者のほうが、エネルギーもあるだろう。……随分と、面白そうな話になったな。アグロ、彼らの部隊のこと、任せてもいいだろうか?」
アグロ:「なんとかやってみるよ。……召集時間を奴らに伝えます。まず、奴らは集合するかっていうことだけどな」

エピローグ

GM:こうして、ギレンとアグロは、数々のワイルダーを雇い入れることに成功した。ワイルダーは、アメリカ合衆国軍と合流し、M3に占領されたカナダの領地へ挑むことになる。
GM:ところが、問題は制海権のほうであった。カナダにある大型M3の基地が、カナダ奥地の沿岸にあるのだといわれている。そこで、ギレンは賭けにでた。かつて、問題を起こした者を集めた少数精鋭を集め、通常のワイルダーよりもエネルギーあふれる彼らに攻略させようと考える作戦。ところが、アグロがその少数精鋭を召集し、彼らと対面したとき、信じがたい事態が起きる。
GM:機動戦士ガンダムTRPGプロジェクトワイルド 1年戦線我鎮鋼(ガチンコ)伝、第一話へ続く。