世界観(ロボTRPG)

Last-modified: 2013-05-08 (水) 00:31:32

世界観

このゲームの世界は、現実世界の未来を描いたSFパラレル世界と呼んで差し支えありません。
太陽系と同じような銀河にある、地球とよく似た星「アルクラスト」の終末期を描いた世界です。

人類の歴史

ヒュームと呼ばれる、いわゆる人間はアルクラストに発祥して以後、世界中にその分布を広げました。様々な国家が生まれ、それぞれが文明を発展させていったのです。その歴史は様々な紆余曲折を経て、人々の生活を豊かにする工業技術や科学技術、機械技術を生み出し、アルクラストで間違いなく最強の生物となった人類は、その数を無限に増やし続けていきました。技術という武器によって守られた人類にとって、最早アルクラストに天敵はいなかったのです。

星を食らうもの

発展しすぎた技術はやがてはアルクラストに深刻なダメージを与えることになります。人類の数が多くなりすぎて住む土地が少なくなり、また星に蓄えられていた資源にも底が見え始めたのです。森や山等も開拓され尽くし、人類は海を埋め立てて新たな土地を開拓していく一方で、アルクラストに見切りをつけ、新たな居住惑星を探索するべく宇宙開発にも乗り出しました。

原初の壁「プライマル・ウォール」

しかし、ここで思わぬ障害が人類の行く手を遮ります。アルクラストの大気圏の境目には、磁気を纏った微細な塵がプラズマを発生させ、圏外への脱出を遮っていたのです。本来、アルクラストはこのプラズマ層「プライマル・ウォール」によって外敵から星の生き物を守っていたのですが、ここにきて星の資源を喰らい尽くしつつある人類を外に逃さないための檻として機能してしまいました。アルクラストは星を食らう危険な人類を他の惑星にまで侵食させないよう、自らに閉じ込めて道連れにする事を選んだのです。

終末戦争「グラウンド・ウォー」

アルクラストからの脱出が不可能と分かった人類は、残り少ない資源を巡って国家同士での大きな戦争を引き起こしました。この戦争は最早どれだけ続いたのか、僅かな記録しか残されていませんが、戦争初期では「資源の奪い合い」という構図を保っていたようです。ですが戦争が長期化、熾烈化するにつれてその構図は壊れていき、単なる武力衝突と化していきました。国家は禁忌と言われた核兵器を使用し、現存する僅かな資源もろとも他国を吹き飛ばしていったのです。アルクラストは死の灰に包まれ、最終的に全ての国家は形を成さない程に崩壊し、人類はその数の80%以上が死に絶えました。海は枯れ、植物を含む生物の類は人類を除きアルクラストからほとんど姿を消してしまいました。

企業の世界

生き残った人類の中には、国家に加担せずに技術と資源を保持した賢明な者達もいました。それらは戦争が終わると寄り集まり、1つの企業を立ち上げます。「フィジカルマシーナリーコーポレーション」後にフィジカル社、PMC等と呼ばれるようになるこの企業は機械技術とそれに必要な資源を開放し、生き延びた人類が再び星に住めるように荒れた土地を再開発していきました。それと同時に星に残存する資源の再開発にも乗り出していきます。PMCによって、人類は再びアルクラストに根付く力を手に入れたのです。

企業の分裂

やがてPMCの一部が分裂し、PMC単体では補い切れなかった分野の技術を研究し、補い始めます。新たな企業として「フルマテリアライズエンタープライズ(マテリア社、FME)」「雷電重工(RHI)」が立ち上がりました。それぞれFMEは合成食品や新エネルギーの開発研究に、雷電重工は使い古された火薬技術の再開発に奔走し、共にPMCと協力して人類の生活水準を豊かにしていったのです。それと共に、それぞれの企業は特定の土地を有し、そこに人々が住むコロニーを築きあげていきました。過去に「国家」として作られていた形が、今度は「企業」によって作られていったわけです。

新たな技術、新たな可能性

そんな中、突然変異として発祥していた新人類「ニューム」の高い技術と処理能力にいち早く注目したFMEは彼等を起用して、過去に人類最大の障壁となった「原初の壁」の再研究を進めて行きました。その結果、FMEは空気中に漂う微細な塵や埃に磁気をまとわせて収束し、プラズマの壁を作り出すという、「原初の壁」の発生装置の開発に成功したのです。これは「原初の壁」から名を取り「プライマルシールド」と名付けられました。「プライマルシールド」を使えば「原初の壁」を超えられると考えたFMEはこの技術を他企業に提供し、再びの宇宙開発に向けて共に手を取り合おうとしたのです。

企業間戦争

「プライマルシールド」の技術を提供された各企業は宇宙開発を目指して新たな研究を始めますが、「原初の壁」を研究していたFMEは、この装置を応用すれば「原初の壁」のプラズマエネルギーを採取できる事に気づきました。これは現存する核エネルギーと比較して謙遜ない程度にはエネルギー効率が高く、またエネルギー資源の殆どを使い尽くしている現代においてはとても貴重で有用な新エネルギーである事は誰の目にも明らかでした。FMEはどの企業よりも早くこのエネルギー開発に着手しようと奔走しましたが、工業技術において圧倒的に勝るPMCの前では、どうしても宇宙開発に遅れを生じてしまいます。そこでFMEは禁忌の手段──PMCの妨害工作を行なってしまったのです。これによってPMCの宇宙開発は一時停滞しましたが、妨害に気づいたPMCは、FMEに対して報復に乗り出します。これが今も続いている「企業間戦争」の発端でした。

「ゴーレム」の発掘と、開発

一方その頃、密かにPMCから独立した少団体がありました。彼等はその時点では企業を立ち上げず、地下深くの古い地層を研究し続けていました。過去の遺物から、得られるものがないかと思ったのでしょう。そんな趣味に近い行為が奇跡的に、人類に1つの転機を与える事になりました。謎の大型フレーム「ゴーレム」の発見です。「ゴーレム」の構成物質はどれだけ頑張っても解析できず、オーパーツとして扱われましたが、その飛び抜けた耐久性には目を見張るものがありました。現存するどの物質よりも硬かったのです。彼等は各地の地層からこの「ゴーレム」を発掘し、密かに研究を続けました。この「ゴーレム」に現代の機械技術「ギア」を複合させ、推測し得る元の形に復元していったのです。そして「ギア・ゴーレム(GG)」という、新たな大型兵器が完成しました。

傭兵ルール

PMCとFMEの戦争が激化し、武器を提供し続けていた雷電重工にも飛び火がかかり始めた頃、各企業に1つの電子メールが届きました。このまま過去のように戦争を熾烈化させ、再び核を用いて今度こそ星にとどめを刺さないようにするための、新たなルールの確立を図る、という内容のそれは、最初こそ各企業に鼻で笑われたものですが、実際に戦場に現れた1体の「GG」によって、その認識は改められる事となります。各企業が独自に作り出した戦闘兵器の「MT」や「GV」を相手に圧倒的勝利を収めたその姿に、各企業はメールの送信元に連絡を取りました。そして各企業が承諾した新しいルールとは、「貴重な核エネルギーを兵器に転用する事許さず。代わりに新たな戦力となるレイヴンとGGを傭兵として派遣する。報酬さえ用意するなら、レイヴンは全ての企業に公平に割り振られるものとする。」というものでした。送信元は「レイヴンズネスト」。ゴーレムを発掘し、復元に成功させた少団体が、世界に高らかに名乗りを上げた瞬間でした。

そして現代へ

それから数十年が経過した現代、今も企業間戦争は続いています。報酬さえ用意すれば対等な戦力を手に入れられるとあって、今では雷電重工もささやかに戦争に参加している状況です。運用されているGGは数十体に及び、また各企業は少しでもレイヴンに気に入られようと、GG用の兵器開発に力を注いでいます。企業間戦争の実権を握り、各企業から物資と金銭を徴収し続けた「レイヴンズネスト」は、今やアルクラストで最も力のある団体ですが、決して勢力としては名乗りをあげず、あくまで公平に各企業に力を貸しています。
そんな「レイヴンズネスト」に所属し、戦場のエースとしてGGを駆る「レイヴン」は、現代に生きる若者にとって憧れの一つとも言えるでしょう。プレイヤーキャラクターとなる人物は、理由は様々でしょうがこの「レイヴンズネスト」に所属し、厳しい適性試験を潜り抜け、一人の「レイヴン」として活躍していく事になります。果たしてあなたは、「レイヴン」としてこの終末期のアルクラストに一体どのような変化をもたらすのでしょうか。

現代のアルクラストという星

現代のアルクラストには全世界でおよそ8000万の人類が存在し、各企業が作り出した各地のコロニーに点在して生活しています。人類以外の生物は殆ど存在しません。海は殆どが枯れ、森はなく、自然といった概念が最早破壊されている荒れ果てた世界です。自然の植物が存在しないため空気は汚れ、各コロニーに作られた空気循環施設が周囲の二酸化炭素を酸素に変換して大気を保っています。植物は人工的に生み出された「擬似植物」が各コロニーに存在し、体裁だけの緑をかろうじて演出している程度です。水は残存するわずかな海から少しずつ採取し、浄水施設によって使えなくなるギリギリまで再利用されます。
海がほとんどないため空には雲がなく、代わりに「終末戦争」にて世界中に撒き散らかされた死の灰が雲となって空を覆っています。そのため世界は常に灰色で、その隙間から僅かに太陽や月が顔を覗かせる程度です。そんな灰の雲の上、大気圏の境界線には磁気を纏った微細な塵が層を作っており、それらがプラズマとなって「原初の壁」を形成しています。この「原初の壁」によってアルクラストの外と内は隔離されている状態です。

救いのない世界

アルクラストに残されている資源は極僅かで、このまま推移するなら近い将来アルクラストという星は完全に機能を失います。それは誰の目にも明らかだったはずで、実際に各企業が設立された当初は、その資源問題を解決するための研究を行なっていました。しかし下らない見栄の張り合いから「企業間戦争」が勃発し、それは今も続けられています。
このアルクラストにおいて人類が生き残る方法、それは宇宙開発を進めて宇宙の世界へ飛び出す他ありません。飛び出すための最大の障害であった「原初の壁」も、プライマルシールドが完成した今ならどうにかできるはずなのです。しかし戦争を続ける各企業の頭にはその簡単な事すら失われているようで、今となっては何のために戦争を行なっているのかがわからなくなってきている者も多いようです。更にそこにレイヴンズネストが介入し、戦争がより均衡の取れたものになってしまったため、戦争の終焉が全く見えない状態になってしまった訳です。賢明なニュームの科学者は、例え今から宇宙開発を再開しても、それが実現するまでに星が死んでしまうだろうと諦めている者も少なからずいるようで、また一部のカルト教団には、これは星を喰らい尽くした人類への神の裁きであり、受け入れざるをえない贖罪であると謳う者達もいます。

近代史

  • 年代不明:「終末戦争」によって人類の80%、現存生物のほぼ全てが死滅する。「終末戦争」終結。
  • S.E.T001:企業「PMC」設立。アルクラストの再開発に乗り出す。新暦「Second.Ece.Tale」が始まる。
  • S.E.T010:企業「FME」「RHI」設立。「PMC」と共に技術開発を行う
  • S.E.T045:「FME」が「プライマルシールド」の開発に成功。各企業に技術提供を行う。宇宙開発再開。
  • S.E.T062:「FME」が「PMC」の宇宙開発を妨害。「PMC」の宇宙開発研究が停滞する。
  • S.E.T063:「PMC」が「FME」に対して武力報復を行う。「企業間戦争」開始。
  • S.E.T071:「企業間戦争」激化。名も無き団体が「ゴーレム」を発見し、研究を行う。
  • S.E.T076:各企業にメールが送信される。
  • S.E.T077:「企業間戦争」に「GG」が初めて介入する。「レイヴンズネスト」の登場。
  • S.E.T123:現代。「企業間戦争」は続き「GG」が戦場のエースとなっている。