スラップ

Last-modified: 2010-05-13 (木) 01:24:14

スラップについて

スラップについて簡単に記述します。あくまで参考程度に。
超基本的、一般的なことしか書かない上に適当なので、加筆修正などはじゃんじゃん行ってください。

 

スラップとは何か

 スラップとは、右手の親指を弦に叩きつける(サムピング)、また人差し指や中指などで弦を引っ張る(プル)などして弦を鳴らすという、パワフルな奏法である。スラップを世界で最初に広めた人物はラリー・グラハムと言われており、彼はドラムレスのバンドを組むにあたって、バスドラムの代わりにサムピング、スネアの代わりにプルを用いることにより、ベースでパーカッシヴな音を出そうとした。これがスラップの始まりだと言われている。スラップによって他の奏法と異なる独特の音が出るのは、弦が発音する際に最終フレットに弦が当たることによる部分が大きい(ビーンという、きらびやかな音のこと)。
 スラップで注意することは、サムピングとプルの音量を揃えることである(音色はもちろん違う)。これはコンプレッサーを使うことでクリアできることではあるが、できれば右手で調節できるくらいの技術は身につけたい。特に初心者は、サムピングが圧倒的に難しいと思うので、しっかり発音できるようにするとよい。

サムピング

 サムピングとは、親指を弦に叩きつけて音を出す奏法である。これには、大きく分けて「平行型」と「下向き型」の2種類がある。それぞれの特徴は以下のようになる。
・平行型…弦と親指を平行にしてサムピングを行う。親指を弦にヒットした後に、ヒットした弦の一つ下の弦に親指を乗せて止めることができるので、間を生かしたプレイ、テクニカルなプレイがやりやすい。また、サムピングのアップダウン(親指をピックに見立てて弾くこと)ができる。比較的ベースを高い位置に構えると弾きやすい。有名な奏者としては、ラリー・グラハム、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウッテン、スチュアート・ゼンダー、櫻井哲夫、日野賢二など。
・下向き型…弦に対して垂直に、つまり親指が下向きになるようにサムピングを行う。比較的ベースを低く構えると自然にこういうフォームになる(もちろん、高い位置で意図的に下向き型で弾く人もいる)。ベースの位置が低い場合、腕が伸びてリラックスしながら演奏できるので、単純で速いフレーズを弾きやすく、なにより低い位置でバカスカとベースを叩く様はロックである。しかし、必然的にサムピングのアップダウンはできない。有名な奏者としては、フリー、フィールディー、T.M.スティーブンス、TAKE-SHIT、KenKen、上ちゃんなど。
 サムピングは、ベースの最終フレット近くで行うとよい。先ほどから、弦を「叩く」という表現を使ってきたが、正確には「はじく」と言ったほうが正しいかもしれない。平行型の場合は、弦をはじいた後に下の弦で止める、下向き型の場合は、弦をはじいた後素早く弦から親指を離すと音を止めずに済む。弦に指が触れたままでは、音は止まってしまうからだ(当たり前か)。サムピングは、どの弦でも均等に音が出るようにする。慣れてきたら、今まで2フィンガーやピックで弾いてきたフレーズや運指練習をサムピングで弾いてみるとよい練習になるだろう。

プル

 プルについては、音を出すのは比較的簡単だろう。引っ張って離すだけである。

以上ができたら

 サムピングとプルの音が揃えば、それだけでスラップは弾けるはずである(たぶん…)。スラップは、特にオクターブ弾きが他の奏法に比べて格段に弾きやすく、またそれだけでもインパクトのある音を出せるので、そういうフレーズがあれば試しにスラップで弾いてみるといいと思う。
 また、スラップというのは(どんな奏法でも同じだが)力が入りすぎて堅くなってはいけない。しかしながら、サムピングの連打や速いフレーズなどを弾く際には、他の奏法に比べてある程度筋力を使うことが多い。要するに疲れやすいのである。疲れたら無理せず休み、腕などを故障しないように気をつけよう。また、速くて到底弾くことが難しいフレーズも、テンポを遅くして確実に弾けるようになってから少しづつテンポを上げて練習していれば、ある日突然すんなり弾くことが出来るということもある。簡単なことから根気よく練習しよう。
 現在、われわれが聞くことの出来る楽曲というのは、スラップが使われていないものの方が大多数を占めるので、積極的に自分から求めなければスラップを用いた曲というのはあまり聞く機会がないかもしれない。もし自分の好きなアーティストがスラップを用いた曲を作っていたなら、ぜひコピーして練習してほしい。やはり自分の好きな曲で練習するほうが、メカニカルに練習するより楽しいものである。また、スラップは(特に右手の動きは)見て初めて理解できる部分も大きいと思うので、映像などが手元にあればそれも参考にするとよい。

 最後に、スラップ練習の際に参考になりそうな音源を紹介します(あくまでスラップ練習のみを考えて選曲してます)。

・Red Hot Chili Peppers 「Mother's Milk」
Higher Ground、Stone Cold Bushの2曲はスラップ練習にももってこい。意外にフレーズはシンプルなのでコピーもしやすいはず。

・Larry Graham and Graham Central Station 「MY RADIO SURE SOUNDS GOOD TO ME」
1曲目の「POW」は、スラップのお手本のようなフレーズ。スラップの基本がすべてつまっています。

・Marcus Miller 「M2」
スラップのカッコよさがつまった1枚。テクニカルなので全編コピーは難しいが、部分的にでも練習する価値あり。