ベース

Last-modified: 2010-02-15 (月) 22:51:14

はじめに
このページでは主に初心者を対象として作成しています。
間違いなどがあればすぐに修正をお願いします。
また、練習については文章では伝わりにくいので、経験者に直接教えてもらうのがいいでしょう。

 

ベースの用語

基本的なベースの用語について記述する。ギターなどとはいくつか重複するだろう。

  • ベース本体
    • ネック
      いわゆるベースの竿の部分。このことからベースのことを竿と呼んだりする。ベースの中でも最もトラブルの起こりやすい部分と言われ、管理が悪かったり木材の性質から順反り・逆反り・ねじれなどが起こる。順反り・逆反りの場合はトラスロッドの調整で直せることが多い。
    • トラスロッド
      ネック内に組み込まれている金属の棒。これをレンチなどで回すことによってネックの反りを調節できる。順反りしている場合は右回しすることで逆反りに、逆反りしている場合は左回しすることで順反りにすることができる。ちなみにネックはほんのわずかに順反りしている状態がベストと言われている。
    • ヘッド
      ネックの先端の、ペグが付いている部分。フェンダータイプのベースのヘッドの形状は、コントラバスのヘッドを横から見た形をモチーフにしているらしい。
    • ペグ
      いわゆる弦巻きである。
    • ナット
      フレットの0番目に当たる場所で弦を通している部分。牛骨や金属などいろいろな材質で出来ている。
    • フレット
      指板に打たれている、弦の音程を決定する金属の棒状の部分。これがないベース(フレットレスベース)もある。
    • 指板
      ネックの表面に張られた板。メイプル材の場合は1ピースで作られることが多いので、張り指板ではなくネックがそのまま指板となる。ローズウッドなどの場合は指板に潤いを持たせることが大切なので、楽器用のオイルなどで手入れしよう。
    • ピックアップ
      弦の振動を拾って電気信号に変える部分。磁石が搭載され、金属弦の振動から磁界の振動をコイルを通して電気振動に変えるマグネティック・ピックアップと、ブリッジの振動を感知し直接電気信号に変化するピエゾ・ピックアップがある。ピエゾ・ピックアップの場合は電気信号が弱いので、プリアンプなどで増幅させることが多い。ピエゾ・ピックアップはコントラバスやアコースティックベースに搭載されることが多く、ソリッドボディのエレキベースに搭載されることはあまりない。
    • ピックガード
      ベースのボディにねじ止めされているプラスティックの板。一応ボディの傷つくを防ぐことが目的らしい。ベースの見た目を決めると言う意味では重要なパーツである。最初からピックガードのないベースもある。
    • ブリッジ
      ボディの端側の弦を固定する部分。弦高調整、オクターブ調整などもここで行う。
  • パーツ類
    • アンプ
      ベースからの電気信号を音に変換する装置。一般に、アンプに接続するときは、アンプとベースのつまみをすべて0にし、電源をOFFの状態にして接続し、その後電源をつけるようにする。はずすときも、必ずすべてのつまみを0にした状態で、電源を切ってからシールドをはずす。
    • シールド・ケーブル
      ベースとアンプ、エフェクターなどをつなぐ線。
    • エフェクター
      ベースの音を変化させる装置。さまざまなものがあるので、気になるものがあればまずは試奏しよう。
    • クロス
      楽器を拭くための布。
  • 奏法上の用語
    • 2フィンガー
      右手の人差し指と中指で弦をはじく奏法。これに薬指を追加したものを3フィンガー、さらに小指を追加したものを4フィンガーと言う。また、親指・人差し指・中指を使った奏法を3フィンガーと言う場合もある。
    • スラップ
      親指を叩くようにして弦をはじき、人差し指や中指で弦を引っ張る奏法をスラップと言う。バキッとした音が特徴的であり、何より見た目が派手である。主にファンクでその奏法が発展したが、現在はあらゆる音楽ジャンルで見られる。ベーシストがソロを取るときなどにもよく使われる。
    • タッピング
      指板やフレットに弦を叩きつけることで弦を発音させる奏法。がんばれば素早いフレーズが演奏可能となる。
    • ストラミング
      フラメンコギターのように、親指以外の右手の指を使って弦をかき鳴らす奏法。
    • レイキング
      高音側の弦を弾いた後、その下の低音側の弦を同じ指で弾くこと。
    • アポヤンド奏法、アルアイレ奏法
      指弾きのとき、弾いた指を低音側の弦で止める奏法をアポヤンド奏法、弦で止めない奏法をアルアイレ奏法と言う。必然的に、アルアイレ奏法ではレイキングが出来ない。おそらく世の中のベーシストの多くはアポヤンド奏法を用いているが、アルアイレ奏法を用いたテクニカルなベーシストもいることを記述しておく。
    • ハーモニクス
      倍音とも言い、押弦せずに軽く弦に触れた状態でピッキングすると出る高い音のこと。ハーモニクスを駆使した名曲「Portrait Of Tracy」を聞けば、どんな音かよくわかるだろう。
  • 楽譜上の用語
    • グリッサンド、スライド
      音が出た状態で、指板上で左手の指を滑らせる奏法。移動させる音程が決まっているものをグリッサンド、移動させ始めまたは終わり(または両方)の音程が明確に決まっていないものをスライドという。特に低音側で行うと他の楽器には出せない勢いが出るので、フィルインなどによく使われる。
    • ハンマリング、プリング
      例えば、左手の人差し指で押弦して音を出してから、高音側のフレットを音を途切れさせることなく左手の他の指で押さえることで、右手を使わずに弾くことをハンマリングという。逆に、高音側の音を出してから、低音側のフレットを押さえて、高音側の指をはじくようにして離すことをプリングという。右手を使わず音を出せるので、素早いフレーズを弾くのに便利である。ちなみに、ハンマリングとプリングを何度も繰り返すことをトリルという。
    • チョーキング
      押弦して音を出した後に、弦を押さえたままフレットの伸びている方向に弦を押し出して(または引き出して)、音程を上げること。ベースでは半音ほど上げるのが普通。

ベースの種類

ベースの種類といっても様々な分別の仕方があるので、いくつかの項目に分けて紹介する。

  • プレシジョンベースとジャズベース
    ベースの種類としてもっとも多いのがプレシジョンベース(プレベ)とジャズベース(ジャズベ)である。
    それぞれを比較した場合の特徴は以下のようになる。
    • プレシジョンベース
      ネックが太め
      ピックアップが1つで、ジャズベに比べて太い音が出る
    • ジャズベース
      ネックが細め
      ピックアップが2つで、プレベに比べてクリアな音が出る
       一見するとネックが細いジャズベの方がいいと思われがちだが両者の違いはそれほど大きなものではなく、逆にプレベの方が弾きやすいという人もいる。実際に弾いてみるのが一番違いがわかりやすいだろう。
       上記のプレベ・ジャズベ以外にもベースの種類は数多くある。ここでは省略する。
  • アクティブとパッシブ
    ベースには、簡単に説明すると電池を必要とするもの(アクティブ)としないもの(パッシブ)がある。アクティブのものは多くがベース本体にEQがついており、幅広い音作りができる。しかしパッシブにはアクティブにはない音の暖かみがある(といわれている)ので、これもどちらがいいかは個人の好みによるところである。
  • 多弦ベース
    ベースの弦の数は4本が通常であるが、それが5本以上あるものを多弦ベースという。多弦ベースは音域が広がるというメリットがあるが、ミュート(弾いていない弦の共鳴を防ぐこと)の煩わしさが増えるというデメリットがある。
    5弦は通常下の音域を増やす(Lo-B)。レギュラーチューニングは下から順にBEADG。6弦は上下に4度ずつで、下から順にBEADGC。もちろん5弦で上に音域を増やしたもの(Hi-C)なども中にはあるが、近年スタンダードなのは前述したものである。

楽器を買うとき

初心者が1本目の楽器を買うとき、最も大事なのは見た目と弾きやすさである。見た目で妥協すると必ず後悔するからである。毎日触りたくなるようなベースを選ぶとよい。

基礎練習に際しての注意

基礎練習(主に運指練習)の際は、極力メトロノームを使いそれにあわせるように弾くことが大切である。最初はテンポを落として行い、慣れてきたら早くしていく。しかし遅いテンポにあわせることも決して簡単なことではないので、出来ればいろいろな早さで練習するとよい。

基礎練習(左手)

左手のフォームは、ネックの裏の中心に親指を置くクラシカルフォームと、ネックを握りこむ握りこみフォームの2種類がある。基礎練習の場合はクラシカルフォームで行う。
エレキベースの基本は4指4フレット、つまり1つの指に1つのフレットを対応させて運指を行う(実際の演奏では場合によって4指3フレットも使い分ける)。初心者の場合は、まず指で弦を押さえて弾いたときに、音がびびらないことが大切である。それができたら、人差し指から中指、薬指、小指で順に押さえて弾いていく。これを音がとぎれることなく弾けるようにする。小指まで弾いたら、人差し指を1フレット分移動させ、また人差し指から順に弾いていく、押さえるフレットはそのままで押さえる弦を変えていく、逆に小指から順に弾いていく…というような練習がある。

基礎練習(右手)

(特殊な奏法を除き)ベースの音は右手で出す。主な奏法には、2フィンガー(指弾き)、ピック弾き、スラップなどがあるが、どの奏法の場合も、メトロノームに合わせて、一定のテンポで弾けるようにする。特に2フィンガーの場合は人差し指と中指の音量が、またピック弾きの場合はダウンとアップの音量が等しくなるように注意する。
またピック弾きの場合は、弦に対して斜めに当てずに、ピックと弦が平行になるように当てることが大切である。

コピー曲の練習

ここでは、個人的なコピー曲の練習方法(楽譜がある場合)を紹介する。これに関しては人それぞれと思われるので、参考程度にしていただきたい。

まずは、なんと言っても曲を覚えること。出来れば楽譜を見ながら何度も曲を聴く。この段階で曲編成などを覚える。
次に、曲を聴かずに楽譜(TAB譜)をなぞりながらゆっくり弾いてみる。頭の中では曲を想像しながら弾くとよい。このとき、難しいフレーズを練習する。
ある程度弾けるようになったら、ゆっくりでいいので1曲通して弾いてみる。慣れてきたら、曲を流しながらあわせて弾く。

こんな感じで練習するといいと思う。

最後に

最初にも書いたが、楽器は人に教えてもらうのが最も手っ取り早いので、部会などに楽器を持ってきて教えてもらうとよい。また、アーティストの映像を見てフォームをまねするのもいいだろう。楽器の奏法というのは人によって違うことが結構あるので、多くの奏法を吸収して自分のスタイルを確立していっていただきたい。