ジェーン・フォスター博士の音声メモ #2
こちらはジェーン・フォスター博士。今日は3月22日。2回目ね。ふふ、なんだか初めてみたいじゃない?
放射線治療を毎日1回、金曜は2回受けてる。さらに週1で化学療法。ソーに変身したらそれがリセット。全部やり直し。
吐き気に悩まされるのは、もちろん想定してた。口内炎や味覚障害も覚悟してた。だけど…聴覚までおかしくなるなんてね。
「いつまで経っても30%の目標に達しない、どうしてだろう」って担当の医師たちが首をひねってる。「それはムジョルニアに宿るアスガルドの魔法が、治療の効果を打ち消しているからです」なんて言えるわけがない。それに…治療のためだからといってハンマーは置けないわ。ソーになってる時は苦しくない。ソーに変身すると…自分に戻った気分になる。長くは続かないけど。
今じゃ鏡を見る気にもならない。まるで死人みたいだもの。
父さんは「何事も半年なら耐えられる」って言ってた。それを心の支えにして、「1回放射線治療が終わるたびに、一歩ゴールに近づくんだ」って自分に言い聞かせてる。そう、半年なら耐えられる。
父さんが生きてればよかったのに。「頑張れ、諦めずに戦え」って言ってほしかった。毎日、病院を出るたびに思うの。次に来る時は、もう自分の足で歩けなくなってるんじゃないかって。あとどれくらいもつんだろう。
頑張らないとね。オーディンソンがいなくなって、アスガルドは内戦の危機に瀕してるんだから。
今さら投げ出せないわ。たとえ本当は…そうしたくても。