ジョージの日記:進歩

Last-modified: 2022-06-27 (月) 15:10:42

ジョージの日記:
進歩

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今後もアダプトイドプロジェクトは見事に実を結んでいくだろう。誰も気づいてはいないが、私にはそれが変わらず避けられないものだとわかる。あのイカれた連中に陳腐だとののしられようと、構わない。空気中の静電気のように。オゾンのように。何かが起きそうだ。

AIMの計画は、可能性を具現化するものだ。超人よりも速く、強く、人類に従順な存在が取って代わることができると世間が知ったらどうだろう?誰も超人に魅力を感じなくなるだろう。奴隷をこき使えるというのに、王に仕えたがる者などいない。

多くの犠牲が出るだろう。モニカは疑惑を抱き、ためらい、何もできなくなる。人間の神格化を何十年も夢見てきた彼女は、新しい存在の誕生を前にひるんでいる。もう、彼女は私のことなど気にかけていないだろう。いや、気にかけていたことなど初めからなかったのかもしれない。モニカがブルースにしたことを思えば。

モニカを信用できないということは、再生式フォーミュラも信用できない。超人に依存する必要のない世界を実現できるのなら、私は最期までこの腐った肉体とともに生きることをいとわない。奴らのいない世界を実現できるのなら。


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