モニカのメモ「トバ事変」

Last-modified: 2022-09-25 (日) 05:15:30

モニカのメモ
「トバ事変」

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私は、研究に取り組むプロジェクトリーダーたちを各々の仕事に没頭させ、お互いへの干渉が最小限になるよう努めた。全体を取りまとめるのは私の仕事になった。これには時間がかかる。しかし彼らの多くは、私たちが発見した事実を受け入れる準備ができてはいないのだ。

およそ7万年前にエイリアンが地球を訪れたという直接的な証拠を手に入れた。それと同時に、人類の亜種が現れた。おそらくエイリアンによる意図的な遺伝子操作で誕生したものだ。

しかし、気になることはまだあった。インヒューマンのDNA操作が行われたのは、地質学的にトバ火山の大噴火と同じ頃だ。過去2500万年で起きた最大の噴火で、その後に訪れた数十年にわたる長い冬により、人類の人口は1000人程度にまで減少した。

その規模の火山噴火を引き起こすのは現代の技術を持つAIMならさほど困難ではない。だが、自殺行為と言える。しかしエイリアンたちなら?インヒューマンを急速に増やすため、地球規模の大災害による遺伝子の減少を利用した…あるいは、意図的に災害を引き起こしたとは考えられないだろうか。


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