ロキへ

ロキへ

ロキ、嘘つきの王、詐欺師の悪人、そして弟よ。

お前の偽りの同情などいらんぞ。私が失意の底にいるのは自業自得であり、そのことがお前にどれほどの喜びをもたらしているのかは十分承知している。その腐敗した唇の間からどれほど甘い言葉が滑り出そうと、私は騙されないからな。この便りを書いているのは、同情を誘うためでも馬鹿にされるためでもない。

私はアスガルドへ戻るに値しない存在であると自覚した。贖罪を果たすまで、神聖なるビフレストを渡るつもりはない。だが、父上と母上からの連絡が途絶えてしまった。今こそお二人の知恵を必要としているにもかかわらずだ。

その薄汚れた魂に少しでも兄を想う気持ちが残っているのなら、父上に尋ねてくれないか？ なぜ返事を書いてくださらないのかと。

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