代償
N.ロマノフ
これが終わる前に、私の身代わりに誰か1人は死ぬことになる。正当化することもできるけれど、私が仕掛け、やってきたことが明るみに出れば、モニカとタールトンはただじゃおかないでしょうね。モニカに取り付く、ろくでなしの1人になすり付けようかしら。死に値する人にね。
でも私には知る方法がない。闇の中よ。
もちろんやる価値はあると思う。でも重要なのはそこじゃなくて…そういう代償を払って、何を得るかよ。目的と手段を天秤にかけながらね。他に頼る相手もいないし。
昔はこんなふうに悩むことなんてなかった。考えたことすらなかったのに。
私がかつて何をしてたかスティーブに話したら、彼は困ったように笑ったわ。「君はもう家には帰れないな」ですって。
案外、彼の言う通りかもね。