個人的研究：診断

個人的研究：診断

精神医学と人間の行動に関する知識を有する私にとって、自分の精神疾患と異常行動を診断することなどわけはない。私はだまされてなどいない。人間関係は精神状態を悪化させるので、自分のことは自分で面倒をみる必要がある。

自分の診断に確証をもつため、最高の心理学者を雇ったことがある。彼女は心底驚いていたが、それを見せないようつとめていた。

しかしこれは無駄だった。彼女は、私がトラウマに支配されていると信じ込み、そこに答えを見いだそうとした。私の行動に対する原因を見つけようとした。まあ、当然の反応だろう。

しかし、真実は彼女を恐怖に陥れた。私は光のない影だ。トラウマに支配されているのではなく、これが私だ。これだけの地位と資質と能力を持ちあわせていながら、大人しくしていられなかった。それこそが人類に対する責任なのだから。

結論が出たところで彼女を殺した。もともとそうするつもりだった。

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