3度目のチャンス

3度目のチャンス

親愛なるペギー

この手紙を送る許可が下りる頃には、君はすでに事実を知っているだろう。僕が死んだと報告されているが、それはひどいでまかせだ。いまどき「ひどいでまかせ」なんて言うのだろうか？マーク・トウェインの言葉はいつの時代も廃れないと思うが、男性用のスラックスも同じように考えていたから、あまり僕の言葉を信用しない方がいいかもね。

とにかく、僕は生きてる。僕自身は…不公平だと感じているけど。僕はかつて再チャンスを与えられ、それを最大限に活かすと誓った。人のために生きたという意味では、概ね誓いを守った。僕は与えられた命を、その一分一秒に感謝しながら生ききった。

また戻ってはこられたが、前回とはわけが違う。最初に復活したときは、僕たちの犠牲のうえに成り立つ新世界を目の当たりにした。今度は、僕たちの傲慢によって作られた世界を目にした。3度目のチャンスをもらう人間なんていない。僕のせいで犠牲となった多くの命を思えば、なおさらだ。

それでも、僕はここにいる。その事実を変えることはできない。僕に出来ることがあるとすれば、チャンスを最大限に生かし、物事を一つでも多く正すことだ。

それではまた。

スティーブ

コメント