6:テキストメッセージ
送信者:ブラック・ウィドウ!!!
ブラック・ウィドウ!!!
1月17日(火)午後9:58
ブラック・ウィドウ:お友達の情報を拝見したわ。なかなかね。AIMの保管庫に乗り込んで、連中の荷物を差し押さえようかって話になってる。
スパイダーマン:助かるよ!保管庫が見つかれば出荷記録が手に入るかもしれないし、そしたら誰が最初に手配したかも調べられるよね。
スパイダーマン:ねえ…ひとつ聞いてもいい?
ブラック・ウィドウ:どうぞ。
スパイダーマン:君は…言ってみれば、正体を隠すことのプロだよね。
スパイダーマン:スーパーヒーローの仕事を始めて、かれこれ6年になるけど…いまだに自分の正体を明かしたくなっちゃう時があるんだ。
スパイダーマン:君はどう我慢してる?いつになったら、世の中に嘘をついてる感じがしなくなるのかな?
ブラック・ウィドウ:そんな日は来ないわ。多分ね。
ブラック・ウィドウ:自分が何者かという話には、常に2つの面がある。表向きと、プライベートよ。2つが混ざれば混ざるほど、嘘をつき続けるのは難しくなるわ。
スパイダーマン:じゃあ、これが永遠に続くの?家族に嘘をつきとおせってこと?友達にも?
ブラック・ウィドウ:イエスでありノーよ。打ち明けたらやりづらくなるからといって、打ち明けてはいけないってことじゃない。適応しなさいってこと。心から信頼できる人を見つけて、その人に支えてもらうといいわ。
スパイダーマン:それって経験談?
ブラック・ウィドウ:国際スパイだって、ずっと空飛ぶヘリキャリアに住んでるわけじゃないのよ?
ブラック・ウィドウ:ピーター…二重生活が苦しいのはわかるわ。私だっていつも悩んでるもの。
ブラック・ウィドウ:だから、押しつぶされそうになって、思いの丈を吐き出したくなったら言って。秘密を守るのは得意よ。
スパイダーマン:わかった…そうするよ。ありがと。
スパイダーマン:…
スパイダーマン:最初はさ、「ブラック・ウィドウマン」って名乗るつもりだったんだ。でもあのクモ、オスは人畜無害らしくてさ。名前でナメられそうだからやめたんだ。
ブラック・ウィドウ:それと、「スパイダーマン」のほうがいい響きよ。