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Last-modified: 2021-03-26 (金) 01:44:48

野盗に気をつけろ その1

  話者  セリフ備考
-週刊アドベンチャラー
 連載コラム

   野盗に気を付けろ

      その1
-初心者冒険者に送るこの連載。

今回は わたしが
初心者冒険者だったころの話を
書くことにしよう。
その日 わたしが請け負った任務は
とある街から 小さな村へ
薬を届けるというものだった。
その道程は山を越え半日。
野獣なども出没する危険な道だ。

だが わたしには何度も その山を
越えた経験があり それゆえ
わたしは慢心していた。
先日の大地震と大雨によって
山の岩盤が緩んでいたことに気付かず
わたしは 斜面の崩落に
巻き込まれてしまったのだ。
数時間後 わたしは谷底で目をさました。
不幸中の幸いか怪我は殆どなかったし
薬を落とすこともなかった。
だが 失った時間は戻らない。
このままでは 日が落ちる前に
山を越えられない可能性が高い。

この山で 夜を迎えるということは
死の危険に 身をさらすということだ。
わたしは 痛みをこらえ再び歩き出した。
頂上を超えたころ
完全に陽は落ち 周囲は闇に包まれていた。

本当は安全な場所を探し
夜を越えるべきだったのだろう。
しかし 焦っていたわたしは
冷静な判断力を失っていた。

そして その過ちは
最悪の結果を呼び込むこととなる。
わたしは いつの間にか
その付近を根城にする野盗団の棲家に
足を踏み入れてしまっていたのだ。

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