夜の校舎 第2話 ~エリカの昔話~
話者 | セリフ | 備考 |
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- | 学園の図書館で 面白い本を見つけ 時間を忘れて読み耽ってしまった わたし メアリー・レインは 寮に戻る途中 何かが背後を 横切ったような気がしたのでした。 | メアリーの回想 |
寮に戻って もしかして幽霊じゃないかと エリカさんやクラリスさんに告げると 学園に戻って その調査をすることに なってしまったのです。 | ||
怪しげな物音を追って 辿り着いた先は学園の食堂。 | ||
そこで わたしたちが見つけたのは……。 | ||
クラリス | ファーファちゃーん! | |
ファーファ | !! | |
クラリス……? | ||
メアリー エリカも? どうして ここいる? | ||
エリカ | それは 私も聞きたいわ。 | |
とりあえず こっちに来て お話を聞かせてもらえるかしら? | ||
エリカ | それで こんな時間に 何をしているのかしら? | |
ファーファ | ファーファ がっこう おわって へや かえった。 | |
きづいたら おふとんで ねてて ゆうごはん たべられなかった。 | ||
しょくどうきたら しまってた…… | ||
エリカ | だからといって こんな時間に 食堂に忍び込むなんて いけないことよ。 | |
途中でメアリーさんと すれ違ったのは 気づいていた? | ||
ファーファ | おなかすいてて……。 | |
みてない。 | ||
エリカ | もう……あわてんぼうね。 | |
でも なんだか 昔のことを 思い出すわね。 | ||
クラリス | ええ 本当に。 | |
メアリー | あの ……。昔のことって どういうことなんですか……? | |
エリカ | 私たちと ファーファさんの 出会いも こんな感じだったんです。 | |
クラリス | 見つけたのは キャリーだったんだけど。 | |
メアリー | そういえば そんな話を 聞いたことがあります。 | |
お腹が空いて 食堂に侵入してきたところを みなさんで捕まえたとか。 | ||
エリカ | はい 何度か調理場が荒らされていて それで 待ち構えていたんです。 | |
エリカ | そうしたら さっきみたいな感じで 調理場を漁っているファーファさんがいて…… | |
そのときは さっきと違って 声をかけたら逃げようとして…… | ||
あわてて 逃げられないように 取り囲んだんです。 | ||
そうしたら ファーファさんが 襲い掛かってきて……。 | ||
クラリス | わたしたちも あわてて身構えたんだけど…… | |
ファーファちゃんが 室内での戦いに慣れていなかったのね。 | ||
ファーファ | うん ファーファ せまい ばしょ たたかい だめだった……。 | |
てんじょうで あたまごつん! きぜつ! した! | ||
クラリス | それで わたしたちが 捕まえたってわけ。 | |
エリカ | そのころの ファーファさんは 今よりも言葉が喋れなかったんですけど…… | |
それでも お腹が空いている っていうのはわかったから…… | ||
まずは ご飯を 食べさせてあげることにしたんです。 | ||
クラリス | その料理はキャリーが用意してくれたのよ。 | |
それで ファーファちゃんは キャリーに懐いたってわけなの。 | ||
そうよね ファーファちゃん? | ||
ファーファ | そう! | |
キャリーのごはん とっても とっても おいしかった! | ||
エリカ | こうして 私たちは ファーファさんと 仲良くなることが出来たんです。 | |
クラリス | それから いろいろなことを聞いたわね~。 | |
物心ついたときから ずっとひとりで 森の中で暮らしてきたこと。 | ||
言葉を教えてくれたのは 小さなころに 森の中で出会った おばあさんだったこと。 | ||
でも そのおばあさんは 病気で すぐに亡くなってしまったこと。 | ||
やがて 魔物が増え始めたことで 食料が取りにくくなったこと。 | ||
そんな中でこの学園に 辿り着いたことなんかをね。 | ||
エリカ | それからも 私たちは ファーファさんの 種族のことを いろいろと調べました。 | |
固定した家を持たず 森の中で暮らしている 珍しい種族であることも その中で分かりました。 | ||
本来 家族で行動するようなんですが……。 | ||
ファーファさんは 物心つく前から ひとりだった みたいなんです。 | ||
ファーファ | うん ファーファ かぞく しらない。 | |
おとーさん おかーさん おぼえて ない……。 | ||
メアリー | つまり 天涯孤独ということですか。 | |
エリカ | ですから また 森に帰すのも かわいそうで…… | |
学園に 置いてもらえないかって 提案したんです。 | ||
もちろん 学園長の 許可が必要でしたけど…… | ||
- | 構わぬぞ オッケーじゃ。 | ステラ |
その子には冒険者の才能も ありそうじゃしな。 | ||
エリカ | ……と ふたつ返事で許可してくれましたので。 | |
クラリス | 最初は生徒会で面倒を見ようと思ったんだけど キャリーからの要望もあってね。 | |
本人も懐いているようだし キャリーに任せることにしたのよ。 | ||
エリカ | 正直なところ…… 少し心配ではありましたけど……。 | |
クラリス | もちろんヘンなことをしたら お・し・お・き するつもりだったわ♥ | |
メアリー | あはは……そうなんですか……。 | |
エリカ | そうだ。 | |
ファーファさん まだ お腹空いてるんでしょ? | ||
ファーファ | うん すいてる! | |
エリカ | だったらキャリーさんを 呼びましょうか。 | |
私たちより料理が上手だし ファーファさんも その方がいいでしょ? | ||
ファーファ | キャリー りょうり つくってくれる? | |
エリカ | ファーファさんの頼みを キャリーさんが断るわけないわ。 | |
ということで みんなで キャリーさんを呼びに行きましょう。 | ||
クラリス | メアリーちゃんも本を読んでいて お腹が空いているわよね? | |
メアリー | えっ!? あ はい……! | |
クラリス | わたしたちも さっきまで生徒会の 仕事をしていて お腹が空いているの。 | |
ここはキャリーに 全員分のお夜食を 作ってもらいましょう♥ | ||
- | To Be Continued... |