登場生徒一覧/ミニストーリー/No.39

Last-modified: 2021-03-26 (金) 01:36:15

とある聖女の物語

  話者  セリフ備考
-それは 雨が通りすぎた後の
学園の裏庭でのことでした。
イヴの回想
イヴきゃぁーーっ!?
カミラお~い 大丈夫か?
イヴあ……カミラさん……大丈夫です。
少し服が汚れてしまいましたけど。
カミラなら まずは立て。
話はそれからだ。
イヴお手数をおかけしました。
でも カミラさんはどうして
こんな時間に?
カミラ散歩だ。吸血鬼は闇の種族。
夜を好む種族だからな。
それより お前こそ こんな時間に
いったい何をしているんだ?
イヴわたしですか?
わたしは お祈りのために
聖樹様のところに 行っていたんですよ。
夕方に 行こうと思っていたんですが
雨が降っていたので 行けなくて……
でも ちょうど雨もあがったので
これは行くべきだなって思いまして。
明日は運気が あがりますように……。
そして 明日もみなさんが
幸せな一日を送れますようにって。
カミラだが その帰り道に転んでいては
お祈りの意味が ないのではないか?
イヴうう……
それを言われると つらいです。
わたしって どうしてこんなに
不運なんでしょう…………。
カミラ……そう落ち込むな。
慰めになるかは 知らんが
ひとつ 面白い話をしてやろう。
イヴ……面白い話……ですか?
カミラああ。お前と同じく とんでもなく不運だった
とある聖女の話だ。
あれは 五百年ほど前のことだったか……。
カミラその聖女は とある村の教会で
シスターをしていてな。
その元を 多くの人々が日々訪れていた。
人並み外れた魔力を備えた
その聖女の力を借りるためだ。
聖女は その魔力によって 悪魔の呪いを解呪したり
時には 魔物退治なども することがあったという。
イヴ人並み外れた魔力ですか!
なんだか すごい方ですね!
カミラしかし その聖女は とある問題を抱えていた。
お前のように…… いやお前以上に
不運を呼び寄せる体質だったのだ。
そんな ヤツが
よく言っていた言葉がある。
-確かに 私の身には
日々 多くの災難が降りかかります。
聖女
ですが 私自身が
不運であるとは思いません。
その災難は 私以外の誰かを不幸にすることなく
私の元に来てくれた。
おかげで私は
その誰かの笑顔を見ることができる。
私は とても幸運な人間なのです。
カミラ……とな。
イヴ…………。
……素晴らしい方だったんですね。
カミラどこか お前に似ているだろう?
イヴいえいえ!
そんな立派な人物と 比べられると恥ずかしいです!
でも……その方の考えは
とても素晴らしいと思いました。
不運は 誰かを幸せにした証……
なんだか 元気が湧いてきました!
ためになるお話 ありがとうございます!
……ところで その方と カミラさんは
どのようなご関係だったのですか?
カミラ聖女と吸血鬼の関係など
言わずともわかるだろう。
天敵だ。天敵。
イヴはあ……。
カミラそれより そろそろ部屋に戻ったらどうだ?
汚れた服も 洗濯せねばならんだろう?
イヴそうですね。
お散歩の邪魔をしても悪いですし
わたしは そろそろ部屋に戻ります。
カミラさん。
今日は本当にありがとうございました!
カミラ……あの女は。
魂の一部が欠けて生まれていた。
その欠けた部分に
悪魔が入り込んでいた。
しかし ヤツは生まれつき 魂の力が強かった。
結果 悪魔に魂を乗っ取られることなく
その力を己のものにしていた。
だが いびつな魂は いびつな力を生む。
ヤツは呪われていた……。
その聖なる力を使えば使っただけ……
そこにつけいるように 邪悪な力が
ヤツの体を蝕んだのだ。
その呪いは わらわが手を尽くしても
完全に解呪できるものではなかった。
しかし それを知っても
ヤツは 力を使うことをやめなかった。
その力で 他者を救い続けた。
-この力があるからこそ
多くの人を 幸せにできました。
聖女
多くの素晴らしい出会いが できました。
だから 私は……
カミラとても幸せです……
……か。
……やれやれ。
感傷に浸ってしまったな。
まあ あれだけ
わらわが解呪に尽力したのだ。
生まれ変わった先では
以前よりは マシな人生を送れるだろうさ。
イヴきゃああああ!!
ううう……
また転んじゃいましたぁ……。
カミラ…………。
ちゃんと解呪できたか
ちょっと心配になることもあるがな。

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