「いや、シオンさんだよね、今日の当番……」
レアリザスが呆れた顔でそう返す。
「いやーそれが……」
「シオンさま、拗ねてどっか行ってしまいまして……」
「何してんだよ……」
「まあまあ! これもエンタメだよエンタメ!
ルールは簡単で、一番最初に笑った人が負けね!」
「まあいいか! 兄ちゃん負けないぞ!」
「同意とみなしてよろしくて? ではスタートですわ!」
「ところで、お兄ちゃんに見てほしいものがあるんだー」
そう言って、オラスが写真のようなものを差し出す。
お兄ちゃんと呼ばれてしまったからにはレアリザスに抵抗する術は残されていない。どんなに嫌な予感がしたとしても──
「なんだなんだ?」
「変顔のヴェクサス」
「ぶふっ……あっははははははは!!
おまっ、これ……っはははははは!!」
「はい勝ちー」
「というわけで、買い出しよろしくお願いしますわね!」
「おい! ちょ、まじか? それはさすがに卑怯だろーー」
──『それはさすがに卑怯だろ』より抜粋