神をも超越した天からの使者。
不倒なる13体がひとつ。
畏れよ。崇めよ。
常闇の果て――誰の声も届かず、光さえ届かない絶冥の極点。
沈め。塞げ。堕ちろ。
睥睨する虚、謎する影。無間の闇。其は孤独と憧憬を持つ。
晴れることなき虚無の廻間、移ろいゆく絶望の揺り籠。
抑制せよ。屈服せよ。瞑目せよ。慟哭せよ。
真理の前には等しく不価値であり、万象は悉く絶滅せん。
壊煌──"黒き夜のランクランカ"
漣黒より目覚めし煉夜の獣は、月灯の洗礼に頭を垂れ、
万感の想いを胸に、今その誓いを絶叫する。
* * *
「──そうだね、孤独だった。だからこそ、なかまだった」
暗く、儚く、昏き漆黒の中に、金色の色彩がひとつ。
「そう信じてきた。
そう信じるしかなかった。それが救いだったから。でも──」
自らの意思を示すが如く、彼女が一歩を踏み出した。
ラグランジュが決戦の号砲のように唸りを上げる。
「あなたのかみさま、もういないよ。
よそ見しないで。こっち見て。迷ってないで。向き合って」
霊子力学加速世界type:NULL
神猫──"シオン・ランヴェルス"
「──倒してやるから自分で歩け、ランクランカ!!」
──『漣黒煉夜』より抜粋