私がやりました

Last-modified: 2024-10-21 (月) 00:43:39

オラスはエリスのサングラスをかけてご機嫌のようだった。

「でもまあ、全部エリスが悪いからなぁー」

「だから反省してますわ」

「反省は自分のためにすることじゃん?
 それを見て許すかどうかはみんなが決めることだし」

「……ぐうのねも、出ませんわ」

おなかのぐぅは鳴るのにね、とオラスは笑いながら、座り込んだエリスの立派な尻尾を手ぐしで撫でる。

「あの、優しくしてくださいます?」

「そんなこと反省中の人がいえるのかなー?」

「ぐう…」

「ま、明日になったらシオンも許してくれるって一」

「ほんとですの? 確度は? 確証は?」

「この中で、反省中のひとー?」

「…はーい」

「反省中の人は確度とかそんなの聞かないの」

「ぐう…」

「はぁ、仕方ないなぁ」

そういうとオラスはサングラスをエリスの額に戻し、にかっと笑って見せた。

「オラス、もしかして一緒に謝って──」

「シオンも一緒に反省させちゃおう!」

「は?」

唐突に、そして突飛すぎる解決策にエリスが硬直するなか「にしし」と笑いながらオラスは秘策を披露した。

「そんでオラスちゃんも一緒に反省する、どう?」


──『私がやりました』より抜粋