オラスはエリスのサングラスをかけてご機嫌のようだった。
「でもまあ、全部エリスが悪いからなぁー」
「だから反省してますわ」
「反省は自分のためにすることじゃん?
それを見て許すかどうかはみんなが決めることだし」
「……ぐうのねも、出ませんわ」
おなかのぐぅは鳴るのにね、とオラスは笑いながら、座り込んだエリスの立派な尻尾を手ぐしで撫でる。
「あの、優しくしてくださいます?」
「そんなこと反省中の人がいえるのかなー?」
「ぐう…」
「ま、明日になったらシオンも許してくれるって一」
「ほんとですの? 確度は? 確証は?」
「この中で、反省中のひとー?」
「…はーい」
「反省中の人は確度とかそんなの聞かないの」
「ぐう…」
「はぁ、仕方ないなぁ」
そういうとオラスはサングラスをエリスの額に戻し、にかっと笑って見せた。
「オラス、もしかして一緒に謝って──」
「シオンも一緒に反省させちゃおう!」
「は?」
唐突に、そして突飛すぎる解決策にエリスが硬直するなか「にしし」と笑いながらオラスは秘策を披露した。
「そんでオラスちゃんも一緒に反省する、どう?」
──『私がやりました』より抜粋