だからきっと、嬉しくないわけじゃない。
みんなを信じていないわけでもない。
それでも上手く笑えないのは、みんなを守りたいから。
肩の力を抜いた途端に、何もかもが消えてしまいそうで、それがどうしようもなく怖いから。
一人ぼっちに戻ってしまうのが、怖いから。
「──……シオン」
みんなには帰る家がある。
生きて帰ることを望んでいる。
だから、一人でも多く。
この小さな手のひらから、取りこぼさないように。
「シオン」
声に、振り返る。
みんないる。誰一人欠けることなく、誰一人失うことなく。
「……ん、帰ろ」
6人の後ろに長く影が伸びる。
495号線に陽が沈む。
──『route 495』より抜粋