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謎の女魔道士。
ゲーム序盤に登場するキャラクターで、【ヴィクトール】が、戦闘に不向きな【ジェラール】をわざわざ戦闘に連れ出すことを、父である【レオン】に対し苦言を呈していたところで接見を求めてくるところで登場。
レオンとオアイーブが会話中は、ジェラールを操作し、宮殿内や町中の探索を行うことになるので、具体的な話の内容は不明。
話を聞く限り、何度も接見を求めていたようだが、実際にレオンと対面したのはゲーム内イベントの時が初のようで、この時のレオンは「魔道士というから相当の年寄りだと思っていた」と訝しさを感じさせるような発言をしている【宮廷魔術士】は……。
会話が終わった後のレオンの話によれば「【クジンシー】が危険な奴だと注意しにきた」とのことであるが、その後、ヴィクトールがクジンシーに殺害された際には、真っ先にオアイーブを探して呼びつけるよう兵士に指示を出していることから、説得力のある話をしていたことは間違いなく、少なくとも漫然とクジンシーが危険だとだけ伝えたわけではないのだろう。
その後の話も断片的にしか分からないが、普通に戦っても勝てないであろうクジンシー及び七英雄に対抗するための手段としてレオンに【伝承法】を伝えており、レオン自身も「ただのでまかせかもしれない」と言いつつ、伝承法を頼り、自身の命をなげうってクジンシーの必殺技を見切った上で、自身の記憶と能力をジェラールに引き継がせることになり、レオンの遺志を継ぎ和平のために七英雄の排除と全土統一を目指す長い戦いが始まることとなる。
帝国が七英雄と対抗するためには(少なくとも物語としては)伝承法が必要不可欠となっているため、そういった意味でいえば、文字通り帝国にとっては救世主といってもいい存在であるが、序盤のイベントが終了した後は出番がない。
次にオアイーブに出会うのは、【最終皇帝】が出現した際か、あるいはそれまでに【トーレンス】の【忘れられた町】を訪れた時である。
前者のタイミングで出会った場合は、クジンシーの復活に狼狽える最終皇帝に対し、クジンシーをはじめとする今まで倒した七英雄は全て生きており、本体を倒さなければ真に七英雄を倒すことはできないこと、そして伝承法にも限界があり最終皇帝が伝承法の最後の継承者となることを伝えてくる。
なお、後者のタイミングで出会った場合は、最終皇帝出現時の話をその時点で行い、クジンシー復活時の皇帝が最後の皇帝となることを教えてくれるため、最終皇帝出現時はクジンシーが復活したことで自身が最後の皇帝であることを知ることとなる。
なぜ、オアイーブが伝承法を帝国に授けたのかは最終皇帝の代になるまでの間に忘れられた町に行くと聞くことができるが、この際に七英雄の過去を断片的ではあるが知ることができるので本作の物語を深く知りたい場合は、是非とも一度見ておきたいイベントである。
オアイーブと出会った皇帝は「伝承法を授け君達(古代人)にとって邪魔となる七英雄を始末させようとしたのか」と詰め寄る。
それに対し、かつて七英雄は古代人にとって脅威であったモンスター達に果敢に挑む英雄であったが、その強くなりすぎた力が他の古代人である自分たちに向くことを恐れた。
そこで、古代人は七英雄を別の次元に追放したが、彼らはいつか復讐のために戻ってくると思っていた。
自分たちは七英雄に殺されても仕方ないが、皇帝をはじめとした現代人にとっては無関係の話であり身を守る権利があることから対抗する手段として伝承法を教えたと述べる。
それ以降の話は既述の「七英雄の血の誓い」や「伝承法の限界」について教えてくれる。
この時のオアイーブの話をどのように捉えるかによって彼女の印象が変わってくる。
古代人が七英雄を追放したことは事実であり、だから身を守るために伝承法を教えたと言われても、まず古代人がなんとかしてくれよ、と言いたくなるのも無理はなく、そういった意味では、皇帝が最初に述べるように「自分たちでは対処できないから、戦いができそうな帝国を利用した」と考えるのも無理はない話である。
もっとも、既に七英雄は7体のモンスターであり対話ができるような状況ではないということを考えれば、単純に撃破するしかない。ただ、自分たちは罪の意識がありそういったことはできないから、身を守るための手段を教え、その後どうするかは帝国次第、という考え方もまた間違いではない。
クジンシーがアバロンを襲撃した後、伝承法なくしては帝国は滅亡(あるいはクジンシーに掌握)の道しか残されていなかったのはほぼ間違いないことから、敢えて七英雄と戦わせるような方法を伝授したというのも、オアイーブとしても苦渋の決断だったとも考えられる。
伝承法そのものも、なぜ限界が来るのか、そのタイミングが都合良くクジンシーが復活した時なのか、といったことも含めて明かされないため、忘れられた町で話を聞いた後の彼女の印象はプレイヤーによって大きく分かれるところであり、中には「オアイーブこそが黒幕だ」、「やはり女ギツネだった」とする者もいる。
名前は【七英雄】と異なり駅名からではなく、タニス・リーの小説『冬物語』から命名されていることが河津氏に明言されている。
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CV:ファイルーズあい
立ち位置はオリジナル版とほぼ同様だが、【七英雄の記憶】において過去のオアイーブについても描写がされているほか、イベント描写が緻密になり、オアイーブの心情理解もしやすくなっている。
設定的には【大神官】の娘であることが新たに判明しており、【サグザー】、【ノエル】と幼馴染みであることも作中で分かるようになった。
最終皇帝出現時に登場したり、忘れられた町で話が聞けたりするのも同様だが、忘れられた町で話を聞く際に、最終皇帝より前の皇帝で話しかければ【アビリティ】【不老不死】が取得できるようになっているため、忘れず入手しておきたいところ。
また、最終皇帝出現時に登場した場合は、忘れられた町の存在を教えてくれるため、マップ移動が可能となる。
七英雄の記憶においては幼馴染みであるノエルに対し好意を持っていることが分かり、幼少期に山で迷子になった際にノエルが助けに来てくれることを信じて待ち、実際にその通りになったことや、【ターム】との戦いが激化する中でノエルの身を案じていることが描写されている。
七英雄が追放された後も、ノエルなら必ず戻ってくると信じていることから、サグザーから「君は(厄災のあるこの世界ではなく別の世界で)生きてほしい」と言われたにもかかわらずこの世界に留まることを決意したようである。
七英雄の追放は父である大神官が行っているが、オアイーブが知らなかっただけなのか、それとも抗議したが聞き入れられなかったのかは不明。
七英雄というかノエルが戻ってくることを信じて待っていたオアイーブがなぜ帝国に伝承法を授けたのかは作中で詳しい描写はないが、ある程度の考察は可能である。
原作同様、オアイーブは七英雄が【血の誓い】を交わしていること、七英雄が本体を隠し、幻体として活動していることを知っている。しかしながら、七英雄の記憶によれば、七英雄が血の誓いを交わしたのは七英雄追放後であり、当時のオアイーブがそのような事情など知るはずもない。
……となると、オアイーブはどこでその話を知ったのか、という話であるが、戻ってきた七英雄、おそらくノエルと一度出会って、そのときにこの話を聞いたと考えるのが自然である(もっとも、七英雄にとって致命的とも言えるほどの秘密をノエルが軽々と話すのかという疑問はあるが)。
この時の七英雄の様子を見て、既に英雄の心を失い、古代人(というより大神官)への復讐を誓うモンスターと化していると判断したオアイーブは、クジンシーが【北バレンヌ】を侵略していることから現代人に危害が及ぶことを察し、伝承法を教えた。
そこに、かつて世界を救い、そして愛する存在でもある七英雄、その成れの果てに安らかな眠りを与えてほしいという願いも込めた、と考えられる。
もっとも、忘れられた町で聞ける話はオリジナル版から変わっていないため、そちらの話を愚直に信じるのであれば本当にただ身を守るための術として伝承法を授けたものとも考えられる。
いずれにせよ七英雄との対話的解決は不可能と判断しての行動であることは間違いなく、ノエル以外の七英雄のことをどのように考えていたかは分からないまでも、少なくとも恋い焦がれていたノエルが討ち果たされる可能性は受け入れていたのだろう。
【エンディング】では、七英雄の消滅を忘れられた町から見ており、この際に涙を流していたり、スタッフロールの最後の一枚絵が七英雄の簡易的な墓標を作っているオアイーブのイラストであったりすることから、伝承法を授けることは、彼女にとっても辛い選択であった、というのは確かである。
RSU
[大神官の娘として]がSSランクスタイルが実装されている。武器は杖。