百科事典的なやつ/用語集(鉄道関連)/遜色急行

Last-modified: 2022-11-20 (日) 06:07:10

遜色急行とは本来急行で使われることがない列車で運行される急行のこと
対義語は乗り得列車

概要

この単語が出てきたのは鉄道友の会発行の「railfan」1978年8月号、1960年代から1970年代にかけて全国で準急・急行が大量発生し
準急・急行型車両だけで全てを賄うことができなかった*1ためしかたなく一般形や近郊型を使用した定期列車が登場した
さらに繁忙期になると「臨時列車走らせないわけにはいかないじゃん?でも臨時列車走らせるにも車両が足りないとできないじゃん?」(by国鉄の偉い人)となるので戦前製のオンボロや居住性と乗り心地が低い鋼体化改造を施した客車
しまいにはロングシートの車両まで駆り出された

発生の要因

  • 1.車両不足
  • 2.運用の都合(車庫への送り込みなど)
  • 3.1両で運転出来る急行型がいない(北海道の過疎地域でよくあった)
  • 4.乗客層の絞り込み
  • 5.急行型の陳腐化、普通・快速列車の設備向上

主な列車(ここでは準急も取り上げています)

  • 準急しれとこ・くなしり・らうす
    根室線・標津線で運転されていた準急、1962年10月の運転開始から1年ほど戦前製のキハ05形が使用された
    戦前製なので乗り心地は悪かったがトイレはあったので長距離運用がなんとかできた
    キハ05撤退後も一般形のキハ21形が使われることもあった
  • 急行いなわしろ
    只見線他で運転されていた急行、単行運転できる急行型気動車がいなかったため単行運転可能なキハ52形やキハ53形を使用していた
    キハ52-128は急行運用を考えて首都圏色への塗装変更を免れることができたという逸話がある
  • 急行ときわ
    常磐線で運転されていた急行、使用車両は本来451・453系なのだが製造が追いつかないのと冷房改造で車両不足が発生し
    1968年10月から1978年10月まで定期1往復と臨時便に401・403系が使用された
    デッキなしで爆音、さらに非冷房の確率が高かったため遜色急行の悪評が広まる元凶となった
    ちなみにときわは現在常磐線の特急の愛称として使われている
  • 急行なすの・日光
    東北線・日光線で運転されていた急行、本来は165系が使われるが1968年10月から1976年までは下り1本だけ115系が使われていた
    また日光は一時期急行型の165系・特急並みの設備を持つ157系・近郊型の115系が共存していた
    ちなみになすのは新幹線の愛称、日光は特急の愛称として使われている
  • 急行あかぎ・ゆけむり
    高崎線・上越線で運転されていた急行、本来は165系が使われるが下り1本だけ115系が使われていた
    現在あかぎはJRの特急、ゆけむりは長野電鉄の特急に使われている
  • 急行かいじ・かわぐち
    中央本線で運転されていた急行、1968年10月かた1978年10月まで1往復で115系が使われていた
    1970年10月からの2年間はサロ165-14を組み込んでおり165系で唯一スカ色をまとった車両になった
    当時は中央本線に70系電車が残っており位置づけでは比較的上だった
    かいじは2010年あたりに一度115系を使用してリバイバル運転していた
    現在かいじは中央本線の特急の愛称となっている
  • 急行天竜
    篠ノ井線・中央本線・飯田線で運転されていた急行、1978年5月から5か月ほど下り1本で115系が使われていた
    80系から165系への置き換え時期だったので車両不足の代替として起用された
    ただし通常の115系よりも接客設備が良かった1000番台が起用されたため165系と同程度の居住性だった
  • 急行能登路
    七尾線で運転されていた急行、七尾線電化後415系800番台を使用する列車が誕生
    シートピッチは広くなったが座席が狭く3ドアデッキなし、おまけにロングシートがあるときた
    能登路は急行格上げ前から格下の車両が使われることが多く急行格上げになってもキハ55・26形が使われていた
  • 急行つやま
    津山線で運転されていた急行、2003年10月から廃止までキハ40系で運転
    JR最後の昼行急行でキハ40系の急行使用に際して両開きドア・デッキなしのキハ47系は使わないなどの配慮はあったが
    座席はそのままだったため地元から「ぼったくり急行」と呼ばれていた
    快速「ことぶき」最速達便との違いは法界院に止まるかどうかだけ、ちなみにことぶきも登場当初は指定席があった
  • 急行ゆのか・ぎんなん
    ゆのかは日豊本線・ぎんなんは鹿児島本線で運転されていた急行、1968年10月から1972年3月までゆのかは1往復・ぎんなんは下り1本だけ421・423系が使われていた
  • 急行弥彦・越後
    高崎線・上越線で運転されていた急行、1962年6月の登場から1963年3月まで80系や戦前製のクハ47形・サハ48形が使用された
  • 急行秩父路
    秩父鉄道で運転されている急行、通常時は専用の6000系が使われるが非常時には5000系・7000系・7500系が使われている
  • フジサン特急
    富士急行で運転されている特急、通常時は8000系(元小田急RSE)が使われるが検査などで運用離脱中は6000系(元JR205系)が代走に入る
    特急料金?もちろん取りますよ
  • 特急いざぶろう・しんぺい
    肥薩線で運転されている特急(人吉~吉松は普通列車)種車はキハ40系列
    改造はされているがボックスシートで自由席はなんとロングシート

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*1 共通仕様にしても製造にはお金と時間がかかるし横軽対策や寒冷地対策など地域によって対策を施す必要もあるため