童子切との絆語り

受注

［童子切］
上方での晩酌も良かったですが、
こちらの下り酒も絶品ですねー。

［悪路王］
吾としては供えられた
陸奥の酒も好みではあるが――

言う通り、下りの諸白(もろはく)は
代えがたいものがあるな。

［とこよ］
お二人とも……この時間から
お酒の話ですか？

［童子切］
あら。とこよ様。
こんにちはー。

［悪路王］
とこよか。時間など、
永く生きる吾には――

［とこよ］
永く生きているからこそ、
そこはちゃんと弁えてください。

［童子切］
まあまあ。とこよ様も、
飲めるようになったらわかりますよー。

［悪路王］
その時まで吾を飽きさせねば、
酌み交わすこともあろうな。

［とこよ］
そりゃ……！　私だって、皆さんと
いつかは、とは思いますけど……

［童子切］
いつか、ですかー。そうですねー。
それなら、こうしましょうー。

「剛杉の原木」を十個
持ってきてもらえませんかー？

［とこよ］
い、いきなりですね……

［悪路王］
ふむ、なるほど。
粋なことを考えたな。式姫よ。

［とこよ］
二人で納得されてもですね――

［童子切］
まあまあ。いいじゃないですかー。
いつでもいいので、お願いしますねー。

達成後

［とこよ］
剛杉の原木を持ってきましたよー。
ちょっと量が多いですけど。

［童子切］
ありがとうございますー。
それでは、こちらでお願いしますねー。

［職人］
これだけ質がいいなら大丈夫ですね。
では持っていきます！

［とこよ］
あれ、今の人たちは？

［童子切］
できたお酒を入れておく、
酒樽を作る職人さんですよー。

私は諸々の手配をしてー。

［悪路王］
吾は陸奥より、
寒気に耐える強き米を――

［童子切］
そしてとこよ様には
酒樽の用意をして貰いましたー。

［吉備］
悪と式姫の願いとあっては、
ワシも動かぬ訳にはいかんな。

［とこよ］
校長先生？

［吉備］
普段より良くして貰っておる蔵と、
杜氏にかけあっての――

特別に造ってもらうことに
したのじゃ。

［悪路王］
良く言う。面白そうだと
目を輝かせていたではないか。

［吉備］
まあそういうな。
ワシにも思うところがあってな……

［童子切］
お酒を造るのなら、ちゃんと
お上にも話を通しておきませんとー。

お酒の中には、長い時間をかけて
熟成するものもあるんですよー。

いつか落ち着いたとき、
鏡を開いて――

一緒に盃を傾けましょうかー。

そのときには、相手をして
貰いますよー？

［とこよ］
は、はい！
楽しみにしておきます！

［吉備］
（ワシが願掛けをするとは……
弱くなってしまった、かもしれんの……）