【デイジィ】

Last-modified: 2024-05-05 (日) 20:31:17

ここでは、「デイジ」という名前のキャラクターについて述べる。

概要

デイジィとは、下記の作品に登場する人物。相互に関連はない。

  1. アニメ【ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説~】のパーティキャラ
    「ディジー」「デェイジィー」「デイジィー」「デイジー」などの表記揺れがある。
  2. ジョーカー1の登場人物

ジョーカー1

ライバルマスターの1人。
【ノビス島】【ヨッドムア島】【レガリス島】【モルボンバ島】に出現し、【おどるほうせき】【おばけキャンドル】といった【物質系】モンスターを中心としたパーティを使用する。
クリア後は【さつじんイカリ】【ばくだんいわ】【メタルドラゴン】【ゴールドマン】【メタルハンター】の内いずれか3体を使ってくる。

アベル伝説

勇者アベル伝説の主要人物
【アベル】 - 【ティアラ】 - 【モコモコ】 - 【ヤナック】 - 【デイジィ】

主要人物のひとりで女の【戦士】。CV:三田ゆう子。4人目のパーティキャラ。
 
切れ長の鋭い目つきと赤毛のロングヘアが特徴的な17歳の少女で、二本の角が生えたバイザー付きの兜(【主人公(DQ1)】の兜に近いイメージ)と【かわのよろい】に似た軽装鎧を身に着けている凄腕の賞金稼ぎ。鎧兜は青色で統一されている。
なお【週刊少年ジャンプ】誌上で最初に公開された【鳥山明】の原画では、目付きが異なり縦長に描かれていた。
 
卓越した剣技を持つが、利害打算で行動している守銭奴で、金にならない事はしない主義。
最初の頃は仲間意識を持たず、【アベル】達とは一線引いた関係を築いていたが、利害など二の次で行動するアベルの姿を見て次第に打ち解けていき、好意まで寄せるようになる。
しかし、当のアベルは【ティアラ】にぞっこんなので、残念ながら彼女の心中を察することは無く、彼女もあえて自分の気持ちを打ち明けることはせずに、最後まで「仲間」として剣を振るい続けた。
気が強く男勝りな性格だが、実はネズミとゲジゲジが大の苦手で、アクセサリーや洋服にも興味を示すなど、時折年頃の少女らしい一面を覗かせることがある。
 
後述の事実からもわかるように性根は心優しく、誰よりも家族を大切に想う慈愛の精神の持ち主。
それは数々の苦難を共に乗り越えてきた仲間に対しても同様で、死にかけたアベルの命を何としても救おうと奮闘したり、師匠を亡くした【ヤナック】を自分も弟を失いながらも笑顔で励ましたり、【モコモコ】が死んでしまったときには人知れず涙を流すなど、終盤では戦闘で活躍する一方で、その本来の優しさもよく描かれていた。
 
主人公のアベルと親友モコモコのキャラ背景の薄さやヒロインのティアラが賛否両論なことも相まってか、彼女のビジュアルに加え、生い立ちや立ち振る舞いは視聴者の心をガッチリとつかみ、主人公たちを食ってしまうほどの人気を会得した。
作品が放映されたのは1989年からだが、今なお二次創作において本編の女性キャラと顔を並ばせる作品もある辺り、未だに根強いファンがいる事を伺わせる(特に入浴シーンのある8話は有名)。
また、初期の頃はゴールドという名の巨大な羊のような動物(?)を連れており、それを馬代わりにして7話のラストまで騎乗していたが、8話の冒頭では既にいなくなっていた。

旅路

初登場は2話で【ヤナック】よりも早い登場である。
当初は未熟なアベルたちの危機に駆け付けては賞金首やモンスターを倒し、有り金やモンスターの素となった宝石をいただいて去っていく謎の助っ人として登場。
【アリアハン】城下町では城に向かうアベルたちに賞金首の男が絡んでいたところを助け、直後、アリアハンの城に攻め込んでいた【大魔王バラモス】の手下の【宝石モンスター】を狩り、颯爽と立ち去る。
その後アベルたちを尾行し彼らを助けるが、当初アベルは【ティアラ】との思い出の品である羽を乱暴に扱ったデイジィが気に食わない様子だった。しかし竜伝説の地図を奪われたアベルたちに旅の目的を聞き、行動を共にすれば宝石を稼げそうという、あくまで打算的な目的で仲間に加わる。
 
後にティアラを救出しようとするアベルとともに【浮遊要塞ガイム】に乗り込んだ際、大魔王バラモスが世界を【死せる水】で覆い尽くそうと企んでいることを知る。
その後バラモスに力の差を見せつけられたアベルに懇願されたデイジィは彼の本気さに折れ、彼に剣術を叩き込む。
 
旅の途中訪れた【ナジミの塔】では【ポポタ】の姿を見て、弟の【トビー】のことを思い出す。
彼女が金に執着する理由は、10歳の時人買いに連れ去られたトビーを買い戻すためであり、そのために剣を取り、弟を探しながら各地を回り、賞金稼ぎとしての腕前を必死に鍛え続けてきたのだ。
【ドランの都】でトビーに関する聞き込みをするも手がかりは見つからず、ここで初めてアベルにその事実を打ち明ける。自分の無力さを嘆いて集めた宝石を放り投げるが、「そのうち会えるさ」と励まされ旅を続けることに。
 
【赤き珠の島】でティアラや【ドドンガ】と出会うが、ティアラが呼び出してしまった【水竜】を封印した反動でアベルが瀕死状態になり、デイジィは彼を背負って必死に【ザナック】の家まで運んでいった。
アベルを助ける方法をザナックから聞いたデイジィは、罪悪感で泣いてばかりのティアラを叱咤激励。立ち直った彼女と協力して【パデキア】を手に入れ、その甲斐あってアベルは復活を果たしたが、「お前はアベルだけでなくティアラをも救った」とのザナックの言葉に複雑な気持ちを抱いた。
 
【伝説の竜】の復活に必要な【聖剣】【聖杯】を求めてアベルとティアラが二手に分かれる際には、デイジィは聖剣を探すアベルに同行する。
そして【青き珠の島】にて、敵である【ジキド】の手下となっていたトビーとの再会を果たす。敵に寝返っていた彼を説得することはなかなかできなかったが、最後にジキドの呪文を受け止めようとしていたデイジィはトビーに庇われ、そのまま彼は帰らぬ人となってしまった。なお妹の【ルナ】は既に亡くなっていた。
 
仲間たちとともにジキドを追ってアリアハンに赴いたデイジィはアベルとともにジキドを倒し、トビーの敵討ちを果たした。
その後現れたバラモスとの決戦では、仲間を死なせないために必死に戦うアベルの姿を見て、彼の素晴らしい成長ぶりに胸を熱くする。そして最後まで、デイジィはアベルの戦いを陰から支えた。
バラモスを倒しアベルとティアラが生還した後、デイジィは二人が真剣に愛し合う姿を見てついに「負けたよ、あの二人には」と認めた。そして彼らや仲間たちとともに、平和になった世界を巡る旅に出るのであった。

装備

登場時は細身の【てつのつるぎ】を使用していたが、【天使の岬】での戦いで【ガメゴンロード】に通じず折れてしまう。
その後は【ふぶきのつるぎ】を手に入れたアベルのお下がりである【はがねのつるぎ】を貰い愛用していたが、これまた【亡霊の島】【ジキド】にへし折られてしまう。
鋼鉄の剣を失った後、しばらくは【ドランの都】【どうのつるぎ】を大量に買い、折れたら捨てるという戦い方も見せた。
【闇のバザール】では【バハラタ】の友人にして凄腕の剣士でもあるジャック・スワードから【はやぶさのけん】を譲り受け、最終話までこれを愛用している。
なお、そのジャックから剣を奪い取る場面ではバハラタの提案により、彼を油断させようと花売り娘に変装し、そのときの下着を着たままバラモス配下のモンスターと戦うことになった。

戦力

勇者という肩書きの割に呪文が使えず、ゲーム的には戦士に当たるアベルや、力任せに戦うモコモコとは異なり、素早い身のこなしと目にも留まらぬ卓越した剣技を武器に戦うスピードが自慢のキャラ。
その剣速は敵が斬られた事にすら気付かないまま仕留められる事もあるほどで、鈍重ながらもタフなパワー型というゲーム本編の戦士とは一風変わった個性を持ち、装備も比較的軽装で作中では一切盾を使わない。
隼の剣を入手した時にはバハラタが宙に放ったコインを一瞬で八等分にする芸当も見せた。
その剣技はアベルがどうしてもと教えを乞い、「教えてくれるまでここを動かない」とまで言わしめるほどの腕前で、当初はまだまだ未熟で剣もろくに扱えなかったアベルを鍛え、一人前に育て上げた功労者。
アベルにとっては頼れる仲間であるのと同時に、事実上の剣の師でもある。
 
また、持ち前の素早さを活かしたスリや強奪も得意としており、重装備やタフさがウリの【戦士】と言うよりは、【剣士】【盗賊】に近い。見た目もDQ3本編の女戦士(男勇者よりも背が高い大柄で筋肉質)とは全く似ておらず勇者であるアベルよりも背が小さい。
 
ちなみに、DQ3で再現しようとしても戦士のままでは隼の剣を装備できないので、最初は戦士にして隼の剣を入手したら盗賊に転職する必要がある。盗賊がないFC版で強いて代用するなら商人あたりだろう。まあ、それ自体単にパワーダウンな転職でしかないので全く実用的ではないが…
或いは最初から最後まで商人というのも再現に近い。職業名称だけを見れば全く違うように思えるだろうがDQ3の商人は鋼鉄の剣や隼の剣を装備でき、また鎧は【てつのよろい】止まりなので、終始軽装だった彼女と案外マッチしていたりする。「盗む」とはちょっと違うが、金策が上手いという要素として代用になる。
ステータス的にもモロに鈍重な戦士よりも、ある程度の素早さがあることもあって、職業名称を除けばよりキャラ的に近い再現ができる。
見た目がアラビア風のポニーテール姿になってはしまうが、FC版なら水着を着せれば長髪の軽装姿にはなるので多少イメージも近くなるだろう。
もっとも、実用面では中盤以降は普通に戦士を使うよりだいぶ劣るのは否めないが・・・

余談

後にDQ6に登場する【テリー】は彼女の弟トビーに容姿や生い立ちが似ており、よくネタにされる。
声を担当している三田ゆう子は『魔法のスターマジカルエミ』の香月岬や『ハイスクール!奇面組』の河川一平など「姉のいる弟キャラ」は何度か演じていたが、その逆となる「弟のいる姉キャラ」は初であった。
 
またDQ3で「デイジィ」という名前はリメイク版でしか入力出来ない。FC版では無理矢理入れると「て゛いし」になってしまう。濁点のこだわりによって「ていしい」「ていし゛」「て゛し゛」も考えられるが、そのへんはお好みで。
 
「一撃の威力よりも、手数の多さによる力削ぎ&急所狙い」というその戦闘スタイルは、ロト紋のキラに通じるものがある。
互いの共通点として「最終武器が隼の剣」「勇者に自らの剣術を指南する」などもあることから、ロト紋は大なり小なりの影響を受けている可能性もある。

ロトの紋章

アベル伝説のデイジィらしき人物がモブキャラとして描かれている。
コミックス11巻収録の『LEVEL40 第三のロト』の冒頭シーン、主人公アルスが旅立った直後のアリアハンに、第3の勇者アステアが辿り着いたシーン。