【透視の指輪】

Last-modified: 2022-05-31 (火) 00:04:12

概要

トルネコ2以降に登場する【指輪】の一種。
シリーズ共通で、今いるフロアにいるモンスター全員の位置をマップで視認できる効果を持っている。
トルネコ2ではモンスターに加えて、アイテムの位置も視認できる。
【地獄耳の巻物】【千里眼の巻物】を合体させたような効果である。
フロアの構造や階段、ワナの位置までは分からない。
 
透明状態の【シャドー】系モンスター・【パルプンテの巻物】はこの指輪で視認できない。
これらは【シャドーの指輪】【めぐすり草】の効果で視認できる。
当然だが、ダンジョン内で擬態している【ミミック】【ひとくいばこ】が本物のアイテムか否かという事も判別できず、擬態中の【うごくせきぞう】もマップには映らない。
 
トルネコシリーズ最強の指輪と言っても過言ではない。
モンスターやアイテムの位置が分かる、というのは一見地味なようだが、非常に強力な効果である。
通路が暗闇でいつどこからモンスターが襲ってくるか分からない不思議のダンジョンにおいて、敵がどこにいるのか分かるという安心感は大きい。
この指輪を装備していれば、通路でのモンスターの先制攻撃を未然に防げるし、見つけた敵を矢や杖などで早めに対応できるようになる。
また、フロアに【モンスターハウス】があるかどうかすぐに確認できるのも便利。
 
製作陣もその利便性を把握しているのか、GBA版トルネコ2の【もっと不思議のダンジョン】やトルネコ3の【異世界の迷宮】などの、持込不可ダンジョンでは入手不可能なことが多い。
逆に【不思議のダンジョン】【封印の洞くつ】などの、持込可能ダンジョンでは入手可能なことが多い。
入手難易度自体はそこまで高くないが、最大の活躍の場であろう持込不可高難易度ダンジョンでは入手できないことから、初心者救済という意味合いが強いアイテムである。

トルネコ2

PS版は販売価格5000G、買取価格2500G。
GBA版は販売価格10000G、買取価格5000G。
 
【不思議のダンジョン】で普通に拾える。ここでは結構出現するので比較的簡単に入手できる。
PS版のみ【もっと不思議のダンジョン】でも拾える。
【試練の館】の11F~20Fの【ガーゴイルの店】でも出現することがあるが、かなり低確率。
 
上記にも書いた通り非常に優秀な指輪で、この指輪を装備すれば下記のようなメリットがある。

  • 通路でのモンスターの先制攻撃を未然に防げる、言い換えるとトルネコがモンスターに先制攻撃できる
  • 【妖剣かまいたち】があれば、部屋や通路の角を利用して2回先制攻撃できる
  • 【モンスターハウス】【ガーゴイルの店】・埋蔵金等の有無を、フロアに降り立った直後にすぐに確認できる
  • モンスターに隣接される前に矢・草・杖等の飛び道具で狙撃できる
  • アイテムの位置も視認できるので、アイテムのない部屋まで無駄に歩き回らずに済み、【満腹度】の節約にもなる

モンスターの位置を視認できるだけでも便利だというのに、トルネコ2ではアイテムの位置まで分かってしまうのだから、利便性はトルネコ3以上。
装備した瞬間にモンスターとアイテムの位置がマップに表示されるので、識別も非常に簡単。
 
PS版では、トルネコの視界外のモンスターは位置が赤い点でマップに表示されるだけで、画面にはモンスターのグラフィックが表示されない。
つまり、「向こうから誰か来たのは分かるが『誰が』来たかは分からない」ということ。
モンスターの種類を知るには、トルネコが近付くか、飛び道具等で攻撃してメッセージで判断する必要がある。
【地獄耳の巻物】を読んだ場合の地獄耳状態であれば、暗い位置に存在しているモンスターのグラフィックを視認できる。
少なくともPS版では、透視の指輪は地獄耳の巻物の完全上位互換というわけではない。
 
GBA版では仕様が変わっており、透視の指輪で視界外の暗い位置に存在しているモンスターとアイテムの姿も視認できる。
逆に、この指輪がない時に【地獄耳の巻物】【千里眼の巻物】を読んでも、マップに赤と青の点が表示されるだけで、通路の暗い位置にいるモンスター・アイテムのグラフィックは表示されない。
つまりPS版とGBA版では、「透視」と「地獄耳&千里眼」の特性が逆転している。
 
【めつぶし草】等の効果で【めつぶし】状態になっている間は、目が見えないのでモンスターとアイテムの位置が視認できない。
【まどわしガス】を踏んで幻覚状態になった際も、モンスターとアイテムの位置が視認できなくなる。
 
あえて弱点を挙げるとするなら、【開幕モンスターハウス】や大部屋モンスターハウスを有利にするような能力はないこと。
透視の指輪を入手したからといって油断せずに、【ルーラ草】【はりつけの巻物】など、開幕モンハウ対策になるアイテムは確保しておきたい。
【大部屋モンスターハウス】では今いるフロア全体が見渡せる状態になるので、この指輪を装備する意味が完全に無くなる。
トルネコ2ではモンスターハウス突入で地獄耳状態になるので、大部屋でなくとも、モンハウ突入後は透視の指輪は不要になる場面が多い。
【えんとうの指輪】【爆発の指輪】【回復の指輪】等、モンスターや状況に応じて使い分けよう。
 
この指輪を装備していたとしても、通路で迂闊にダッシュしたらモンスターに先制攻撃されてしまうので注意。
モンスターの位置を確認しつつ、通路を一歩ずつ慎重に歩いてこそ、真価を発揮する指輪である。

トルネコ3

販売価格は10000G、買取価格は5000G、印数は2、重さは4。
【遺跡の大空洞 南】【試練の道】【封印の洞くつ】などで拾える。
【不思議の宝物庫】【発掘】でも入手できる。
 
GBA版トルネコ2同様、プレイヤーの視界外のモンスターも画面に姿が表示され、モンスターの種類やレベルも視認できる様になった。
しかし、今作で視認できるのはモンスターだけになり、残念ながらアイテムの位置は視認できなくなった。
また、「自分でフロアを歩いて端部までマップを埋めないと隅々まで見渡せない」という、今作のマップ独自の弱点も追加されている。
 
それでも、この指輪が1個あるだけでダンジョンのクリア率は飛躍的に上昇する。
敵の位置を視認できるだけでもやはり強い。全体的に難易度が高いトルネコ3における心強い味方になる。
【一時しのぎの杖】を組み合わせて【階段】の位置を間接的に特定する、等の応用技も増えた。
 
シナリオクリア前では最速で遺跡の大空洞 南で拾う事で入手できる。
同ダンジョンは10Fと結構長いので、何度か往復していると割とすぐに収集できる。但し厄介な特殊能力を持つモンスターに注意。
トルネコ編で入手し損ねた場合でも、ポポロ編で試練の道で拾う事で入手できる。
非常に便利な効果を持っている指輪だが、シャドーの指輪や【石像よけの指輪】と比べて、かなり簡単に入手できる。
これを入手できるか否かで今作のシナリオの難易度は大きく変わるので、是非とも1個は入手しておきたい。
余裕があれば、なんらかの事故で紛失してもすぐにまた使えるように、複数個入手して【倉庫】に保管しておきたい。
 
この指輪の最大の活躍の場であろう、【異世界の迷宮】【まぼろしの洞くつ】では絶対に入手できない。
これらのダンジョンで入手できてしまったら視界が2マスや1マスである意味がなくなってしまうし、難易度が下がりすぎてしまうためであろう。
持込不可ダンジョンでこそ欲しい強力なアイテムが、持込可能ダンジョンでしか手に入らないのは、トルネコ3にはよくある仕様である。
 
透視の指輪に限った話でないが、何らかの要因で呪われた状態になったり、【封印のワナ】の効果で封印状態になった場合、指輪の効果が発揮されない点に注意。

透視の指輪をベースにすることの有効性

今作では新たに指輪も【合成】できる様になった。
強力な効果を持ったこの指輪は、合成に必須の指輪の一つと言ってよい。
【つうかの指輪】【混乱よけの指輪】【インパスの指輪】【毒けしの指輪】【眠らずの指輪】【ハラヘラズの指輪】【シャドーの指輪】【ワナ抜けの指輪】【ハラモチの指輪】【ミニデーモンの指輪】【技封じの指輪】【はね返しの指輪】【石像よけの指輪】等、合成相手は多岐にわたる。(印が並ぶ順番)
 
また、この透視の指輪そのものを指輪の合成のベースにするというのも一つの手。
封印の洞くつ・不思議の宝物庫には、合成した印を左側から消すという恐るべき特殊能力を持つ【どくどくゾンビ】が登場する。
「ベースとした装備の印は、どくどくゾンビの印消し攻撃で絶対に消されない」という特性がある。
そのため、透視の指輪などの重要な効果を持った指輪をベースにすることで、そのベースの印が消されるのを防ぐことが可能。
特に透視の指輪の「視」印は、印消し攻撃で真っ先に消される一番左の位置に来ることが多いので、ベースにするメリットが大きい。
上記に挙げた実用性の高い指輪のうち、「視」印より左に並ぶ印は通過の指輪しかなく、通過を合成しない場合は透視が真っ先に消されるハメになる。(【回復の指輪】【会心の指輪】などの印も視印より左に並ぶが、合成候補に挙がることは少ない)
危険な能力をもつ敵の存在をより早く感知できる点で「視」印は非常に重要であり、透視の指輪をベースにすることは一定の有用性があると言える。
 
ただ、透視の指輪と爆発の指輪があれば、どくどくゾンビから全く特技を喰らわずに立ち回ることは不可能ではない。
通路では一歩ずつ慎重に歩いて先制攻撃を防ぎ、隣接されたら【爆発の指輪】で確実に消し飛ばせば良い。
まぼろしの洞くつが得意なプレイヤーならそう難しくはないだろう。爆破すれば【お墓】を残されることもない。
 
透視の指輪は初期印数が2しかなく、印数を最大の6まで増やすのに【白紙の巻物】が3つ必要になる。
白紙の巻物もなかなか集めづらいアイテムであり、3つも集めるのにそれなりに時間がかかる。
【邪悪な風穴】12階~14階で変化の壺を使うと出ることもあるが、ゴールドに変化するばかりで白紙は滅多に出ない。
白紙の巻物は武器や盾の印数も増やしたり、発掘用に【大部屋の巻物】を書いたりと他にも用途があり、無駄遣いは避けたいアイテムである。
 
透視の指輪は消されると一番困る能力ではあるが、シナリオダンジョンに落ちており再入手自体は容易。
【すいとりの石像】【がいこつけんし】系の装備弾き等で指輪を丸ごとロストしてしまったら、どの指輪をベースにしていようが無関係である。
 
つまり、

  • どくどくゾンビは爆発の指輪などを使って特技を受ける前に確実に倒す自信がある
  • 白紙の巻物を指輪の印数増加に大量に使うのはもったいない
  • 指輪を丸ごとロストする可能性があるガイコツ剣士やすいとりの石像に比べれば、印を1つ消されるだけのどくどくゾンビはまだマシ

といった考えなら、初期印数が多い【ふつうの指輪】【黄金の指輪】をベースとして使うのもアリである。

余談

元ネタは【風来のシレン】に登場した「透視の腕輪」。
こちらでも続編が登場するに連れて、段々とレアアイテムおよび高級アイテム扱いされている。
シレンシリーズの透視の腕輪は総じて「モンスターとアイテムの位置が分かる」という効果で、「モンスターの位置のみ分かる」効果のものは「気配察知の腕輪」という別の名称のアイテムになっている。アイテムの位置のみ分かる「道具感知の腕輪」という分割版も登場している。
 
少年ヤンガスには登場しない。
【眠らずの指輪】【眠らずのお守り】になったように、お守りに生まれ変わった指輪もあるのだが、ヤンガスの【お守り】に透視の指輪と同じ効果を持ったものは見当たらない。
トルネコ3と比べて難易度の低下が著しいと評されることもあるヤンガスだが、この透視の指輪が消えたことで難易度が上がっている側面も存在する。
 
実は、トルネコ1の内部データには「見とおしの指輪」という没道具が存在している。
しかし効果を開発する前に没案になったのか、没データ上の能力は【きれいな指輪】と同じ状態(つまり能力無し)になっている。
なお後年【チュンソフト】が開発した「ポケモン不思議のダンジョン」では、「みとおしメガネ」という透視の指輪と同じ効果で「見とおし」というフレーズが用いられたアイテムが登場している。
推測ではあるが、トルネコ1の時点で「透視の指輪と同じ効果を持った装備アイテム」を登場させる予定だったのかもしれない。